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バディスポーツ幼稚園に学ぶ「子どもの"積極性"を育む」子育て7つのコツ

公開:2016年12月 2日 更新:2023年6月30日

サッカーは好きなはずなのに、試合になるとすぐうまい子にボールを預けたり、ゴール前でシュートを打てばいい場面でもパスを出してしまう。
 
子どものサッカーを観戦しに行くと、わが子のプレーに対してそんな感想を持つお父さんお母さんも少なくありません。
 
では、どうすればもっとサッカーに積極的に取り組んでもらえるようになるのでしょうか?
 
その消極的なプレーの理由を、お子さんの性格のせいにしていませんか?
 
たしかに性格はサッカーのプレーにも影響しますが、子どもの積極性を高めるために親にできることもあるのです。
 
今回は、日本代表FWの武藤嘉紀選手なども通っていたバディスポーツ幼稚園の鈴木威校長の著書「子どもの『生き抜く力』の高め方から、サッカー少年のお父さんお母さんにも役立つ子どもの積極性の育み方を抜粋・加筆し、ご紹介します。(取材・文 篠幸彦)
 
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■“成功体験”でどんなことも「やればできる」という自信を与える

「三つ子の魂百まで」という言葉があるのように、幼児期は人間の基礎をつくる上で大切な期間です。この時期に成功体験を与えれば、その後の人生で「何事もやればできる」という自信と強い意志を持てるようになります。
 
バディでは毎年、セミジュニア(年少々)とジュニア(年少)の子どもたちをスキーキャンプに連れていきます。セミジュニアの子どもたちでも初日から1・5キロのリフトに乗り、大人なら5分程度で滑るコースをマンツーマンで指導する先生と2、3時間かけて滑り降りてきます。このとき、先生は子どもが転んでも手を貸しません。その代わり、自分で起き上がる方法を指導します。どんな試練にもまずは自分の力で乗り越えることを教えるためです。
 
こうして自分の力で滑り降りてきた子どもたちは、「やればできる」という大きな成功体験を得ることができます。その後、どんな試練に対してもスキーキャンプのことを思い出して「自分ならできる」と信じ、立ち向かっていける積極性が育ちます。
 

■成功体験は正しい目標設定で得られる

子どもに成功体験を与えるためには、正しい目標設定が必要です。目標設定で気をつけるのは「難し過ぎず、簡単過ぎず、ちょっと難しい」という3つ。子どもは難し過ぎるとすぐに諦め、簡単過ぎるとすぐに飽きてしまいます。努力が必要だけれど、努力次第でクリアできる「ちょっと難しい」目標設定が大切です。
目標を達成して次の目標を与えるときは“徐々にレベルを上げること”がコツです。例えば跳び箱では3段が飛べれば、次は4段、その次は5段と階段を登るように少しずつ目標レベルを上げてきます。どんな小さな目標でも「クリアできた」という成功体験の数が多ければ、それだけ子どもは自信を深めることができます。
 

■スポーツを通して努力する意味や価値を教える

スポーツは結果が目に見えるので、勝敗が幼児期の子どもにもわかりやすいのが特徴です。勝ち敗けが認識できることで、自分の結果が成功か失敗かがわかるようになります。人は失敗を経験し、悔しさを味わうことで「努力する」ための原動力が生まれるので、失敗を認識できることは大切なことです。
 
近年では勝ち敗けをつけない、優劣をつけないという教育をする学校があります。それでは人は努力する価値や必要がなくなり、競争や努力がなくなればどんな世界でもレベルは下がる一方です。
 
例えば一生懸命仕事をして良い結果を出す人、普通に仕事をして普通の結果を出す人、何もやらずに結果も出さない人。この3人が同じ会社で給料が同じだとしたら、この会社の社員はどこを目指すようになるでしょうか。間違いなく、何もやらなくなります。
 
子どもにスポーツで勝ち負けを経験させ、努力する意味や価値を教えることで何事に対しても努力できる人間性が育ちます。
 

■どんなことも「自分で乗り越える力」が身につく3つの運動

バディスポーツ幼児園には卒園時に「三点倒立」「逆上がり」「跳び箱6段」の3つを卒園生全員が成功できなければ卒業できないというルールがあります。この3つを卒園の条件にしているのは、子どもたちに身につけてほしい3つの能力があるからです。
 
・多角的な視点を養う三点倒立
三点倒立は「物事にはいろいろな見方がある」という多角的な視点を子どもたちに教えるためにあります。逆さまになることでこれまでとは違う視点があることを覚え、違う視点で見ることで、物事にはいろいろな見方、選択肢があることを学ぶことができます。例えばサッカーでここはドリブルをするのか、パスをするのか、シュートを打つのか。1つの場面でいくつも選択肢があること、その選択肢は1つの視点だけでは気づくことができないことを三点倒立から学べます。
 
・精神力を鍛える逆上がり
逆上がりはどんな状況でもパフォーマンスを発揮できる精神力を鍛えるためにあります。人間は地面に足が着いていないと不安や恐怖を覚えるもので、それは人生においても同様です。勉強や仕事で地に足が着いていないと誰でも不安に駆られるものです。そうなるのはテスト勉強や仕事の準備を十分に行なってこなかったからです。逆上がりの練習を重ねてできるようになれば、努力することで地に足が着いていない不安を克服できることが学べ、それがパフォーマンスを発揮する精神力に繋がっていきます。
 
・度胸をつける跳び箱6段
跳び箱6段はどんな恐怖にも向かっていけるハート、胆力を鍛えるためにあります。跳び箱は度胸がなければ飛ぶことができません。跳び箱に向かって走っていくと「ぶつかったら怖い」「落ちたら痛い」という恐怖が迫ってきます。そういう恐怖を乗り越えて跳び箱が飛べるようになることで胆力が鍛えられます。
 
「三点倒立=多角的視点」「逆上がり=パフォーマンスを発揮する精神力」「跳び箱6段=ハート、胆力」、この3つの能力は困難を「自分で乗り越える力」となり、大人になってどんな困難に見舞われても自ら解決し、乗り越えていけるようになります。
 

■親が子どもの才能を見つける邪魔をしないこと

子どもの才能を見つけるためには、色んな経験・体験をさせて好奇心を刺激し、感性を豊かにすることです。例えば幼児期に同じおもちゃばかりで遊ばせていると感性は育ちません。色んなおもちゃで遊ばせ、色んな場所に連れて行き、子どもが興味を持てるものを探し、「好き」と思えるものを見つけてあげることが才能を見つける第一歩です。「好き」と思えるものに子どもは夢中になり、時間を忘れて没頭します。その没頭した時間の積み重ねが、いずれは才能へと繋がっていきます。その才能を見つける上で、親が注意することが3つあります。
 
・親の興味を押しつけない
親は自分が長年やってきたスポーツや趣味を子どもにもやってほしいと思うものです。ただ、それを強要すると辛いのは子どもです。やりたいことを選ぶのはいつでも子ども自身でなければいけません。
 
・親が苦手なことは子どもも苦手と決めつけない
「自分が運動音痴だから子どももそうだ」と決めつける親はよく見られます。バディのOBで全国大会に出場した子どもは何人もいますが、その中で運動がまったくできないという親は少なくありません。親の勝手な決めつけや思い込みを押しつけるのは可能性を邪魔することになります。
 
・親が興味ないことを子どもに明言しない
例えば「ママはサッカーが嫌い」と子どもに明言してしまうと、子どももサッカーが嫌いになる傾向があります。また親がつまらなそうにしたり、嫌っている態度を見せると子どもも興味を失ってしまう傾向があります。もし興味がなかったり、嫌いだったとしても子どもがやることは見守ってあげることが大切にです。
 
これらは子どもの才能の可能性を邪魔していることになります。親は邪魔をするのではなく、積極的に子どもが色んなことにチャレンジできるようにサポートしてあげましょう。
 
次ページ:ヒーロー体験で自信とチャレンジ精神を引き出す

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取材・文 篠幸彦

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