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サッカーを観て学ぶ

西川周作の足元の技術は、どのように磨かれたのか!?

公開:2014年10月21日 更新:2020年3月24日

キーワード:ほめる浦和レッズ西川周作GK

幼いころからプロになったいまも、サッカーを観ることを大切にしているという、日本代表GK西川周作選手(浦和レッズ所属)。足元の高い技術と正確なフィードを武器とし、周囲から高い評価を得るそのプレースタイルは、ジュニア年代の経験に多くの秘密が隠されていました。
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取材・文 石井宏美 写真 Getty Images
 

■ディフェンス時からボールを奪ったときのことを考える

――西川選手はサッカーをプレーするだけでなく、観ることもありますか?
 
サッカーを観ることは昔からとても大事にしていて、プロになった後も、とくに自分が試合に出始めてからは繰り返し観るようにしています。他の選手のプレーを観て、「こういう場面では、もっと落ち着いて対処していいな」とか、「そんなにプレッシャーを感じる必要もなかったな」と考えながら観ていますね。
 
――ピッチの外から観ることと、ピッチ上で実際にプレーするときでは、異なる部分はありますか?
 
大きな差はないのですが、たまに(差を)感じることはあります。たとえば、試合中はけっこうプレッシャーを感じていたけれど、あとで映像を見返してみると、プレスに来ている相手FWとかなり距離があったり。そういうときは、だいたい周りがあまり見えていないときです。そういうところは、つねに注意しようと考えています。
 
――試合中は広い視野でプレーしていると思いますが、自分のプレーだけではなくポジションが近いDFを始めとするチームメイトとの連携に神経を使いますか?
 
攻められているときのマークの確認や、(ボールを)奪った後、相手に詰められていても味方のFWがどの位置にいるかを把握するようにしています。それと、相手DFがどのようなリスクマネジメントをしているのかも確認します。ちらっと見るだけでも(ボールを)奪った後の判断やつぎの展開に生きます。攻められているときは、逆に「チャンスだ!」と思いながら、余裕を持って守っています。つねに(ボールを)奪った後の攻撃は意識しています。
 
――昔からそのように冷静に考えられていたのでしょうか?
 
いや、昔は攻められているときは「まずは守備」という感覚で、頭も体も準備していました。その考えが変わったのは、ミシャ(ペトロヴィッチ監督の愛称)に出会ってからですね。先ほど、つねに(ボールを)奪った後の攻撃を意識していると言いましたが、ミシャにはそれを求められます。そのほうが実際にプレーして楽しいですし、自分にも合っているんじゃないかなと思います。ミシャに出会って自分のプレーの幅が広がりましたね。
 
――ペトロヴィッチ監督の元でプレーすることで、変化したなと感じる部分はあります?
 
ゲームメーカーの意識が強くなったような気がします。GKはいい意味でも悪い意味でも、流れを変えられるポジションだと考えていたのですが、ミシャに出会って、さらに強くそう考えるようになりました。
 

■ほめられることでトライするようになり成長できる

――西川選手の特徴でもある足元の高い技術は、どのように身につけたものなのでしょうか?
 
中学時代は試合の前半にFW、後半はGKでプレーしていました。とにかくいろいろなポジションでプレーしました。それと、あまり怒られることがなかった。中学でも高校でも、ほめることを大切にして、ミスしてもどんどんトライしていこうという環境でサッカーをすることができました。トップチームに昇格してからもそうだったのですが、そういう意味では、本当にぼくは指導者と環境に恵まれていたと思います。いつかぼくが指導者になったときは、そういう形で子どもたちを教えてあげられたらいいなと思っているんですよ。
 
――ほめて伸ばすことだ大切ということですか?
 
そうですね、ほめて伸ばしたいです。じつは日本代表のアギーレ監督もそういったタイプなんです。だから、モチベーションは確実に上がります。アギーレさんはちょっとしたところでもとにかくほめてくれる。それは選手としてはすごくありがたいですし、積極的にトライできる環境を作ってくれていると感じます。そこはミシャにも共通していているところです。
 
――プロになったいまもそういった環境でプレーできることが、成長や失敗を恐れずにプレーするところにつながっていると思われますか?
 
広島時代もそうでしたが、トライできる環境の中でプレーできていることを本当にありがたいと感じています。ミスをしてもポジティブな言葉をかけてくれることが、結果にもつながっている。ミシャもよく「恐れる気持ちが一番よくない」と言うのですが、本当にその通りだな、と思います。ミシャは毎回、試合の前に「つねに楽しむことを大事にしながらプレーしろ」と言ってくれるんです。
 
――広島時代を含め、ペトロヴィッチ監督のもとでプレーして3年目になります。
 
攻撃面においても引き出しが多いというか、アイデアが豊富な監督で攻撃パターンを数多く持っています。あらためて、「このサッカーには終わりがないな」としみじみ感じているところです。ただ蹴るだけのサッカーであれば、全然おもしろくなくなると思うのですが、ミシャのようにつないで展開していくサッカーは、みんなが動いて成り立つサッカーなので、本当に奥が深いと感じます。
 

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