1. サカイク
  2. コラム
  3. 考える力
  4. ふてくされても意味がない!チームを救うベンチでの振る舞い方

考える力

ふてくされても意味がない!チームを救うベンチでの振る舞い方

2014年10月20日

キーワード:コミュニケーション状況把握高木大輔

準々決勝の北朝鮮戦、高木大輔の出番は訪れなかった。しかし、延長戦までもつれ込む試合の中で、彼は腐ることなくつねにピッチ上の選手に声をかけ続けた。PK戦でも最後のキッカーとなってしまった南野拓実が外した瞬間、真っ先にピッチに向かい、うなだれる仲間たちをはげまし続けた。
 
<<チームの負の連鎖を断ち切る!状況把握能力の大切さ
 
IMG_0010.jpg
(取材・文/安藤隆人)
 
 

■ベンチでの振る舞いが、ピッチ上に作用する

高木大輔は高木大輔をよく知っている。良い部分に限らず、悪い部分もしかり。それを受け入れ、自分にできることを考える。それは簡単なようで非常に難しい作業だ。プライドや劣等感が邪魔をして、自分を抑え込んでしまう。ところが高木は、そういった感情を抑えて自らをうまくコントロールする術を心得ている。実際に彼に話を聞いてみると、非常に明快な答えが返ってきた。
 
「正直、自分がうまい選手だとは思ってはいない。いまここにいる意味は、他にもっといい選手がいる中で、鈴木監督が僕を選んでくれたのは、そうやって声を出してチームを盛り上げる部分も大きいと思う。それに僕がうまい選手ではないからこそ、誰よりも工夫をしないといけないし、周りに自分を理解してもらわないといけない。たとえば、『自分がこうしたいから、このタイミングでパスが欲しい』などを味方に気付かせる。いまぼくはこのチームでサイドをやっていますが、ボランチが前を向いたとき、シュートフォームに入っていてもいいから、『おれは裏に走り出すからな』と主張します。そこでぼくにパスを出してくれてもいいし、ぼくをおとりにしてシュートを打てば、ぼくはシュートのこぼれ球に詰めることができる。自分のやりたいことを主張することで、自分にとっても周りにとってもいい方向に持っていくことができる。それがうまく融合しているのがいまだと思うし、もっともっとできると思う。『おれはこういうときには、ここにいる』という主張をもっと強調していけば、パス回しがスムーズになるし、もっと怖い攻撃ができると思う」
 
それは実際にピッチに表れている。いまや高木の盛り上げは、チームがひとつになるために欠かせない要素となっている。韓国戦の77分にピッチに投入されると、疲労とプレッシャーの中で戦う選手たちを鼓舞した。そしてプレー面でも、攻撃時には、労を惜しまない運動量で味方のパスコースをつくりサイドでタメをつくると、守ってはすばやい寄せと身体を張った守備を披露した。高木が起爆剤となって、チームは苦しい時間帯を乗り切り、タイムアップのときを迎える。2-1の勝利で、決勝トーナメント進出を決めると、ピッチ上では高木が大粒の涙を流していた。その涙が、彼の『苦しみ』を表していた。決しておちゃらけでやっていたわけではなく、本気でチームのためを思い、自分を捧げてきたことの証だった。
 
「試合に出て実際にプレーしてみて感じたのが、こんな自分の声でもしっかりとみんな耳を傾けてくれるということ。(川辺)駿も僕の声を聞いて、『よし大輔に乗って自分ももう一回やってやろう』と思ってくれてプレーしてくれたことが本当にうれしかった。ずっとピッチ外で試合に出られなかったし、韓国戦ではスタメンが大きく変わったのに、そこに自分は入れなかった。めちゃくちゃ悔しかったけど、それを表に出しちゃいけないのがこういう大事な短期決戦では必要なこと。短い時間だったけど、試合に出てそうやってみんなが呼応してくれたことが、やっていてよかったなと思いました」

1  2
取材・文/安藤隆人

関連する連載記事

関連記事一覧へ

関連記事

関連記事一覧へ

考える力コンテンツ一覧へ(253件)

コメント

  1. サカイク
  2. コラム
  3. 考える力
  4. ふてくされても意味がない!チームを救うベンチでの振る舞い方

Pickup

サッカースクール検索サイト ケリなび

週間記事ランキング

  1. 無名チームから國學院久我山へ―。文武両道を追い求めたとある指導者がレギュラー獲得のために"親に内緒で"したこと
    2017年8月10日
  2. 夏合宿の持ち物を準備しよう!(1/2)
    2011年7月12日
  3. 子どもは親の分身ではない 指導はコーチに任せ、チャレンジの姿勢をほめることが成長の糧になる
    2017年8月14日
  4. 「プロ100人よりサッカーで輝く社会人100人を育てたい」勝利至上主義だった監督が目を覚ました子どもたちの言葉とは
    2017年8月 9日
  5. Jリーグ選手の管理栄養士に聞いた、野菜の栄養を効率的に摂る食べ合わせ&野菜嫌い克服法
    2017年8月16日
  6. 話を聞く、自分で考えだす... サカイクキャンプなどにヒントがあった、子どもが成長するきっかけの与え方
     
  7. 結成7年で強豪チームに。甲府U-12が取り組む「試合に生きるトレーニング」とは?
    2017年2月 1日
  8. すぐ速く走れるようになる!陸上メダリストの為末選手伝授の速く走る方法
    2013年6月13日
  9. 日本とスペインの比較検証でわかった「伸びる選手の保護者」の傾向とは
    2017年8月 1日
  10. サボっているほど良い選手?その驚きの理由とは
    2015年3月19日

一覧へ