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FC東京の子どもたちが実践する『ライオンディフェンス』とは?

公開:2015年4月 8日 更新:2021年1月27日

キーワード:FC東京U-15ディフェンス育成

「守備の基本は、足を出さないこと、飛び込まないこと」
 
言い方はそれぞれ違うと思いますが、似たような表現は聞いたことがあるのではないでしょうか。程度の違いこそあれ、日本サッカーにおけるディフェンスで最も重視されるのは「抜かれないこと」にあるように思います。1対1になってしまったら、攻撃を遅らせながら味方のフォローを待つのが良いこととされ、そこで奪いに行って抜かれようものなら「軽い!」と大目玉。それはある意味で「正しい」指導だと思います。
 
一方で、育成年代の選手たちが欧州遠征に行くと、「足を出してくれるし、飛び込んでくれるので、ドリブルで抜きやすい」なんてことを言います。もちろん、欧州の選手は全部こうで、日本の選手は全部こうなんて決め付けるものではないですが、一つの傾向として欧州の選手たちはボールホルダーと対峙したときに「待つ」ことを良しとしない風潮はあるように思います。
 
日本のディフェンスが「抜かれない」ことをファーストプライオリティーとしているなら、彼らは「ボールを奪う」ことをより強く重んじているということは言えそうです。言い換えると、「抜かれるという“失敗”」を重視するのが日本の傾向であり、「ボールを奪うという“成功”」に大きな価値を見出すのが欧州の傾向ということになるでしょうか。結果、彼らが大人になったときに誕生するのはどういう選手になるかは、いまの各国の代表選手を見れば自明なことのように思います。(取材・文 川端暁彦)
 
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photo by lovetokyo.net
 

■子どもは失敗を重ねながら少しずつ学んでいくもの

「子どもは失敗を重ねながら少しずつ学んでいくもの。個人の判断でボールを奪いに行かせることをさせず、集団でブロックを作ることを徹底して"失敗"をさせないようにすることによって、そもそもボールを奪える選手が育たなくなってしまっているのではないか」
 
そんな危惧を口にしたのはセレッソ大阪U-18監督の大熊裕司氏です。そんな大熊氏の意向もあって、セレッソでは小学生年代から徹底して「ボールを奪いに行く」ことを重視する指導を行うようになっており、奪う能力を持ったタレントの発掘にも力を入れています。ボルシア・ドルトムントに移籍したMF丸岡満選手などはその典型例でしょう。
 
果敢にボールを奪いに行くことはリスクを冒すことでもあり、セレッソのアカデミーチームは総じて失点の多いチームにもなってしまいました。大熊監督へ2年前に話をうかがったときは、「こんな守り方では勝てるはずがないなんて言う人もいますよ」と笑っていましたが、昨年はまさにその果敢な守り方を貫いて高円宮杯U-18チャンピオンシップを制し、日本一にもなりました。各年代を通じて継続することが力になっていた証でしょう。
 
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取材・文 川端暁彦

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