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世界を見てきたコーチが語る。いま求められる守備の指導法

「守備のレベルが上がれば、攻撃のレベルが上がる」ポジションごとに身に付けるべき守備戦術

公開:2017年12月12日 更新:2020年3月24日

キーワード:オフザボールサッカーサービスディフェンス守備戦術理解知のサッカー

スペイン・バルセロナを拠点に、世界中のクラブ、選手の指導&コンサルティングを行っているサッカーサービス。 世界中で指導を行ってきた彼らだからこそ語れる、日本サッカーの課題である「守備」の指導法についての連載です。

最終回となる今回は、サッカーサービスが提案するU-18年代の守備コンセプトについて、フランコーチに解説してもらいます。

(この連載は2016年5月に開始したメールマガジン「知のサッカー:守備」の内容を転載したものです)

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第1回>>「日本の選手の多くは守備の仕方をしらない」
第2回>>「バルサの闘将」も学び続けていた『守備における個人戦術』
第3回>>「チームの守備コンセプトをしっかり選手に伝える」それが指導者の仕事
第4回>>U-13年代で学ぶべき守備のトレーニングコンセプト

 

前回U-13の選手が身につけるべき守備のコンセプトを、下記2つの状況別にお伝えしました。

1.個人での守備(味方のサポートが無い状態)
2.味方のサポートがある状態での守備

U-13の選手の場合、まずは個人のコンセプトを身につけ、その後にグループ(2人から3人)での動きを理解していきます。それらの元となるのは個人の戦術理解であり、カテゴリーが上がるに連れて、個人からグループ、そしてチームへと関わる人数が多くなっていきます。

今回のテーマ『U-18年代で身につけておくべき守備戦術』では、日本で多く採用される1-4-4-2のシステムをベースに『ポジションごとの守備の仕方』を紹介したいと思います。

ここではポジションをFW、MF、DFと、3つのパートに分けます。それぞれFWが第1ライン、MFが第2ライン、DFが第3ラインと定義をします。

 

■FW(第1ライン)での守備のコンセプト

まずはFWの守備のコンセプトについて説明します。

(1)相手の攻撃方向を限定する

●中央のパスコースを閉じ、攻撃方向を限定する

●背後を確認し、ボランチへのパスコースを閉じる

FWが守備をするとき。それは「相手の最終ライン(DF)がボールを持っているとき」です。

ここで、まず指導者がすべきは「相手の最終ラインの選手がどのあたりまで来たら、FWがプレスをかけるか」を設定することです。FWがやみくもにプレスをかけに前に出ると、その選手がいた場所にスペースができます。そこを相手に使われないように、FWの動きに応じて、MFが連動しなければなりません。

FWがプレスをかけるとき、最初にするべきは「相手の攻撃方向を限定すること」です。

vol5_img02.jpg (中央のパスコースを閉じるトレーニング。DVD「知のサッカー第3巻」より)

守備時にもっともケアするべきエリアは「ピッチの中央部」だというのは、これまでの連載で再三お伝えしてきました。

まず、FWは中央部にパスを通させないように、ピッチの内側のコースを消します。このとき、自分の背後を何度も見て、相手のMFやFWがどこにいるかを確認し、ボールを持っているDFとMF、FWのライン上にポジションをとることを意識します。それはMF、FWへのパスコースを消すためです。

(2)味方のカウンターを予測し、準備する

●2人のFWは異なる高さにポジションを保つ

●相手ディフェンスのライン間を利用する

現代サッカーでは、守備と攻撃は表裏一体です。FCバルセロナのようなトップレベルのチームは、ボールを奪い返した瞬間に攻撃に移り、素早い展開でゴールを陥れます。良い選手とは、守備の時に攻撃のことを考えて準備できる選手であり、その反対もしかりです。

そのため、FWは自分が守るべきラインを突破されたあとは、守備のことだけでなく、攻撃に移るときのことを考えて、ポジションをとり続けることが重要です。

相手の守備にギャップを作るためにも、2トップはそれぞれ同じラインに入るのではなく、異なる高さにポジションをとること。そして、相手のMFラインとDFラインの間、あるいは右ボランチと右センターバックの間といったように、ライン間のスペースを使って攻めて行きます。

 

■MF(第2ライン)での守備のコンセプト

次はMFの選手の守備のコンセプトです。

(1)相手FWへのパスを防ぐ

●MFのライン間でポジショニングを調整する

●FWへのパスコースを閉じる

4-4-2システムの場合、MFは4人います。この4人が連動して、互いのポジションがズレていないか、無用なスペースを生んでいないかを常に確認し、ポジションのバランスを保ちます。

そうして、相手のMFがボールを持った時に、FWへパスを通させないように、左右に移動するなどして、パスコースを閉じるポジションをとります。

vol5_img02-2.jpg (選手に質問を投げかけながら指導するフランコーチ DVD「知のサッカー第3巻」より)

(2)数的優位を作る

●適切な判断でラインのバランスを崩し、数的優位を作る

●パスコースを閉じながら、数的優位を作る

MFは互いにポジションのバランスを保ちながら、ボール保持者の状況に応じてラインのバランスを崩し、数的優位を作ってボールを奪いに行きます。このとき、選手同士が連動してパスコースを閉じながら、ボール保持者を囲い込みます。 その際に必要な「いつボール保持者へ寄せるべきか」「いつ人数をかけて奪うべきか」といった状況を認知する力、適切な判断をする力は、現代サッカーにおいて欠かせない要素のひとつになっています。

次ページ:守備のレベルが上がれば攻撃のレベルが上がる

 

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取材・文/鈴木智之

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