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「育成しつつ常に勝利する」FCバルセロナの人材育成術について、バルサのカンテラのテクニカルディレクターであるアルベルト・プッチ・オルトネーダが全4回に渡り解説。最終回は「親が子どもの教育に果たす役割」について。
■敬意、忍耐、犠牲、努力、謙虚さといった価値観を教える
教育とは何か。どうやって教育するか。何をすべきで、何をすべきではないのか。
プロのサッカー選手を夢見る子どもに、何が有益で何が害になるのか。
教育するとは、子どもを社会に送り出す準備をすることです。将来、大人として社会でしっかりと生活できるために必要な価値観を教え込むこととなります。敬意、忍耐、犠牲、努力、謙虚さといった価値観です。
子どもを教育するとは、子どもが幸せになるように準備することでもあります。子どもが努力によって手に入れたものを褒めてあげること以上に、子どもを幸せにする良い方法を私は知りません。プレゼントをたくさん与えたり、根拠もなく褒め続けたりしていれば、子どもにはいずれ不幸が訪れる。愛情を込めてしつけ、努力を評価することによって、子どもたちには幸せが近づいてくるのです。
偏った良心から、親たちが子どもを過保護にしてしまうケースもあります。学校でもスポーツチームでも、教師や指導者が仕事を全うしようとすると、こうした過保護な親に攻撃を受けることもあります。こうなると、親と学校、親と指導者の関係ががらりと変わってしまい、子どもたちは満足に学ぶことができなくなってしまいます。
昔は、親は必ず教師の側についたものでした。今では、教師はいつも映画の悪役です。昔、生徒が学校で何か問題を起こすと、親に話そうとなんてしなかった。更に叱られるのが目に見えていたからです。今は、生徒が学校で問題を起こせば、すぐに親に助けを求めます。そして親は、たいてい自分の子どもの言い分を認めるのです。
■リオネル・メッシにとっての家族の存在
メッシ:「家族はとても大切だ。僕が何か間違いを犯すと、家族が僕に気付かせてくれるんだ」
メッシ:「一人のサッカー選手として、そしてチームの一員として数々のタイトルを獲得し成功を収めたからといって、僕は何も変わっていない。今までと同じ人間であるよう心がけているし、今までと同じことをして、普通の生活を送ろうと心掛けている。それを実現するために大事なのは、ハッキリとした考えを持つこと、常に努力する意欲を保つこと、経歴を傷つけるようなことをしないことだ。もちろん、これには家族の協力が必要だ。両親、兄妹、叔父、叔母、従兄たち。みんな、いつも僕にアドバイスしてくれる。僕にとって家族はとても大切だ。僕が何か間違いを犯すと、家族がそれを気付かせてくれるんだ」
「ノー」ということが教育です。いつでも「イエス」というのは甘やかしです。どんなに媚びへつらっても、子どもがそれ以上、親を好きになるわけではない。それどころか、逆に、親に対する尊敬を失うことすらあるのです。
子どもたちが夢を叶えるために必要な力を見つけるために、協力しようではないですか。
子どもたちの夢は、同時に私たちの夢でもあるのですから。
アルベルト・プッチ・オルトネーダ//
Albert Puig Ortoneda
FCバルセロナ「カンテラ」テクニカルディレクター。1968年生まれ。FCカンブリルスのインファンティルチームを監督し、同市内のベテランス・サッカースクールに勤務、その後、レウス・デポルティウと契約した。FCバルセロナのオブザーバーとして、当初タラゴーナ県、次にカタルーニャ州全域を担当。2002年、バルサの下部組織のスタッフとなる。アレビンBを2シーズン率い、2008年からはインファンティルBを監督している。また、カタルーニャサッカー協会のコーチングスクールで教師を務めている。
受賞歴:スペインスポーツ高等委員会のエレナ王女賞、エルネスト・リュチ財団のスポーツマンシップ賞、ジョアン・クレウス・スポーツマンシップ賞、スポーツマン祭典の『スポルト』紙のフェアプレー賞、カタルーニャサッカー協会のフェアプレー賞、カンブリルス・スポーツマンシップ賞など。
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本書は、有名人によって語られたサッカーのエピソード本とは違う。プロサッカー選手になるという夢を叶えた選手たちの経験や彼らが大切にしている価値観を考察し、その中から、夢の実現を目指す若いスポーツ選手、指導者、教育者、更には選手の保護者に役立つエッセンスを抽出し、そしてそれらを皆さんと共有するために書かれたものである。
・第1章 FCバルセロナの指導理念を実践する現役の指導者たち
・第2章 カンテラが生んだスター選手たち
・第3章 経験者が語るFCバルセロナの育成論
・第4章 子どもをサッカー選手にしたい親たちへ
・第5章 教育者が子どもに与える影響
文/「FCバルセロナの人材育成術」アチーブメント出版 写真/小川博久(FCバルセロナキャンプJAPAN2011より)
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