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考える力

なぜ、あなたのチームのコーチは子どもに厳しくしないのか。お子さんにとって本当に必要な指導とは

2016年3月 2日

昨年、全日本少年サッカー大会に初出場を果たしたのが、グランセナ新潟フットボールクラブです。グループステージでは、結果的に準優勝することになる鹿島アントラーズジュニアと対戦。1-2で敗れた試合後、グランセナの育成強化部長を務める須田敏男さんは「準優勝した鹿島アントラーズジュニアとの間には、選手自身の“考える力”に差があった」と感じたそうです。
 
グランセナ新潟の須田さんが鹿島戦で感じた“考える力”の差。これを育てるにはコーチだけの力ではなく、お父さんお母さんの理解や協力が不可欠だと言います。その理由とは。(取材・文 鈴木智之 写真提供 グランセナ新潟フットボールクラブ
 
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子どもの“考える力”を育てる指導を実践するグランセナ新潟のトレーニング風景
 
<<「間違いなく親御さんたちの応援のおかげ」グランセナ新潟の全少初出場をたぐり寄せた親の力
 
 

■あなたの子どもの“考える力”を育てるべき理由

須田さんは鹿島戦を振り返り、こう言います。
 
「グランセナは前線に速い選手がいるので、1-3-3-1でワントップにして、速く攻めるスタイルを採用していました。鹿島の選手たちは試合開始直後に、うちのワントップの選手を潰して、サイドバックがカバーリングをしながら、チャンスと見るや次々に攻め上がって、攻撃に絡んでいきました。結果としてワントップの選手が孤立してしまい、1-2で負けてしまいました」
 
サッカーは試合中、次々に状況が変わるスポーツです。ベンチからの指示を待っている時間はありません。選手自身が状況に合ったプレーを瞬時に考え、実行していく能力が求められます。そのために必要なのは「考える力」です。須田さんは言います。
 
「考える力は、サッカーがうまくなるためだけでなく、社会に出て活躍する人材になるためにも、非常に重要なことだと思います。グランセナにいる子どもたちは、プロになりたい、将来は海外でサッカーがしたいという夢を持っています。その中で、我々も『世界基準の選手を育てよう』という目標を立てて、日々指導しています。トップレベルの選手になるには、サッカーがうまいだけでなく、人間性も重要です。たとえば、あいさつや返事なども徹底しようと言っています。それをコーチが押し付けるのではなく、選手が自ら気づいて、行動に移してほしいと思っています」
 

■“あいさつしなさい”と言われてするあいさつに、果たして意味があるのだろうか

小学生年代の子どもたちに対しては、コーチが「あいさつをしなさい」とトップダウンで指示をし、あいさつができない子を叱るという接し方もあります。しかし、須田さんは「自ら考えて行動し、重要性に気づいてほしい」という信念のもと、トップダウンで「あいさつをしなさい」という指導は控えているそうです。
 
「トップダウンではなく、ボトムアップは時間がかかります。あるとき、選手の親御さんから“うちのチームの子は、全然あいさつができませんね”と言われたことがありました。そのときは、『私が選手に喝を入れれば、あいさつをするようになると思います。でも、その方法だと、あいさつの重要性を選手自身が理解していないので、私の目が届かないところではあいさつをしなくなるかもしれません』と言ったことがありました」
 
さらに、須田さんは次のように続けます。
 
「小学生年代にかぎらず高校年代を見ても、グラウンドにカバンがきちんと並んでいて、すれ違うたびに止まって、頭を下げてあいさつをするチームもあります。それは確かにすごいと思うのですが、果たして、そのようなあいさつをしているチームの選手自身は、自発的にていねいなあいさつをしているのでしょうか。おそらく、大半の子どもたちがあいさつの重要性や、そもそもなぜあいさつをするのかを理解せず、コーチから“こうしなさい”と言われたから、という理由で従っているのだと思います。それは、我々がめざす“自分で考えて行動する選手”とは、少し違うのかなと感じています」
 

■時間がかかっても子どもに気づかせる接し方を

須田さんのところには、選手の親から多くの意見が寄せられます。その中には「子ども自身に考えさせて、自立をうながすという方向性が合っているのか不安です。もっと厳しく指導してください」と言う声も少なくありません。そのたびに、須田さんは「大人にこうしなさいと言われて、表面的な行動に移すだけでは子どもの成長にはつながりません。なぜなら、その行動をしなければいけない理由に気がついていないからです。我々のやり方は時間がかかるかもしれませんが、気付きがあって行動すれば、大人にやらされている子よりも、速いスピードで成長していきます。それは放任しているのではなく、日々接する中で伝えていますから」と、お父さんお母さんにお伝えし、理解してもらっているそうです。
 
 
次ページ:"こうしなさい"からの脱却。行き着いた"子どもに気づかせる"接し方
 
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取材・文 鈴木智之 写真提供 グランセナ新潟フットボールクラブ

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