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中高一貫教育のメリットとデメリット。青森山田監督インタビュー

公開:2014年11月21日 更新:2020年3月30日

キーワード:中高一貫柴崎岳環境青森山田黒田剛

中学と高校が一貫となった中高一貫教育。勉強だけでなくサッカーの世界においても、6年間という長い期間をもってサッカーの強化に取り組む学校は多くあります。しかし、中高一貫教育だからチームは強くなるかというと、必ずしもそうとは限りません。そこにはメリットとともにデメリットも存在します。(取材・文・写真/安藤隆人)
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■中高一貫教育のメリット 

中高一貫教育を敷く強豪校の現場では、いま、どのようなことが起こっているのか。青森山田高校サッカー部の黒田剛監督に話を聞いた。青森山田と言えば、高校は言わずと知れた全国屈指の強豪で、中学も今年の全国中学校サッカー大会で優勝を果たしている。
青森山田は、もともとは高校が強豪で、そこから徐々に中学を強化していったという流れがある。6年間の一貫した指導によって、日本代表MF柴崎岳(鹿島アントラーズ)や清水エスパルスで若くして定位置を掴むGK櫛引政敏を輩出している。
「中高一貫教育はメリットの方が多いと思います。選手たちがつねに全国のトップをイメージしながらサッカーに取り組めることは非常にプラスになると思います」。
だが、この言葉の後、「青森山田中学に入ったからと言って、必ずしも将来が保証されている訳ではない」と黒田監督は強調した。
「中高一貫教育のデメリットとして、中学から高校に上がった選手だけでなく、高校から入学してくる選手もいる。部員は11人ではないので、中学で試合に出られていない選手は、高校で試合に出られるのか、という問題に直面します。6年間すべての試合に出られる保証はないけど、卒業したときに青森山田にいて得られるものがあったと思ってもらえないと、こちらとしても意味がありません。『試合に出られないのだから』と言う親もいるけれど、だったら最初から中高一貫校を選ばなければいいと思うんです。ここに来るのであれば自立する覚悟を持って来てほしいし、親は子どもに依存しないようにする覚悟を決めてほしい。きちんと整理してから6年間を過ごしてほしい」
当然、中学でレギュラーだったから高校でもレギュラーという甘い世界ではない。高校に上がればレベルも上がり、他の地域やクラブ、中学校からも高い能力を持った選手が集まってくる。競争は倍以上に激化すると言っていいだろう。そこに甘い考えを持ったまま、入っていくのは非常に危険だ。そういう選手や親は、うまくいかなくなったときに不満をぶちまけたり、時には組織の足を引っ張ってしまう危険性もある。
そうならないためにも、黒田監督は選手たちに『自立』と『覚悟』を求める。
「県外から入ってきている子は、親元から離れることもあって、覚悟ができている。逆に近所に住む選手たちは甘えられる環境にあるので、親もなにかと手を貸したくなってしまうことが多い。それを親は子どものためだと思っているし、子どももそれに慣れてしまい居心地がよくなってしまう。将来、それが必ず大きな差となる。一番損をするのは、子どもたち自身なんだということを、親も気付かないといけない」

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