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なぜ、海外の子どもたちは8歳で自立できるのか? 皆本晃×片山堅仁対談1

公開:2015年5月15日 更新:2021年1月27日

キーワード:Fリーグアルゼンチンスペイン自立

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■サッカーやフットサルでは、時に「人のせいにする」精神が勝つ

――学校での教育は、「教えてもらう」スタンスですよね。そういった教育の影響は根強いのかなと思います。どうすれば、この状況を変えていけると思われますか?
 
片山 ぼくもすごく悩んでいます。(皆本)晃さんと同じで、「日本の教育が悪い」とは思ってないです。ただ、海外にあって日本にないものはあるし、その逆も然り。外のものを取り入れる文化は、良い面もあるし悪い面もある。ですけど、別に外国人みたいになれって言ってるわけじゃなくて、(意見をはっきり伝える姿勢は)将来どんなことをやるにしても、どんな大人になるにしても絶対必要なんじゃないかなと思います。
 
――「サッカーやフットサルという競技に絞って考えると、こういうメンタリティの方が有利だ」という伝え方が望ましいのでしょうか?
 
皆本 そうですね、その2つの競技に限って言うと、スペインやアルゼンチンのメンタリティの方が有利だと思います。監督があれをやれ、これをやれと言っても、試合のなかで実際に起こる状況は違うこともあるわけじゃないですか。そこでは、「自分はこうする」という姿勢が重要です。サッカー、フットサルというスポーツは、スペインや南米のメンタリティの方が有利な場合が多いでしょう。だけど、例えばシンクロナイズド・スイミングといった協調性が重視されるスポーツでは、日本人のメンタリティのほうが有利かもしれません。そこは、一概には言えないです。
 
――そこは強調したいところです。一概に日本人のメンタルが劣っているというわけではなく、サッカーというスポーツに限って言えば、向こうで生まれた競技だからこそ外国人のメンタルの方が有利であると。
 
片山 協調性を重んじるようなスポーツでは、日本人が強いと思います。ただ、サッカーは団体スポーツのようでいて個人の能力が左右する部分も多いので。
  
メンタリティに関して言えば、海外の選手はミスをしても絶対自分のミスだと認めないんですよ。誰がどう見ても「お前のミスだろ」っていうものでも(笑)。以前ぼくが経験したこんなエピソードがあります。チームメイトからサイドチェンジのパスが20メートルくらい前にずれたんです。誰が見てもその出し手のミスだってわかります。それでも、パスの出し手は「お前なんで走ってないんだ!」と怒ってきた。そういうことが、試合中に何回も起こるんです。日本人だったら、すぐに謝って、「ヤバいな~」ってメンタルが落ち込んでしまうところでしょう。彼が本番でなぜ普段以上のパフォーマンスを出せるかというと、そういうメンタリティも関係しているのではないかと思います。
  
ただ、これは見方を変えると「人のせいにする」「自分のミスを棚に上げる」ということですよね。日本社会の常識で考えると、やってはいけないことじゃないですか。そこを「これはサッカーだから特別」と言って取り入れることは、果たしていいことなのか悪いことなのか、そこは考えなきゃいけないかなと。
  
皆本 多分、ピッチの上で人のせいにできるようになった子どもは、ピッチの外でも人のせいにしてしまうでしょう。
  
片山 アルゼンチンの子どもをみても、そういう子は人のせいにしてしまう。ピッチ内とピッチ外は絶対にリンクしますよ。サッカーだけ強くなればいいのか、と言うと、それは違います。そういったなかで、日本人の良いところを消さずにいかに海外のメンタリティに対抗していく。フットサル選手を引退してからは、そのためにぼくにできることは何なのかを考えています。
 
対談2:おれならできる!その"自信"は子どもを成長させる起爆剤>>
 
皆本晃選手のプレーを観に行こう!!
府中アスレティックFCの試合スケジュールはこちらから>>
 
 
皆本晃
高校卒業後にフットサルに転向し、府中アスレティックFCのサテライトチームに入団。2ヶ月後にはトップチームに昇格しFリーグ昇格に大きく貢献した。3ヶ月間のブラジル留学を経て帰国後は府中の中心選手となり日本代表にも選出。約3年間のスペイン、カタールでのプレー経験を活かし、2014年のAFCフットサル選手権では中心選手としてチームを牽引。日本フットサル史上初のアジア2連覇という好成績を収めた。また積極的に活動を行っているJFAこころのプロジェクト「夢先生」では自身の経験を活かした授業が高い評価を得ている。
 
 
片山堅仁
18歳にブラジルで1年間プレー。その後3年間、南米アルゼンチンでプレーする。2011年にフットサルに出会い2013年シュライカー大阪でFリーグデビュー。同年に日本代表候補に選出される。2015年1月に引退。引退後、自身の海外経験、語学力を活かし、通訳として活動する傍ら、フットボールブランドVIVERのアドバイザーも兼任し、フットボールの素晴らしさを伝えるべく、全国各地でフットサルクリニックやフットボールで人を繋ぐイベント、フットボールと他分野を繋げるイベントを開催中。又、現代の日本の子供にフットボールを通して、思考、創造、表現を3大テーマに子供が感じる、考える、表現することができる環境を与える新しい学びの場創りを計画中。
 

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取材・構成/澤山大輔 写真/田丸由美子

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