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テクニック

小学生から身につけたい3つの守備のコンセプト[日本vsシンガポール戦分析]

2015年11月16日

キーワード:マーク守備日本代表柏木陽介武藤嘉紀酒井宏樹長友佑都

日本代表が3対0で勝利した、ロシアW杯アジア二次予選シンガポール戦。この試合をスペイン・バルセロナを拠点に、世界中でサッカーチームの指導、コンサルティングを行う指導者集団『サッカーサービス』のフリアンコーチに分析してもらいました。後編では、日本代表のプレーから見る“育成年代で身につけておきたい守備のコンセプト”について解説してもらいます。(取材・文 鈴木智之)

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■守備で大切なことは“いつボールを奪いに行くべきか”

まずは守備について、解説したいと思います。サッカーサービスのスクールやキャンプでは13歳以下の選手たちに、守備の個人戦術を教えていますが、シンガポール戦でお手本になるプレーがありました。それが前半31分の武藤嘉紀選手のディフェンスです。この場面で、まずシンガポールの右センターバックが、右サイドバックにグラウンダーのパスを出します。武藤選手は右サイドバックがパスを受ける前に自分の背後を見て、右サイドハーフの位置を確認します。そして、右サイドバックが右サイドハーフへ、縦パスを入れさせないようにコースを消しながら、プレスをかけたのです。このとき武藤選手が、ボールが動いている間に背後を見て、右サイドハーフの位置を確認していなかったら、そこへパスを通されていた可能性があります。ですが、武藤選手はしっかりと自分の背後をケアしながら、相手のパスコースを切りました。そして、右サイドバックからボールを奪うと、ドリブルで攻め上がり中央へクロス。本田圭佑選手のシュートを演出しました。これは武藤選手の個人戦術でボールを奪った、すばらしいプレーでした。
 
日本代表の2点目は、個人としてだけでなくチームとしてプレスが機能していた場面でした。縦方向へ選手が連動してプレスに行き、4人目でボールを奪い、すぐさま攻撃につなげました。この日のシンガポールは日本よりもレベルが劣る相手だったので、プレッシャーをかけることで相手のミスを誘うことができていました。しかし、相手が同等か格上の場合、簡単にボールを奪えるとは限りません。パスをつなぐことでプレスを回避され、スペースを使われてしまうこともあります。
 
この日の日本はボールがどこにあっても、積極的に前からプレスをかけていましたが、大切なのは「いつボールを奪いに行くべきか」というコンセプトを知り、チームとして統一した意識を持つことです。相手に抜かれないこと、背後のスペースを使われないように守備をすることを頭に置きながら、サッカーサービスはスクールを通じて「状況に応じた守備の個人戦術」を教えています。また、その部分を育成年代で身につけることができたら、プロになったときは更に高いレベルで守備をすることができるようになると思います。
 
 

■ペナルティエリア内の守備は“相手に触れる距離に近づく”ことが原則

守備面については、改善すべきコンセプトもありました。それが「マークの仕方」です。後半26分、右サイドからゴール前にクロスを上げられ、酒井宏樹選手の前でヘディングを許す場面がありました。これは酒井選手が「マークをする」というコンセプトを実行できていなかったことで起きたピンチです。酒井選手はボールにお腹を向けた状態で対応していたので、自分の背後にいる選手の動きを確認することができませんでした。首を振って、背後の選手を見ようとはしていたのですが、クロスが上がった瞬間にマークすべき相手がどこにいるか、見失っています。そして、自分の前に入られてヘディングシュートを打たれてしまいました。ただ、これは酒井選手だけでなく、ダニエウ・アウベスもマスチェラーノも同じミスをするときがあります。多くの選手がミスをしてしまいがちな状況なのです。
 
では、この場面で酒井選手はどのように対処するべきだったのでしょうか? 例をあげたいと思います。まず、この場面ではマークするべき選手とボールを同時に見ることができる身体の向きを作ります。そしてペナルティエリア内の守備は「相手に触れる距離に近づく」ことが原則なので、できるかぎり相手に近づきます。そうすることで、視界の外で動かれることはなくなりますし、フリーでヘディングをされる危険性もなくなります。これは「ボールを持っていない選手への守備」というコンセプトで、セルヒオ・ラモスが得意とするプレーです。
 

■長友佑都から学ぶ!守備の時に腕を使う技術

もうひとつ、日本の選手に向上の余地のあるプレーがあります。それが、「守備の時に腕を使う技術」です。シンガポール戦の他に、Jリーグの試合を何試合か分析しましたが、ほとんどの選手が、守備のときに腕を使っていませんでした。腕を使って相手をブロックすると、相手はプレーがしにくくなります。反対に、腕を使わないと相手はプレーしやすく、簡単にターンされたりすることがあります。シンガポール戦では、長友佑都選手がうまく腕を使えていました。
 
次ページ:z攻撃では"パスの意図"と"ボールの動かし方"を磨け

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