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教え過ぎないからうまくなる!サッカー少年に成長してほしいなら忘れてはいけないたったひとつのこと

2016年6月 2日

キーワード:うまくなるやる気サカイクキャンプ子育て楽しむ目標考える力自立高峯弘樹

「サカイクキャンプでは子どもたちになにも教えません」
 
7月後半から始まるサカイク夏キャンプ。その詳細を伺おうと、キャンプに帯同する高峯弘樹スクールコーチの話に耳を傾けたときの言葉でした。
 
何も教えない? これはどういうことなのでしょう。
 
コーチたちが何も教えないのに、サカイクのキャンプを一度体験した子どもたちは「また行きたい!」と何度もキャンプに参加してくれます。今回のサカイクキャンプは5月時点で前年度の3倍の申し込みがあったそうです。
 
子どもたちになにも教えない――。
 
それこそが、前回記事でお伝えした『サッカー少年が成長するための4つのステップ』のステップ1“サッカーが楽しい”とステップ2“やる気になる”を満たすためのヒントでした。(取材・文 杜乃伍真)
 
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2015年に開催したサカイクキャンプの模様
 
<<技術指導だけではうまくならない!? サッカー少年を成長させる4つのステップ
 

■ “教え過ぎない”から子どもたちは“サッカーを楽しめる”

――率直に、子どもになにも教えないというのはどういうことなのでしょう。
 
「なにも教えないと言うと驚かれるかもしれませんが、“なにも教えられない”という環境がいまの子どもたちにはないということです。それはすごく怖いことだと思います。子どもたちはたくさん教えられすぎてしまっていて、自分でなにも考えないでいい環境にいるわけですから」
 
――高峯コーチにはそれが当たり前でも、キャンプに参加する子どもたちや親御さんには当たり前ではないですよね?
 
「親御さんからすると、物足りない、と感じる場合もあるようです。『もっと技術的なことを教えてほしい』という声を聞くこともあります。そういう声があるのはわかっていますが、それでも教えません(笑)。大事なのは、技術よりもなによりも、子どもがサッカーを楽しい、そして、やる気になってくれること。たとえば、チームメイトにうまい子どもがいて、『あいつ、どうやってあんなにうまくなるのかな?』と思ったときに初めて、『これをやってみようか』となど感じて自分からやり始めるようになるからうまくなる。でも、逆に指導者や親御さんに子どもがサッカーをやらされているうちは、そういう感覚にはなれません」
 

■壁を乗り超えるために“厳しさ”より“楽しさ”を優先する

――ただ、サッカーが楽しいことも大事だけど、厳しいことを乗り越えることも必要だという人もいます。
 
「子どもたちは、サッカーが大好きだから、サッカーを続けられる。将来、成長したときに厳しい状況、乗り越えないといけない状況にいくらでも出くわします。でも、サッカーが大好き、愛している、そういう感情が根底にないと壁に出くわしたときに乗り越えることはできません。だから小学生のうちはサッカーが大好きになることが一番大事だと思います。小学生の子どもにサッカーの厳しさや不条理を教える必要はありません」
 
――子どもに厳しく接することで、子どもが自ら考えることを奪って、チームを組織化することで試合にある程度勝てるようになる、ということは言えると思います。
 
「小学生のころの試合の結果がそれほど重要ですか? わたしは重要ではないと考えています。子どものときに厳しい指導を受けた人は、自分が大人になったときに同じような厳しい指導をしてしまいがちです。本来、スポーツは楽しむもの。困難を乗り越えていく、というスポーツに対する考え方や文化は変えないといけません」
 

■教えられていない状況に直面するサッカーは“考える力”がないと活躍できない

――コーチが厳しい指導をするなかで、子どもが受け身の環境にいると成長には限界がありますか?
 
「ありますね。子どもが物事を突き詰めないようになってしまいます。コーチが『次に何をしたらいいと思う?』と問いかけたときに、『え? なんで教えてくれないの?』という顔をしている子どもがその先のレベルに行けると思いますか?」
 
――壁にぶつかったときに、自分で乗り越えていく力はなさそうですね……。
 
「試合中に負けているとして、どうすれば勝てるのか? と考える力がないからつねにベンチをみながらコーチに答えを求めてしまう。『こうしようぜ!』と味方に伝えることができないから、チームに影響力を持つこともできない」
 
――自分自身で判断、決断、行動ができない……。
 
「そういう選手たちを抱えた監督がどんなに大変か。1から10まで説明しないといけないんです。でも、試合中は必ず11個目の状況が出てくる。自分で考える力がないと優れたプレーヤーになることはできないんです」
 
――ただ、コーチが"自分で考えよう"と言っても知識がないとか、考えるためのきっかけがなければできないこともあるのではないですか?
 
「もちろん、最初にコーチが子どもに何かしらのきっかけを与えてあげることはすごく大事ですよ。たとえば、2対1のボールキープの練習であれば、ボールを持っている子どもはパスもドリブルもできる状況にあります。このとき、コーチが『パスをするふりをしてドリブルをする?』『パスを出したあとに動かないでも大丈夫かな?』、そんなふうに子どもに考えるためのきっかけを与えてあげればいいんです。子どもがサッカーを楽しみながらも、その状況で一番いいと思える選択肢を選べるような伝え方をしてあげれば、子どもはそこで失敗を繰り返しながらいろいろと覚えていきます。必ずしも正解じゃなくていいんですよ。でも、そこでコーチが怒鳴ってしまうと子どもは萎縮して何もできない。
 
『パスを出せよ!』とういうコーチの声がけでは、子どもはパスをするしかない。選択肢はゼロです。考えて判断する経験を蓄積させていければ、子どもはさらに自分で考えてプレーできるようになっていきます」
 
次ページ:ドリブル練習よりもゲーム形式を重視する理由
 

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取材・文 杜乃伍真

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