1. サカイク
  2. コラム
  3. テクニック
  4. 小学生から学べる!レアル・マドリ―の守備を破壊したバルサの "マークを外す動き"

テクニック

小学生から学べる!レアル・マドリ―の守備を破壊したバルサの "マークを外す動き"

2015年11月23日

キーワード:サッカーサービススアレスネイマールバルセロナマークを外す動きレアル・マドリ―

世界中が注目する一戦、レアル・マドリー対バルセロナの“エル・クラシコ”が22日に行われ、アウェイのバルセロナが4対0で完勝しました。果たして、なぜこれほどまでに一方的な展開になってしまったのでしょうか? スペイン・バルセロナを拠点に世界中のクラブ、選手を指導する「サッカーサービス」のフリアンコーチに分析してもらいました。勝負を決したポイントは、サッカーサービススクールが小学生年代から指導する“マークを外す動き”にありました。(取材・文 鈴木智之)
 
GettyImages-498178130.jpg
photo by Getty Images
 

■前線からの激しいプレスをかわされたレアル・マドリ―

試合はアウェイのバルセロナが4対0でバルセロナに勝利しました。結果から見てもわかるとおり、バルサがコントロールした試合だったと言えるでしょう。こういった大味な結果になると、スペインメディアは一般的な傾向として、“レアルがすごく悪かった”と報道しがちですが、個人的にはレアルがそこまで悪かったわけではなく、むしろ“バルサが優れていた”のだと思います。
 
ゲームプランとして、ホームのレアル・マドリーは、前線の4人(ベンゼマ、C・ロナウド、ハメス・ロドリゲス、ベイル)を中心に、バルセロナの最終ラインがボールを持ったときに、激しくプレスにを掛けました。しかし、前線と中盤、そして最終ラインが間延びしてしまい、プレスが掛からないどころか、結果として中盤に広大なスペースを作ってしまいました。そこをバルセロナに使われ、攻め込まれる場面も多く見られました。
 

■守備には大きく分けて3つの方法がある

では、なぜレアルのプレスがうまくかからなかったのでしょうか? その理由はずばり、スアレスとネイマールの存在にあります。ディテールを説明する前に、守備の原則を紹介しましょう。守備には3つのパターンがあります。1つが前線からのプレス。2つ目が中盤で守備のブロックを作って守る方法。3つ目が最終ラインを深く保ち、自陣に引いて守る方法です。
 
クラシコのレアル・マドリーは1を選択し、日本代表が格下のシンガポールを相手にスコアレスドローで終えたW杯アジア二次予選の初戦では、シンガポールが3を選択しました。どの守備パターンを選択するにしても、重要なのは“選手間の距離をコンパクトに保つこと”です。このクラシコでレアル・マドリ―は、1の前線からプレスを掛けるという守備プランを採用していましたが、前線と中盤、最終ラインが連動する守備があまりできていませんでした。
 
たとえばベイルが前からプレスを掛けているのに中盤の選手が連動していないので、結果としてスペースができてしまう……といったように。この場合、ベイルがプレスをかけに行ったならば、中盤の選手が連動して前に出て、スペースを埋めなければいけません。バルセロナを相手にスペースを与えることはピンチを意味します。バルセロナは、プレスをかいくぐる技術と個人戦術、グループ戦術を備えているチームです。彼らはレアル・マドリーの連携の不具合を確実に突き、試合を支配しました。
 

■レアルの守備を機能不全に陥れたスアレスのマークを外す動き

そして、レアル・マドリーの守備を機能不全に陥らせたのが、スアレスとネイマールの動きにあります。まずスアレスですが、彼はレアル・マドリーの最終ラインの裏を狙い、ゴール中央、ゴールの左方向、右方向と3方向へ動き続けていました。バルセロナがボールを保持しているときは、つねにセンターバックのセルヒオ・ラモスやバランの裏のスペースに抜けることを考えて動き、パスが来なかったらオフサイドにならない位置に戻り、さらに方向を変えて裏に飛び出す動きを続けます。また、最終ラインの前でボールを受けることもできるので、レアル・マドリーの守備陣にしてみれば、対応の的を絞りづらい、非常に厄介な選手なのです。
 
レアル・マドリーの前線の選手は前へ、前へと圧力を掛けますが、最終ラインは、スアレスに対処するために意識が前ではなく、自陣ゴール前、つまり後ろに向かっています。前へ行こうとする攻撃陣と、背後を守ろうとする守備陣。そのバランスの悪さが、レアルのプレスがはまらず、中盤にスペースを作ってしまったひとつの要因です。
 

■世界ナンバーワン!ネイマールの“左サイドからのマークを外す動き”

さらに、バルセロナにはスアレスだけではなく、ネイマールもいます。ネイマールの左サイドから相手のマークを外す動きについては、個人的には現時点で世界ナンバーワンだと思います。スアレスがピッチの中央部でセンターバックの注意を引きつけている間に、ネイマールは左サイドのタッチラインいっぱいに開きます。そして、サイドの位置からゴール前へと“斜めの動き”でレアル・マドリーの最終ラインの突破を図ります。クラシコでネイマールが決めた2点目の動きは、マークを外す動きのお手本のようなプレーでした。
 
まず、ネイマールが最初にパスを受けようと動き出したときには、ボールが来ませんでした。そこで、ネイマールはオフサイドにならないように、最終ラインと同じ高さをキープしながら、バックステップを踏んで外側へと開きます。そして、外から中へ入る“斜めの動き”でバランの裏のスペースに進入し、イニエスタからのパスを受けてシュートを打ちました。バランはボールに意識を傾けていたので、ネイマールがどこへ動くのか、わからなかったと思います。これはネイマールの特徴である“マークを外す動き”が現れたシーンでした。
 
次ページ:右ウイング、セルジ・ロベルトの守備面での貢献
 

欧州トップレベルの選手たちが実践する"攻撃的・守備的"個人戦術を徹底トレーニング!
「サッカーサービスウィンターキャンプ2015-2016」詳細はこちら
ssc_link.jpg
 

●おすすめ商品●

今なら10%OFF!『知のサッカー2巻』

think2_img400x200.jpg

FCバルセロナのカンテラの指導経験もあるサッカーサービス社のコーチ陣が、サッカーに必要な「認知」「判断」「実行」を徹底解説。Jリーグの試合映像をもとに実際のプロ選手の動きから学ぶことで、自分の試合でも実践することができます。

知のサッカー2巻>>
サカイク運営スタッフがセレクトしたアイテムが揃う!
E-3ショップ
サカイク、COACH UNITED、Spike!などの取材を通じて得たノウハウから、厳選した商品だけをセレクト。ここにしかないオリジナル商品を中心に、サッカー選手とコーチに本当に必要な商品だけをセレクトして取り扱っております。
 

サッカーサービスが教える
「世界で活躍するサッカー選手の育て方」を無料配信!

SOCCER SERVICES

サッカーサービスによる「知のサッカーメルマガ(無料)」に登録しよう!

※メールアドレスを入力して「メルマガに登録する」ボタンをクリックしてください。

※このメール配信はいつでも簡単に解除することが可能です。

1  2
取材・文 鈴木智之

関連する連載記事

関連記事一覧へ

関連記事

関連記事一覧へ

テクニックコンテンツ一覧へ(165件)

コメント

  1. サカイク
  2. コラム
  3. テクニック
  4. 小学生から学べる!レアル・マドリ―の守備を破壊したバルサの "マークを外す動き"

Pickup

サッカースクール検索サイト ケリなび

週間記事ランキング

  1. 無名チームから國學院久我山へ―。文武両道を追い求めたとある指導者がレギュラー獲得のために"親に内緒で"したこと
    2017年8月10日
  2. 夏合宿の持ち物を準備しよう!(1/2)
    2011年7月12日
  3. 子どもは親の分身ではない 指導はコーチに任せ、チャレンジの姿勢をほめることが成長の糧になる
    2017年8月14日
  4. 「プロ100人よりサッカーで輝く社会人100人を育てたい」勝利至上主義だった監督が目を覚ました子どもたちの言葉とは
    2017年8月 9日
  5. Jリーグ選手の管理栄養士に聞いた、野菜の栄養を効率的に摂る食べ合わせ&野菜嫌い克服法
    2017年8月16日
  6. 話を聞く、自分で考えだす... サカイクキャンプなどにヒントがあった、子どもが成長するきっかけの与え方
     
  7. 結成7年で強豪チームに。甲府U-12が取り組む「試合に生きるトレーニング」とは?
    2017年2月 1日
  8. すぐ速く走れるようになる!陸上メダリストの為末選手伝授の速く走る方法
    2013年6月13日
  9. 日本とスペインの比較検証でわかった「伸びる選手の保護者」の傾向とは
    2017年8月 1日
  10. サボっているほど良い選手?その驚きの理由とは
    2015年3月19日

一覧へ