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サッカーを観て学ぶ

川口能活のプレーを観て真似した西川周作の少年時代

公開:2014年10月27日 更新:2020年3月24日

キーワード:ゴールキーパー浦和レッズ

前回記事『西川周作の足元の技術は、どのように磨かれたのか!?』では、ほめられることでトライするようになり成長できた少年時代の経験や、GKならではのサッカーの見方を語ってくれた西川周作選手。今回は少年時代にあこがれた選手や、いまお手本としている選手の話に加え、西川選手が得意とするパントキックの蹴り方を教えてもらいましょう。
 
西川選手
(取材・文/石井宏美 写真提供/URAWA REDS)
 
 
<<前編:西川周作の足元の技術は、どのように磨かれたのか!?
 
 

■川口能活を真似した少年時代

――西川選手はジュニア年代の頃にも、よくサッカーを観ていましたか?
 
初めてJリーグを観たのは、博多の森で行われたアビスパ福岡対横浜F・マリノス戦でした。試合前のアップから(川口)能活さんに釘づけ状態で。“あれが、川口能活か!”と、スタンドから興奮しながら見ていたことを、いまでもはっきりと覚えています。もちろん、試合中も能活さんばかり見ていました。
 
――具体的にどういったところがすごいなと感じましたか?
 
キャッチングといい反射神経といい、すべてのプレーのレベルが高くて、観ているだけでも楽しかったですね。そういう感覚を持って観客席から見ていたころと、実際に一緒にプレーしたときの感情は、いまでも鮮明に覚えていますよ。日本代表合宿で初めてお会いしたんですが、心の中では「うわー、川口能活だ」「楢崎正剛だ!」と大興奮でした(笑)
 
――実際に一緒にプレーしていかがでした?
 
キャッチングのボールが手に吸い込まれていく感じがなんとも言えなかったですね。“(ボールが)手に吸い付く”とはこういうことを言うんだな、と。衝撃的でした。能活さんも楢崎さんもミスが少なく、さらにあの集中力の高さはさすがだなと感じました。
 
――試合を観に行った翌日は、やはり真似をしましたか?
 
試合当日の夜には、自宅の布団の上で“(川口能活選手の)飛び方!”と叫びながら飛んでいましたね(笑)。本当に小さいころはよく真似をしていました。そう考えると、いまのお子さんもそうなのかな? と思うことがよくあります。だからこそ、今度は自分が幼い子どもたちに夢を与えていきたいと思いますし、それができる立場にいるからこそ“頑張ろう”という気持ちになります。それが僕のモチベーションの1つにもなっています。
 
―――ちなみに、若い時の川口選手は、当時はめずらしく、前に前に出ていくプレースタイルでした。西川選手もそのあたりを意識されたり、自分のプレーにも反映させていった部分はありますか?
 
前に出てのシュートブロック、瞬発力、そういうところは能活さんのプレーを見ていて、自分もやりたいなと思いましたね。能活さんの果敢に前に出るスタイルは、自分も意識しながらプレーしてきました。それは今、GKにとってすごく大事なことになっていると思います。
 
 

■試合前日はホテルで海外サッカー観戦

――プロ選手になったいまも、客観的に海外の選手のプレーや試合を見ることはありますか?
 
1試合を通してはなかなか見ませんが、得点シーンがあれば、当然、失点シーンもあるわけで、失点の場面でのGKのポジションニングや、打たれる時の構えや状態などに注目しています。実際に失点しているのは自分ではありませんが、自分に置き換えて、そのシュートに対してどのポジションが一番よかったのかを観ながら、いろいろ分析したり、考えたりしています。
 
――プレーする上においても、客観的にサッカーを観ることは意味があるのですね。
 
大事なことだと思います。観ることが、“頭でイメージする”ことにつながってくると思うので。そういった意味で、試合の前泊のホテルで、ぼくは海外サッカーのビデオを見て過ごすんです。部屋にあるテレビは、ほぼつけません。そこから(試合に向けて)準備してますね。そうやって目の前の試合に集中するんです。なにが起きてもいいように、自分のプレーを観たり、海外選手のプレーを観たりして備えるんです。あまりにも観すぎて、“これもできるんじゃないか?”と思うこともあります。たとえば、どうしたら点をとれるかな、とか(笑)。いろいろなサッカーを観るうちに、考えることがどんどん大きくなっているような気がします。でも、考えられているということは、実現できることでもあるのかなと思うんですけどね。いい意味でクレイジーになりたいです(笑)
 
――ドイツ代表のノイアー(バイエルン・ミュンヘン)は、西川選手にとってはどんな存在ですか? また、ノイアーのどういった部分を見ているのか、お聞かせください。
 
ノイアー選手が、現在のサッカー界において、最先端を走るGKだということは誰が見てもわかると思います。自分も目指しているところではありますし、お手本にしています。ディフェンスの背後のケアでは、193cmの大きな体でもしっかりとプレーしていて、クリアするだけではなく、ドリブルでつなげたりしている。GKとしては規格外というか面白いですね。でも、あれだけ守れると味方は相当助かるでしょうね。ぼくはノイアーと比較すると身体は小さいですが、ピンチになる前に攻撃の芽を摘むことはできることだと思います。もちろん簡単なことではありませんが、そういったシンプルな作業ができればと考えています。

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取材・文/石井宏美 写真提供/URAWA REDS

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