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なぜバルサは勝利と育成が両立するのか?

幼年時代に大切なことと、イニエスタからの言葉

2012年1月16日

キーワード:コーチングスペインバルセロナ育成

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「育成しつつ常に勝利する」FCバルセロナの人材育成術について、バルサのカンテラのテクニカルディレクターであるアルベルト・プッチ・オルトネーダが全4回に渡り解説。第2回目は幼年時代の育成においてバルサが大切にしていることを紹介します。
 
 
 
 

■私たちは幼年時代を最大限に延ばしてやらなければならない

私たち親は、子どもの幼年時代を最大限に延ばし、子どもがずっと子どもらしくいられるようにしてあげなければいけません。早いうちからプレッシャーをかけてはダメなんです。サッカーをやる子どもたちの場合、家族と一緒にいる時はなるべくサッカーを話題に“しない”方がいいと思います。
 
子どもがハットトリックを決めた日は、父親はそのことを大ごとにせず、子ども本人よりもチーム全体について話をすることをおすすめします。サッカーを家族の中心にしないことがコツなのです。
 
例えば、サッカーの代わりに勉強を家族の中心的話題にした方がよいのではないかと思います。両親や兄弟にとってサッカーの重要度があまりにも高まってしまうと、子どもにとってサッカーが頭痛の種になり、夢も失ってしまう。毎回の試合が学校の試験のようになってしまうからです。
 
サッカーをプレーする子どもには、プレッシャーを与えないほうがよいです。子どもは子どもらしく―。人間としての成長の方が、スポーツのレベルアップよりも大事ではないでしょうか。私の経験からいうと、称賛をあびすぎて周囲を見失ってしまうこともあります。そんな時、家族は現実へと導いてくれます。
 
 

■イニエスタからの言葉。「選手にとって大切なものとは」

イニエスタ:「若い選手にとって、周囲の人々の言葉は最も強い影響を与える。子どもの頃からずっと、お前が一番だとか、完璧だとか、そういうことばかりいうのは逆効果だ。そういうやり方はいけない。幸い、僕のまわりにいた大人はもともと謙虚で、『努力しなければ何も成し遂げられない』と、いつも僕に教えてくれた。父のアドバイスにはいつもしっかり耳を傾けていたし、時には指導者のアドバイスよりも父のアドバイスを当てにしていたこともあった。でも父はいつも『監督のいうことをよく聞くんだぞ』と僕にいっていた。」
 

バルサのトップチームに上がれるのは、才能のある選手よりも努力して伸びた選手の方が多い

イニエスタ:「努力、規律、継続は、トップチームに上がるために必要不可欠な価値観だ。日々の努力は、きちんと報われるものだ。バルサのトップチームに上がれるのは、才能のある選手よりも努力して伸びた選手の方が多い。すべての練習で努力しなくてはいけない。練習中に『もっと頑張れ』と指導者にいわれたことは、僕は一度もないよ」
 

チーム内で大切なのは「敬意」だ

イニエスタ:「チーム内で大切なのは『敬意』だ。友情よりずっと大切なことだよ。どんなに仲良くなったとしても、チームメイトの間には必ず敬意がなくてはいけない。そうじゃないと、集団が機能して勝利することはできないからだ。
例えば、僕が今のように出場機会に恵まれていなかった頃、僕はピッチに出ていくチームメイトたちの背中を見ながら、僕の方が調子がいいのにと思っていた。でも、チームメイトへの敬意から口を噤んで何もいわなかった。チームメイトに対する敬意、礼儀、仲間意識からね。こういう価値観の大切さを若い時に教わり、その教えをずっと守ってきたから、今の僕があるんだと思う。」
 
 
第3回の記事を読む>>
 
 

アルベルト・プッチ・オルトネーダ//
Albert Puig Ortoneda
FCバルセロナ「カンテラ」テクニカルディレクター。1968年生まれ。FCカンブリルスのインファンティルチームを監督し、同市内のベテランス・サッカースクールに勤務、その後、レウス・デポルティウと契約した。FCバルセロナのオブザーバーとして、当初タラゴーナ県、次にカタルーニャ州全域を担当。2002年、バルサの下部組織のスタッフとなる。アレビンBを2シーズン率い、2008年からはインファンティルBを監督している。また、カタルーニャサッカー協会のコーチングスクールで教師を務めている。
受賞歴:スペインスポーツ高等委員会のエレナ王女賞、エルネスト・リュチ財団のスポーツマンシップ賞、ジョアン・クレウス・スポーツマンシップ賞、スポーツマン祭典の『スポルト』紙のフェアプレー賞、カタルーニャサッカー協会のフェアプレー賞、カンブリルス・スポーツマンシップ賞など。
 
 
 
本書は、有名人によって語られたサッカーのエピソード本とは違う。プロサッカー選手になるという夢を叶えた選手たちの経験や彼らが大切にしている価値観を考察し、その中から、夢の実現を目指す若いスポーツ選手、指導者、教育者、更には選手の保護者に役立つエッセンスを抽出し、そしてそれらを皆さんと共有するために書かれたものである。
 
・第1章 FCバルセロナの指導理念を実践する現役の指導者たち
・第2章 カンテラが生んだスター選手たち
・第3章 経験者が語るFCバルセロナの育成論
・第4章 子どもをサッカー選手にしたい親たちへ
・第5章 教育者が子どもに与える影響
 

■FCバルセロナの元コーチが教える「サッカー選手が13歳までに覚えておくこと」

FCバルセロナの選手や世界のトッププロをサポートしてきたスペインの世界的プロ育成集団「サッカーサービス社」が監修した選手が見て学べるU-13世代の選手向け教材。彼らが分析した「Jリーグ」の試合映像をもとに、攻守の個人戦術からグループ戦術まで、選手のサッカーインテリジェンスを磨く32のプレーコンセプトを解説。将来、プロや海外で活躍することを目指す選手必見の教材。
※限定2,000名の豪華特典など要チェックの内容です。詳しくはこちら>>
 
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文/「FCバルセロナの人材育成術」アチーブメント出版 写真/小川博久(FCバルセロナキャンプJAPAN2011より)

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