1. サカイク
  2. コラム
  3. 考える力
  4. Jリーグで決まるゴールが、世界では決まらない理由

考える力

Jリーグで決まるゴールが、世界では決まらない理由

2014年3月12日

 

サッカーサービス社のメインコーチとして日本サッカー協会のコンサルティングプロジェクトディレクターや、世界中で選手・指導者の指導やコンサルティングを行うダビッド・エルナンデス。サッカーサービス社の頭脳でもある彼に、『欧州チャンピオンズリーグなどのトップレベルで活躍するFWは、どのようにプレーしているのか?』をテーマに、FWの動きにスポットを当てて話を聞いてみました。
<<C・ロナウドを分析! ストライカーに必要な原理原則とは
 
前編ではダビッドに「点を取るために、ゴール前で相手と行う駆け引き」の動きについて説明してもらいました。要約すると「自ら動き出し、シュートを打つスペースと時間を確保する」ことがポイントになります。
 
映像を見ながら、ダビッドのレクチャーは続きます。
 
DSC04119.JPG
 

■シュートを決めるために必要な4つのポイント

「このプレーはJリーグでは得点になっていたかもしれませんが、リーガエスパニョーラやチャンピオンズリーグの試合では、おそらく通用しないでしょう」
 
ダビッドが鋭く指摘したのは、ゴール前の混戦でボールを受けた日本のある選手が、ワントラップしてシュートを打った場面です。
 
「欧州では、トラップした瞬間に寄せられます。対峙する相手がジョルディ・アルバだったら、トラップした瞬間にクリアされているでしょう。世界のトップレベルのDFは何度もボールに触らせてはくれません。ほんのちょっとの差ですが、それに慣れる意識が必要です。ゴールエリアに近い位置では、常にワンタッチで打つことを忘れないでください」
 
shot.png
 
ダビッドはシュートを打つときのポイントを次のようにあげます。
 
  1. ワンタッチで迷うことなく打つこと
  2. ゴールの隅を狙い、低いボールを蹴ること
  3. シュートを打つ位置に全力で入ること。しかし蹴るときは焦らず冷静に
  4. どんな方法を使ってでもシュートを打つこと
 
「イタリア代表で活躍した、クリスチャン・ビエリという大柄なFWを覚えていますか?彼はパスやクロスボール、サポートのプレーはそれほど得意としていませんでした。しかし、来たボールをワンタッチでシュートを打つ技術は世界でも有数でした。どんなボールでも、相手を外してワンタッチで打つ。彼の頭には常にそれがありました。世界のトップで活躍するFWは、オールラウンドにすべての能力が高いというよりも、なにかひとつのプレーが、飛び抜けて優れたレベルにあります。自分の長所を活かして、何度も何度も同じプレーを続け、ゴールを奪うのです。そして、彼らは『俺が決めるんだ!』と強い気持ちで、爆発的なパワーを発揮してゴール前に入り込んできます」。
 
vieri.jpg
Photo:Fratelli D'Italia by goatling
 
「メッシやC・ロナウドのゴールシーンを思い出してください。彼らは全力でゴール前のシュートを打てるスペースに走り込み、繊細なボールタッチでシュートを打ちます。そして、これは世界トップの選手に共通する要素ですが、どんな方法を使ってでもシュートを打とうとします。『身体のどこにあたってもいい』という気持ちで、ゴール前に迫力を持って飛び込んでくるのです」。
 

■ストライカーのメンタリティとは?

世界のトップレベルでゴールを決め続ける選手は、技術に加えて、ストライカーならではのメンタリティを持っています。常にゴールを意識したプレーでチャンスをうかがい、シュートに備える。そのためには味方、相手、スペース、ボールの動きを見ながら、移り変わる状況を予測する必要があります。この予測力に優れた選手こそが良いFWであり、結果として多くのゴールを生み出すことになるのです。
 
「メッシ、チャビ、イニエスタ、セスク、ペドロなど、FCバルセロナの攻撃的な選手たちは、試合中、ボールだけを見ているのではありません。彼らは小さい頃から、ボールだけでなくスペースをどうやって見つけるか、あるいはどうやって作り出すかというトレーニングをしています。そのため、ボールがピッチのどこにあっても、予測をもとにシュートにつながる動きを考えています。だからこそ、彼らが連動して動くと相手は防戦一方になり、結果としてゴールを割らせてしまうことになるのです」
 
DSC04117.JPG
 
良いストライカーになるためには長所を伸ばし、試合中、武器を活かしたプレーでどれだけゴールに迫ることができるかがポイントになります。技術面に加えて、冷静にボールの動きやスペースについて予測する眼、そして「自分が決めるんだ!」という強いメンタリティが重要となるのです。最後に、ダビッドから日本の選手に向けたメッセージを紹介しましょう。
 
「トップレベルの選手になるために、常に自分のプレーを自己評価していくことが重要になります。その作業を繰り返すことで、いま以上の良い選手になることができるでしょう。周りの人は、ゴールを決めたら『良かったね』と言います。試合に勝っても、そう言うでしょう。しかし、良い選手になるためには、ゴールを決めることだけが重要なのではありません。試合の結果、勝ち負けがすべてではありません。どの試合でも、どんな結果であっても自己評価をして、改善できるプレーは修正していく。そして得意なプレーを何度もできるようにする。それが、自分の能力や評価を高めることになるのです」
 
<<C・ロナウドを分析! ストライカーに必要な原理原則とは
 
2014年4月サッカーサービス社によるスクール開校!!
 
4月より関東4か所において、日本初となるサッカーサービス社のジュニア向けサッカースクールが開校します!多くの方からご要望頂いていたこの常設スクールが2014年ついに実現します!
 
過去数多くのトップ選手を育成・コンサルティングを行ってきたサッカーサービス社が開校する、日本で初めてとなるこのスクールでは、U-8、U-10、U-12を対象に指導。毎日異なる会場で行われ、4月の幕張校(千葉)・北与野校(埼玉)を皮切りに5月より品川校(東京)、元町校(横浜)もオープンとなります。
 
これまでは夏と冬の年2回行われている短期キャンプでのみ触れることができたこのサッカーサービス社のメソッド。今春以降はこの『賢い選手になるためのサッカー』を定期的に、そして継続的に学ぶことができます!
 
スクールコーチは今年1月のジュニア向けキャンプでも来日したポール・デウロンデルコーチとなり、その豊富な指導実績を日本の選手に向けて実践していきます!
 
世界で活躍するトップ選手が、12歳までに身に付けているサッカーの原理原則を学ぶことができるこのスクール、各会場人数限定での募集となっています!
 
▼スクール詳細はこちら
http://soccerservices.jp/school/
 
【来日コーチ】ポール・デウロンデル
http://www.soccerservices.jp/about/coach_Pol.html
 
 
david.JPG
ダヴィッド・エルナンデス・リヘロ/ David Hernandez Ligero
2012年より日本サッカー協会プロジェクトコンサルティングディレクターを務めるほか、2010年より、日本のジュニアからJリーガーまでの指導・コンサルティングを実施。カタルーニャサッカー協会副テクニカル・ディレクターやVic大学「フットボール方法論」教授などを歴任し、プジョルのパーソナルトレーナーを務めた経験を持つ。
1
文・写真/鈴木智之

関連する連載記事

関連記事一覧へ

考える力コンテンツ一覧へ(252件)

コメント

  1. サカイク
  2. コラム
  3. 考える力
  4. Jリーグで決まるゴールが、世界では決まらない理由

Pickup

サッカースクール検索サイト ケリなび

週間記事ランキング

  1. 熱心なあまり子どもたちにダメ出し、試合で指示する保護者をどうしたらいいか?
    2017年5月22日
  2. すぐ速く走れるようになる!陸上メダリストの為末選手伝授の速く走る方法
    2013年6月13日
  3. 「ディフェンスは腰を落とせ!」は間違いだった
    2014年5月20日
  4. 厳しい父親と膝痛に苦しむ息子をどうすればいいの問題
    2017年5月24日
  5. 【動画1】大人は消える、失敗させる ― 池上正さんの「魔法のコーチング」を動画で紹介
    2017年5月23日
  6. 過去には中井卓大くんも参加! レアルのカンテラコーチに直接指導を受けられるチャレンジキャンプを開催
    2017年5月23日
  7. お家で簡単!! 足が速くなる方法(1/3)
    2011年6月23日
  8. 子どもに「来ないで!」と言われないために......。知っておきたい応援の心得
     
  9. 足の速さは遺伝がすべてじゃない! 子どもに教えたいサッカーで速く走るコツ
     
  10. 【必見】毎日コツコツうまくなるサッカー自主トレーニングメニュー
    2012年6月26日

一覧へ