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中村憲剛の「KENGOアカデミー」

足が遅くても活躍できる!サッカーでは「正確に止めて蹴る」が一番速いプレー

2015年6月 1日

キーワード:JリーグKENGOアカデミー中村憲剛川崎フロンターレ練習

中村憲剛選手が、これまでのサッカー人生で培ってきたサッカーがうまくなるヒントをお届けする「KENGOアカデミー」。第三回となる今回は「速さ」について。小学生のサッカーでは足が速い選手が試合で目立つケースが少なくありませんが、もともと足が速い方ではなかった中村憲剛選手はどのようにしてスピードの差を克服してきたのでしょう? 
 
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■足が遅ければプレーのスピードで勝負する

みなさんのお子さんの中にも、足が遅くて悩んでいる子はたくさんいるのではないでしょうか? 足が遅いと、サッカーでは確かに不利になることは多いです。僕もプロ選手の中では足が遅いほうなので、「足が速ければなぁ……」と思ったことは何度もあります(笑)。
 
でも、僕がどんなに足が速くなりたい! と思っても、陸上選手のウサイン・ボルトのようになることはできません。短所をなくすように頑張ることもよいですが、僕は自分の長所を伸ばすことのほうが大事だと思っています。
 
そもそも、サッカーは陸上競技のように足の速さだけを競うスポーツではありません。世界のサッカー選手にも、足が遅くても活躍している選手もたくさんいます。ただ、足が遅くても活躍するためには、違う“スピード”を上げる必要があると思います。
 
それがボールを止めてから、蹴るまでのスピードです。ファーストタッチの重要性は何度も言っていますが、本当に大事だと思っているので何度でも言います。
 
ボールを止めるときに一番大事なのは、自分がボールを蹴れる位置にピタッとコントロールすること。
 
通常、キックをするときは、
 
(1)ボールを止める
(2)軸足を踏み込む(止めたボールの位置に)
(3)ボールを蹴る
 
という3つのステップがあります。
だけど、ボールをすぐに蹴れる位置に止めることができれば、
 
(1)ボールを止める
(2)ボールを蹴る
 
という2つのステップになるので、プレーのテンポが上がります。トラップすると同時にキックができる状態になっているのが理想的です。
 
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■正確に止めて蹴るのが一番速いプレー

子どもたちのサッカーを見ていて「もったいないな」と思うことがあります。それが、早いタイミングで蹴ろうとしたとき、ボールを雑に止めている選手が多いこと。恐らく、「速く蹴らなきゃ」と焦ってしまって、ボールを止めるところに意識が向いていないのでしょう。
 
ボールを雑に止めて、慌ててボールを蹴れば、正確なキックをすることはできません。パスがちょっとズレれば、味方の選手に合わなかったり、トラップして次のプレーに移るまでに時間がかかってしまいます。
 
逆に、ちゃんとトラップしてから、しっかりとパスを出せば、味方の選手がいるところにボールが通るし、スムーズにトラップできる。一見、ゆっくりとボールを止めているように見えても、そのほうが結果的には速くなります。
 
僕から皆さんに伝えたいメッセージは、「正確に止めて蹴るのが一番速いプレー」なんだよ、ということ。
 
正確に止めて蹴ることを突き詰めれば、自分のプレーの幅は大きく広がります。
 
味方からパスを受けて、前方のFWにパスを狙うシーンを想像して下さい。FWに対しては相手DFがマークについています。FWがフリーになれる時間はほとんどない。このような状況で、ボールを止めてから、蹴るまでに時間がかかってしまえば、パスを通すことはできません。
 
特に、川崎フロンターレのFW陣は動き出しが速くて、ギリギリのところで勝負するので、こちらが最高のタイミングでパスが出せなければ、せっかくの動き出しが無駄になってしまう。トラップのちょっとしたズレがゴールを決められるか決められないかの分かれ道になってしまいます。
 
僕だって最初から思うようなところにボールを止められるわけではありません。プロになってからも、「もっともっと正確に止められるようになろう」と追求し続けています。
 
僕がプロ選手になって、日本代表にもなれたのも、正確に止めて蹴るという“速さ”にこだわってきたから。技術を習得しやすい、子どものうちからそこにこだわって練習することが、とても大切だと思います。
 
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中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ。東京都小平市出身。小学生時代に府ロクサッカークラブでサッカーを始め、都立久留米高校(現・東京都立東久留米総合高校)、中央大学を経て03年に川崎フロンターレ加入。06年10月、日本代表としてデビュー。国際Aマッチ68試合出場6得点(2015年2月現在)。05年から14年まで10年連続Jリーグ優秀選手賞を受賞。Jリーグベストイレブン5回選出。
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構成:北健一郎 協力:ケンプランニング

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