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小学生から身につけたい!FCバルセロナの"ラインを突破するサポート"

公開:2015年11月24日 更新:2020年3月24日

世界中が注目する一戦、レアル・マドリー対バルセロナの“エル・クラシコ”が22日に行われ、アウェイのバルセロナが4対0で完勝しました。この試合を、スペイン・バルセロナを拠点に世界中のクラブ、選手を指導する『サッカーサービス』のフリアンコーチに分析してもらいました。今回のテーマは“攻撃時のサポート”です。スアレスの先制ゴールを導いた、ラキティッチが見せたモドリッチとセルヒオ・ラモスを突破するための動きとは? 小学生でも身につけられる攻撃のコンセプトは必見です。(取材・文 鈴木智之)
 
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<<小学生から学べる!レアル・マドリ―の守備を破壊したバルサの "マークを外す動き"
 

■クラシコのレアルとバルサの違いは、“攻撃時のサポート”にあり

先日行われたクラシコでは、バルセロナの攻撃がレアル・マドリーの守備を打ち破り、4対0という大差で決着がつきました。サッカーは攻守が表裏一体のスポーツです。良い守備があって良い攻撃ができ、逆もまたしかりです。
 
前回の記事で、バルセロナはルイス・エンリケが監督に就任してから「ボールを奪われた瞬間に、激しくプレスをかけて奪い返す」という守備方法のほかに、最終ラインでブロックをつくって守る方法も用いると言いましたが、レアル・マドリーからすると、バルセロナの守備ブロックをどのように突破するかが攻撃の焦点になっていました。
 
レアル・マドリーの前線の4人(ベンゼマ、C・ロナウド、ハメス・ロドリゲス、ベイル)は個人として非常に優れたタレントですが、チームとして守備をするバルセロナに対して、ひとりでゴールを奪うのは簡単なことではありません。大事なのは“チームとしていかに攻めるか”です。
 
バルセロナは前線のスアレスやネイマールというタレントがゴールを決めるために、セルジ・ロベルトやイニエスタ、ラキティッチが非常にうまくパスを繋ぎサポートをしていました。サッカーサービスも、ボールを持っている選手に対するサポートは重要視しています。サッカーサービスのスクールやキャンプでは12歳以下の子どもたちが“攻撃時のサポート”について学びます。今回のクラシコでいうと、バルセロナのセルジ・ロベルト、イニエスタ、ラキティッチは、うまく中盤で味方をサポートするプレーができていました。
 

■“ラインを突破するサポート”は相手DFを迷わせる

たとえば、ラキティッチは攻撃のときに、レアル・マドリーの最終ラインと中盤のラインの間のスペースにポジションをとることが多く、それによりフリーでボールを受けたり、セルヒオ・ラモスの動きを牽制していました。スアレスの1点目は、ラキティッチは直接ボールに関わってはいませんが、モドリッチとセルヒオ・ラモスの中間地点に立つことで、セルヒオ・ラモスに対して“前に出て対応するのか”“モドリッチが下がって対応するのか”という迷いを生じさせていました。
 
もともと、セルヒオ・ラモスは相手に近づいていき、ボールを奪うのが得意な選手です。そのため、ラキティッチに対して「前に出て寄せる」というプレーを選択したのですが、その結果、後方に大きなスペースを作ってしまい、そこをセルジ・ロベルトとスアレスに突かれて失点しました。
 
このときのラキティッチのポジショニングは「モドリッチのいる中盤のゾーンを越えること」と「セルヒオ・ラモスを動かし、スペースを作る」という、2つの狙いのもとに動き、それが成功したことで、バルセロナの先制ゴールが生まれました。
 

■“ラインを突破するサポート”の名手イニエスタ

この相手の“ラインを突破するサポート”は、イニエスタもセルジ・ロベルトも得意とするプレーで、クラシコでも何度か見ることができました。とくにイニエスタはボールが来る前に状況を把握し、どの身体の向きでどこにボールをコントロールすれば、次に最良のプレーができるかを瞬時に理解します。われわれがスクールやキャンプで教えている“認知”“状況判断”に優れており、その上で類まれなボールコントロールスキルを持っているので、相手を簡単に突破することができたり、ゴールに直結するパスが出せます。
 
クラシコでも、彼が出した70本のパスのうち、67本は良いパスでした。激しいプレスがかかっている中で身体の向きをつくり、首を振って正しい状況判断し、質の高いパスを出すことができていたのです。
 
“ラインを突破するサポート”は攻撃時に重要なコンセプトですが、レアル・マドリーでうまくできていたのがハメス・ロドリゲスとモドリッチです。また、途中から出場したイスコも良くできていたと思います。モドリッチはイニエスタ同様、試合中に首を振る回数が多く、常に「ピッチ内で何が起きているか」または「何が起きそうか」という情報を収集し、判断、決断、プレーの実行を繰り返しています。ハメス・ロドリゲス、イスコも限られた時間でしたが、違いを生み出そうと積極的に動き「ラインを突破するサポート」をしていたと思います。
 
次ページ:“ポゼッションを継続するサポート”に留まったレアルの司令塔
 

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取材・文 鈴木智之

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