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考える力

サカイクキャンプレポート② 重要な"パス&コントロール"を伝えるポイントとは?

公開:2012年9月 3日 更新:2012年9月 5日

キーワード:キャンプコミュニケーションコーチングトレーニング

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 サカイクでは7月24日から26日の3日間、富士緑の休暇村(山梨県)にて、U-12年代を対象にトレーニングキャンプを開催しました。キャンプレポート第2回では、初日のトレーニングの様子を中心にお伝えします。
 
<<キャンプレポート①はコチラ
 
 

■最初にゲームを行い、参加者全員の技術レベルを見極める 

 参加してくれた子どもたちがどういう技術レベルのあるのか。それを確かめるためにも、まずは子どもたちにまったくコーチングせず自由にゲームをしてもらいました。
「最初に行ったゲームでは、ボールを持ったプレーヤーが主体になっていて、無理にでもドリブルでゴールを狙おうとする子もいました。周りの子たちもボールウォッチャーになっていて、サポートしようという動きがまったくありませんでした。最初はどの子も、自分の良さを出したいと思うのでしょうね。いきなり、グループでサッカーをしよう、という方向にはなかなか進まないものです」
 
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 これがトレセンのように定期的に集まる子どもたちであれば、やるべきことが意志統一されていて、ある程度フットボールができるものですが、なかなかそうはいきません。
 須田コーチは、最初のゲームを見て、レベルごとに子どもたちをグループ分けしました。そしてここからコーチングがスタートしました。
 まず、初日にコーチングするのは、今回のサカイクキャンプにおいて具体的に力を入れて伝えようとした「攻撃と守備の目的と原則」のうち攻撃の部分です。
 
 子どもたちに配布された資料には「攻撃の目的」がこう書かれてあります。
 
・ゴールを奪う
・シュートチャンスを作るためにボールを運ぶ(ビルドアップ)
 
「攻撃で一番大事なことは、コートの『幅と厚み』を子どもたちに意識させることです。子どもたちが良いポジションのバランスを保って、活動性を伴いながら、空いたスペースを見つけて入っていく。ときには即興性も必要になります。これをやらないと相手の守備が崩れないのです」
 
 これが「攻撃の原則」に該当する部分です。
 この原則を念頭に置きながら、相手の守備を崩すという、攻撃グループの目的を達成することが初日のミッションです。
「このミッションをクリアするために必要な技術が、精度の高いパス&コントロールです」と須田コーチはいいます。
 
「このパス&コントロールはとても重要なのですが、日頃からその重要性を強調してコーチングしている指導者は少ないのではないでしょうか。なぜなら、このトレーニングはとても重要であるにもかかわらず、地味で面白みに欠けるために子供たちが気乗りしないからです。メニューを組む指導者としてはとても扱いづらいメニューです。また、『このパス&コントロールはこの点が肝だよ』と、子どもたちにしっかり説明できる指導者も少ないように思います。子どもにわかりやすい言葉で伝えることが意外と難しいからです」
 
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■一般の指導者が伝えにくい「パス&コントロール」の重要なポイントとは?

「まずパスについて具体的に説明します。一つはスピードです。状況に応じてどういうパスのスピードが必要なのかを理解する必要があります。それから方向。方向がブレてしまえば味方にパスは繋がりません。そしてタイミング。出し手と受け手の意志がシンクロしないとパスは繋がりません」
「次にコントロールについては、必ず動きながら、どういう意図を持って次のプレーをするのか、そして次のプレーのためにどこにボールを置けばベストなのか、を考えるということです」
 
 一通り言葉で説明したあと、トレーニングの中にパス&コントロールの要素が入っている4対2を実際に行いました。
「このトレーニングでは、攻撃は4人でグループとなって、守備の人たちにボールを獲られないようにするためにどうやってボールを回せばいいのか、ということを考えながらプレーをします」
「もちろん技術が不足しているのでミスもありましたが、理解が早いグループは、有効なパス&コントロールを繰り返しながら、意図を持ってパスを回そうとしているのが手に取るようにわかりました」
 
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 須田コーチは「徐々に子どもたちの頭が上がって視野が十分に確保されることで、コートの幅と厚みを使ったプレーができるように変わってきた」といいます。
 
「今まではほとんどの子どもがパス&コントロールの一体何が重要なのかを理解していなかったのではないでしょうか。このあと子どもたちから、わかりやすかった、という感想が多く聞かれました。指導者が言葉でしっかり伝えれば子どもは体得してくれるもの。何が大切なのかを理解してくれました」
 
 技術レベルの低い子どものグループでも、たとえば相手の守備者の人数を減らして4対1にしたり、守備者にコーチが入ったりして、攻撃側のボールが回りやすいように工夫してトレーニングを進めました。
「たとえ足下の技術がおぼつかなくても、グループでボールを動かして相手を崩すということがどういうことなのか、それをまず頭で理解してくれただけでも大きな進歩だと思いますね」と須田コーチ。
 
 子どもたちは攻撃についての十分な成果を得て、初日のトレーニングを終えました。
 
<<キャンプレポート①はコチラ
 
キャンプレポート③はコチラ>>
 
キャンプレポート④はコチラ>>
 
 
 
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●須田 敏男//
・現 職:シンキングサッカースクールコーチ
・資 格:JFA公認A級ライセンスU-12
     JFA公認キッズリーダーインストラクター
・指導歴:バイヤー04レバークーゼン ユースアカデミーコーチ
     福島県トレセン U-13コーチ
     福島県トレセン U-11チーフコーチ
     福島ユナイテッドFC U-15監督
 
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取材・文/鈴木康浩 写真/サカイク編集部

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