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子どもが「練習に行きたくない」と言うなら行かせるべきではない【クラウスの金言】

2015年10月13日

キーワード:クラウストレーニング指導

グラウンドに向かう子どもの目は輝いていますか?
自分が好きなサッカーができると一目散に駆け出していますか?
 
クラウスは「サッカーに興味がある子はどんな時でも練習に行きたいというはずなんだ」と言います。でも「サッカー好きなんだ」という子どもの言葉を信じないわけではないものの、練習の時間だというのになかなか準備をしない子にイライラする親御さんも少なくないのかもしれません。叱ってでも行かせたほうがいいのか。「行きたい時だけ行きなさい」と甘やかすべきなのか。こうした読者の悩みに対してクラウスは次のように答えました。(取材・文 中野吉之伴)
 
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<<「どれだけ練習したか」ではなく「試合でどれだけ使ったか」サッカー少年を育む4つの栄養素
 
 

■あなたの子どもはサッカーに“行かされている”!?

「練習に行くように強制する必要はない。練習に行きたくないという日があるのも理解すべきだろう。でもそうした頻度が多いのであれば、サッカーへの興味がないということだ。もしその子が練習には行きたくないというのであれば、ほかのスポーツなり、彼に合ったものを探す方がいい。それは子どもからのサインなんだ」
 
行きたいのではなく行かされていると感じている。その可能性もあるかもしれません。あるいはその子は監督との関係で悩みを抱えているかもしれない。チームメイトとうまくいかない何かがあるのかもしれない。その点を掘り下げて聞いてみると、「大事なのは子どもとじっくり話をすることだね。なぜ行きたくないのかと。理由はどこかにあるはずなんだ。監督が怖いとか、チームが合わない気がするとか」とクラウスも同意します。
 
「やりたくない」というのは、「ほかにやりたい何かがある」ことの裏返しでもあります。そしてその何かを口にできないということは、「口にしてはいけない」という怯えや諦めが子どもの中にあるからです。やりたいことだけやっていればいいというわけではありません。努力をすることで今までできなかったことができるようになり、新たな自信と価値観を手にすることができる。その体験と向き合うのは大切なことです。辛抱強いチャレンジがなければ、どんな分野でも成果を手にすることはできないでしょう。
 

■疲れ果てている状態で練習しても何ももたらさない理由

しかし、その向き合い方は適切なものでしょうか。もし「サッカーが本当に好き!!」という子どもが「練習に行きたくない」と言っているのならばこれは大問題です。心から焦がれる「やりたいこと」ができずに我慢のためだけの練習が強いられている現場に目を輝かせて向かうことができるでしょうか。
 
例えば、夏場の練習は過酷です。体力の消耗は当然いつも以上でしょう。クラウスも「日本の夏がどれほど暑いかは私も知っている。日本で夏にサッカーするのがどれほど大変か。そんな中で走り回る彼らにはいつも驚かされれる。だからこそ、大事なのは十分な休憩と水分補給なんだ。子どもはぎりぎりまでがんばり続けるもの。大人がコントロールできなければならないんだ。ドイツでも夏は暑いし、子どもたちは走り回る。コーチはつねに子どもたちの様子に目を配っておかないと。少しでもおかしな反応があれば、休めることが必須だ」と忠告します。
 
「いや、厳しい状況だからこそ、自分を追い込み、鍛えることに意義があるんだ」という意見も聞きます。しかしこうした考えに対してクラウスは「選手が疲れ果てている状態で練習しても何ももたらさない」と断言します。
 
「毎日練習するのは問題ないと思う。ただ、負荷をコントロールすることは非常に重要だ。例えばダッシュを何度も行なうような体への負担が高いトレーニングをした翌日には、軽い負荷のトレーニングを組み込まないといけない。小学生の段階では乳酸は運動によって解消することができず、体から抜け出すまで待たないといけないんだ。高負荷トレーニングをした後は、筋肉内に発生した乳酸が処理されるまで約72時間。つまり、厳しい練習の翌日に技術練習を行っても意味がないんだ。技術練習は体がフレッシュな状態で正しいフォームで行うことが大切だから」
 
求められるのは最適化された負荷コントロールのもと、最大限の集中力とインテンシティでのトレーニング。それができる環境を作り出すのが指導者の役目になります。どれだけやるだけではなく、何のために、どんな練習を、どれくらいの時間で、どのように構成するのかを分かったうえでトレーニングされているかどうか。練習を複雑にする必要はないはずです。シンプルでも一つ一つにこだわればいくらでもトライすることができます。2つのゴールを置いての4対4のミニゲームが推奨されるのもそのためです。オーガナイズはこれ以上なく簡単でも、ピッチの大きさやボールタッチ数を変えたり、フリーマンを足したり、「味方4人が全員ボールタッチしてからシュート」や「ワンツーパスの後にゴールを決めたら2点」など特別ルールを加えたりするだけで練習に様々な色が出ます。
 
次ページ:環境を変えることは難しいが工夫はできる
 

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取材・文 中野吉之伴 Photo by USAG- Humphreys

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