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考える力

現代社会で失われがちな"心と体のバランス"はサッカーで養える

2015年5月21日

キーワード:コミュニケーションスポーツマンシップ人材育成考える力錦織圭

前回、みなさんのお子さんが生きていくうえで、失敗した場合の立ち直り方(=レジリエントな力)が非常に大切であり、サッカーというスポーツは、失敗した場合の立ち直り方を養うのに適したスポーツだという話をしました。
 
これまで、スポーツマンシップの価値や重要性について、これまで9回にわたってお伝えしてきた当連載もいよいよ最終回。今回は、レジリエントな力をサッカーで身につけた子どもが、社会に出た時に活躍できるのか。その理由について触れたいと思います。(文 広瀬一郎 写真 田丸由美子)
 
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<<前回記事:サッカーが"失敗したときの立ち上がり方"を教えてくれた
 
 

■スポーツマンに必要な能力とは?

現在の日本における社会問題を考えてみましょう。
 
「いじめ」「DV」「セクハラ」「パワハラ」「引きこもり」等々、現代社会には実に数々の問題が存在しています。それぞれの問題は、たしかに個別に対処すべきではありますが、共通する側面もあります。そして、それら共通する問題点には、共通する「解決方法」や「対処する能力」もあるはずです。ここでは、それらをまとめて「立ち直る力(=Resilience)」と呼ぶことにします。
 
「レジリエンス能力」の中の具体的な能力には、「情況把握」するための注意力や、冷静に「自己を客観化する」能力や、あるいは「コミュニケーション能力」、さらには「ゴール設定能力」と「ゴールにたどりつくために何をすべきか」という「課題設定能力(=フレーム・セッティング力)」などがありますが、その多くは「スポーツマン」に必要な能力です。テニスの全米オープンで決勝に進んだ錦織圭には、これらが備わっていました。一方で、ブラジルで戦ったザック・ジャパンのメンバーには、それが感じられませんでしたね。
 
いずれにせよ、現代社会には様々な危機(リスク)が存在することを、まずは認めることが必要です。「リスクは存在しない」という前提では、対処を誤ります。それは、「9.11」で得た私たちの最大の教訓です。現代社会には、不測・不慮の事態が発生するリスクが常に存在します。この認識が、まずはこれらのリスクに対応すること、つまり「リスク・マネジメント」の第一歩です。
 
「リスクは常にある」という認識のもとで、どこから対処すべきでしょうか? 自然災害というリスクに対処するには、防潮堤のような施設の整備が必要です。あるいは災害時を想定した法律の整備も必要でしょう。しかしながら、これらの物理的な整備、あるいは制度を整備すれば万全というわけではありません。また、最初に触れたように、個別の対処ではなく、共通の問題点に対する対処という点を考えれば、最初に対処すべきは、明らかに“教育”です。
 
前述した「社会的な問題の共通点」を分析した上で、ここに対応する人材の育成こそが、もっとも基本的かつ有効な対処方法なのです。(逆に、人材が育っていれば、個別・固有な問題に有効な対処ができるはずです)
 
東北大震災以降、「レジリエンス(立ち直る力)」は、東北の復興であり、日本という国家・社会全体の復興のキーワードになっています。私たちには、今や原発事故への対処と同時に、レジリエンス能力の高い社会・国家を構築し、後の世代に残す責任があるはずです。
 
言うまでもなく、「レジリエンス」は、「数学」や「科学」といった従来の学習教育では不十分です。この能力は多分に「物理的」「肉体的」な能力、つまり「現実的な実行力」と密接につながっています。
 
例えば、いま話題の『花マル学習塾』では、生徒に大きな声を出すことを最初に訓練します。引きこもりや登校拒否児童の多くは、話し声が小さいという共通点があります。そのため、大きな声で話すことで元気な人間を育てることを第一の目標にしています。大きな声を出すという身体の能力が、心の問題に大きな影響を及ぼす好例ではないでしょうか。
 
この塾は“大人になったときにメシの食える子ども”を育成することを標榜しています。「自ら考える力」「読み書きと、話す(コミュニケーション)能力」「体を動かす力」の3つが学習の柱となっています。
 
次ページ:体育会の文化は、考え行動する力を阻害する>>
 

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