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考える力

子どもが上達する「状況把握」「判断」「実行」のトレーニング

2014年5月 9日

キーワード:バルセロナ指導

スペイン・バルセロナ発の指導者集団、サッカーサービス。かつてカルレス・プジョルのプレーコンサルタントを務めたダビッド・エルナンデスを中心に、日本を始めヨーロッパや北米など、世界中で選手・指導者の養成を行っています。今年の4月から、日本でもU-12のスクールを展開するサッカーサービスのトレーニング・メソッドとは、どのようなものでしょうか? 彼らのコンセプトは「グローバル・メソッド」のもとに、「技術と個人戦術を同時に学ぶ」というものです。グローバル・メソッドとは、試合の状況に近い設定で行うトレーニングのことで、常に味方・敵がいる状況を設定した練習なので、ボールコントロールなどの技術のほかに、認知や判断といった技術の発揮に必要な部分も学ぶことができます。
 
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取材・文/鈴木智之 写真/サカイク編集部 取材協力/株式会社Miraiku
 

■「状況把握」「判断」「実行」の3つをバランスよく

サッカーサービスのコーチは言います。
 
「グローバル・メソッドは、試合とほぼ同じ状況を再現することによって、サッカーで大切な『状況把握』『判断』『実行』の3つをバランスよくトレーニングする方法です。多くのチームはボールを蹴る(実行)トレーニングは熱心におこないますが、相手や味方、スペースなどを見て(状況把握)、いつ、どこへ、どう動くか(判断)のトレーニングに割く時間は、それほど多くはありません。グローバル・メソッドでトレーニングをすることで、実戦で本当に必要な技術・判断の習得につながると考えています」
 
身につけた技術を、試合の最適な状況で発揮することのできる選手が『賢い』選手であり、それがシャビやイニエスタ、セスクなど、世界のトップレベルにいる選手たちです。彼らはただボールを蹴ること、扱うことだけが上手なのではありません。試合の状況に応じて、味方を助けるポジショニングや適切なプレーの判断など、サッカーに必要な総合的な能力が高いからこそ、世界トップレベルの選手であると言えます。
 
サッカーサービスの哲学は次のとおりです。
 
「我々が考える良い選手とは、賢い選手です。賢い選手になるためにトレーニング中に質問を繰り返し、考えさせる指導をしています。我々のトレーニングの多くが、サッカーの状況に落とし込まれたメニューなので、実際に試合で起きる現象が次々に出てきます。選手たちはその中で、チャレンジを繰り返していきます。実戦に近いため気を抜くことなく、集中した状態で強度の高いトレーニングが繰り広げられるのです」
 
サッカーサービスのコーチ陣は決して、頭ごなしに「こうプレーしなさい」とは言いません。選手たちのプレーを見て、フリーマンの数を増やしたり、グリッドを広くしたり、ルールをシンプルにしたりと、臨機応変に練習内容を変えていきます。トレーニングの狙いが頻出する状況を作る中でプレーに対する質問をしたり、アドバイスを繰り返すことで、選手自らが考える環境を作り出していきます。
 
 

■子どもたちを構成する4つの事柄

「あるテーマの練習をする際、すべてのプレーが狙い通りにできるわけではありません。ミスは必ず起きます。それは当然のことです。ミスを繰り返すことによって、少しずつできるようになっていくのです。きれいな字を書くために、何度も書きなおすのと同じことです。ミスはつきものであって、トライ&エラーを繰り返すことが大切なのです」(サッカーサービスコーチ)
 
サッカーサービスのメソッドは緻密です。日本でクリニックを開催する際には、日々、選手の状態を見極め、常に『目の前の選手を向上させるためにはどうすればいいか?』を考えて、練習をプランニングしています。コーチ陣同士のミーティングは密に行われ、その熱意はプロフェッショナルの集団であることを物語っています。
 
「子供たちの育成に関して、私達が考えている方法は4つの段階にわかれています。それが初期段階、向上段階、勝利を求める段階、プロとして勝つことを求める段階です。初期段階の子どもたちは、4つの事柄で構成されています。なにをトレーニングしなければいけないのか、いつトレーニングしなければいけないのか、なぜトレーニングしなければいけないのか、どのようにトレーニングしなければいけないのか。子どもたちの指導をするにあたって、最初にすることはプランニングです。子どもの成長段階に応じてプレーを向上させるために、年齢に応じて教える内容を変えていきます。学校の勉強をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。だれでも、最初は足し算や引き算といった、基礎的なことを身につけてから、掛け算、割り算、因数分解…と年齢や習得状況に応じてレベルアップしていきます。我々はサッカーも同じように、年齢や発達の段階に応じて学ぶ内容が変わっていくべきだと考えています」(サッカーサービスコーチ)
 
学校の勉強では、『年齢に応じた内容が重要である』というのは皆が理解していますが、サッカーではそうではありません。大人でも子どもでも、同じようにトレーニングが行われています。とくに、サッカー選手の土台作りにあたるU-12年代こそ、上達のために重要なことをしっかりと身につける必要があります。また、U-12年代は「技術か戦術か」という議論が起きがちですが、二者択一ではなくどちらも重要であり、年代にあわせて身につけていくことが大切です。その意味でサッカーサービスのメソッドは、日本サッカー界に新たな価値観をもたらすものになると言えるのではないでしょうか。
 
 
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■会場
[月] 静岡・三島校
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[金] 埼玉・北与野校
 
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■サッカーサービス社とは?
2013年より日本サッカー協会のコンサルティングプロジェクトディレクターを務めるサッカーサービス社は、FCバルセロナの元育成監督などで構成された育成のプロフェッショナル集団です。リーガエスパニョーラトップチームの選手をはじめ、世界各国の主要リーグの選手などに対して、パーソナルコンサルティング(戦術理解力の向上に集中したサッカーのレベル向上)を行っています。FCバルセロナのカルラス・プジョルもサポートした選手の一人です。
また、世界各国でクリニックを実施し、フランス、イタリア、オランダ、イングランド、スウェーデン、ポーランド、フィンランド、そして日本など多くの国々で指導者や選手の育成を行ってきました。サッカーサービス社が目指すものは、長年の指導で得た豊富な経験に加え、各国の良い部分を取り入れながら、『チャンピオンズリーグ』で活躍する選手の育成です。
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