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「決定権は子どもに持たせる」元プロ野球選手・高木豊の父親論

公開:2015年8月 4日 更新:2021年1月27日

キーワード:子育て親子

■子育ての極意は“対話”と“観察”

――もし野球をずっとやってくれていたら……
 
そうなったら、長男と次男はプロスポ―ツ選手になれなかったかもしれません。大輔は野球をやっても成功していた可能性は高かったと思います。野球センスは抜群にありましたから。ぼくはサッカー選手の素質を見抜く能力はありませんが、野球選手の素質を見抜く力は多少ありますから、ボールの扱い方ひとつ取っても違っていました。バットを持たせてもセンスを感じさせるものがあった。サッカーでいうところで言えば、最初からボールタッチがすごく繊細な選手というところでしょうか。
 
――サッカー選手になることを選んだのも、子どもたちの意思だったのですね。
 
もちろん。子どもというのは親の持ち物ではありません。ひとりひとりがそれぞれしっかりとした人格を持った人間です。ただ人生の先輩として、できるアドバイスはしてあげる。その中で子どもたちが決めていきました。サッカーを始めたのもそうですが、夢も進路も、自分たちで決めています。柔軟性をもたせながら選択肢は幅広く、そして決定権は子どもたちに委ねる。それが、高木家の教育スタンスだと言えるでしょう。
 
――子どもの人格を見抜いて、才能を磨いていく力を養うにはどうすればいいのでしょう?
 
「対話」と「観察」です。「子は宝」という言葉がありますが、なにも磨かなかったら「宝の持ち腐れ」です。子どもという宝を磨くには、やはり子どもの日常をできるかぎり見守ってあげて、子どもとできるかぎり話してあげる。それが子育ての基本です。子どもには人格もありますし、プライドもあります。それを尊重しながら会話をすると宝は磨かれるはずです。親の考えの押し付けでは、子どもは絶対に成長しません。「三つ子の魂百まで」。幼稚園に上がるころからいろいろコミュニケーションを取ってきて、時には真剣に話してきました。叱るときは、ちゃんとテレビを消して正面に向き合って話す。子どもたちが話さないといけないときは、真剣なんだという雰囲気をつくってあげる。片手間で話すようなことは絶対にしてはいけません。親子も信頼関係が大事。しっかり向き合う歴史を作っていくことが大事なんです。
 
――ずばり、どうすればJリーガーを育てることができるのでしょうか。
 
一概には言えませんが私の場合、「プロ目線」で話をしてきたのが良かったのかもしれません。プロだったらこう考える、プロだったらこう行動するって。そのぶんうちの子は、他の子どもたちよりも早くプロ意識というものは芽生えていたのでしょう。サッカーと野球という競技は違えど、私自身、プロ選手として長年やってきた経験がありますから。プロとしての振るまい、考え方、心構えといったことをつねに伝えるようにしてきたのが、いい方向に行ったのかもしれません。
 
後編:子どもの世界に大人が入ってはいけない>>
 
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取材・文・写真 小須田泰二

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