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夏休みはサッカーで自由研究!

独立の誇りと勇敢なマプチェ族の血!チリ代表の強さの秘密とは

2015年8月 6日

キーワード:世界図鑑勉強夏休み自由研究

連載第3回目は、前回お伝えしたように『親子で学ぶ サッカー世界図鑑』から、南米の代表としてチリのページを取り上げ、サッカーをキッカケに見えてくる、その社会的、文化的背景を紹介したいと思います。
 
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■チリの歴史を知れば、よりサッカーが楽しくなる

南米の国々について、みなさんはどんなことを知っていますか?
 
ブラジルやアルゼンチンについての知識を持っている人は多いでしょう。ペレ、ジーコ、マラドーナらを筆頭に数々の名プレーヤーを輩出し、W杯の優勝経験も豊富。現在もネイマールやメッシなどヨーロッパで活躍するスター選手が多い両国は、子どもたちにとっても比較的身近な国だと思います。また、この二カ国に関しては、ブラジルならサンバやコーヒー、アマゾンの熱帯雨林、アルゼンチンならタンゴやイグアスの滝、氷河といった大自然など、サッカー以外の分野でも接する機会が多いのではないでしょうか。
 
では、同じ南米の国でもチリに関してはどうでしょう。2010年、2014年のW杯での躍進や、今年6月~7月にかけて開催されたコパ・アメリカでの優勝など、サッカーでは近年その国名をよく目にするようになりましたが、サッカー以外の分野で、みなさんはチリのどんなことを知っていますか?
 
南北に細長い国であるということ以外はよく分からないという人が大半なのではないでしょうか。中には、日本でも人気のあるチリワインや、銅の世界的な産地であること、モアイ像で有名なイースター島がチリの領土であることなどを知っている人もいるかもしれませんが、子どもたちにとってこのチリという国は普段ほとんど接する機会がなく、やはりイメージが湧きにくい国だと思います。しかしそんな子どもたちにとって縁遠いチリという国についても、サッカーをキッカケにすれば、興味を持つことができます。そしてその興味から調べを進めた先には、サッカー以外ではなかなか知る機会がない、サッカーがキッカケだからこそ知ることができる知識が広がっているのです。
 
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■歴史を辿るとわかる!チリ×スペイン戦が白熱する理由

日本人と変わらない小柄な体格にも関わらず、激しいプレースタイルや、素早い攻守の切り替えで、強豪国とも互角に渡り合うチリのサッカーは、しばしば日本代表の目指すべきスタイルなどと形容されます。2014年のブラジルW杯で、チリがスペインを撃破したことは記憶に新しいのではないでしょうか。その際の選手の気合の入りよう、サポーターの熱は、単に前回優勝国との一戦という枠を超えた、凄まじいモノがありました。この一戦を一目見ようと、チケットを持たない200人のチリサポーターがスタジアムに突入したというニュースも大きな話題となりました。また、チリ代表といえば試合前の国歌斉唱も印象的でした。大声を張り上げ、勇ましく国歌を歌う姿に鳥肌が立った人も少なくないと思います。
 
なぜチリの人びとはスペインとの一戦であれほどの熱狂的な盛り上がりを見せたのか、なぜ国歌斉唱にあれほど気持ちを込めるのか。その理由は、前回大会優勝国という肩書きに関わらず対戦相手がスペインであったこと、そしてチリ国歌の内容に着目することで浮かび上がってきます。
 
チリにはかつてスペインに征服されていた時代がありました。1492年にコロンブスがアメリカ大陸に到達して以降、数多くのスペイン人が海を渡り、アメリカ大陸を瞬く間に征服していったのです。そのスペインの勢いは16世紀には現在のチリに相当する地域にまで及びました。もともとこの地には多くの先住民が住んでいましたが、つぎつぎとスペインの支配下に置かれていきました。スペインの支配はその後、チリが1818年に独立を勝ち取るまで続きます。チリとスペインの一戦が、熱狂的な盛り上がりを見せるのはそういった歴史的要因が背景にあるからなのです。そして、この独立について歌ったのがチリ国歌。長いスペインの支配を経て、独立を果たしたその誇りが現代にも受け継がれているからこそ、チリ代表の選手たちは国歌斉唱にあれほどの気持ちを込めるのです。
 

■元チリ代表のサラスは、誇り高きマプチェ族の子孫

また、このスペインによる支配とチリの独立の歴史についてさらに調べていくと、マプチェ族という先住民族が浮かび上がってきます。南部に住むマプチェ族はスペインがつぎつぎとチリを侵略していく中で、これに激しく抵抗します。その抵抗は300年以上も続き、マプチェ族は遂に自分たちの土地を守り続けました。そして、このマプチェ族も少なからずチリのサッカーに関わりを持っています。例えば1990年代から2000年代にかけて活躍し、チリ代表の歴代最多得点記録を持つマルセロ・サラスはマプチェ族から派生した民族にそのルーツを持っています。また、チリの強豪クラブであるCSDコロコロは、スペインの侵略に対して最後まで戦い続けたマプチェ族の首長「コロコロ」にその名前をちなんでいます。独立の誇りだけではなく、スペインに抵抗し続けた、勇敢でたくましい先住民の血も脈々と現代のチリに受け継がれていると言えるでしょう。
 
このように、スペインとの一戦での盛り上がりや、国歌斉唱からチリという国について調べを進めると、スペインの征服とチリの独立、そして先住民とサッカーのつながりという背景が見えてきました。
 
近年注目度が高まり、多くの人の興味を引いているチリのサッカー。そのチリサッカーへの興味を入り口にすれば、普段なかなか接する機会のないチリという国の社会的、文化的背景にも触れることができるのです。サッカーをキッカケにして、新たな世界が広がったと言えるのではないでしょうか。
 
さて、次回はいよいよ、実際に自由研究を作るにあたっての流れを追ってみます。サッカーに関して興味のあること、気になっていることをテーマに、そのテーマを調べ、一枚にまとめるまでの過程を解説したいと思います。例に挙げたドイツやチリを参考にして、その国の背景を調べてみるもよし、選手個人にフォーカスしてみるもよし。独自の視点から自分だけの自由研究を作ってみましょう。
 
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次回に続く>>
 

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