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「10本決めたら終わり」はNG!?ゴールキーパー指導3ポイント

公開:2014年11月24日 更新:2014年11月25日

キーワード:GKコーチコーチングビルドアップポジショニングメンタル松本山雅FC育成

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■「10本決めたら終わり」にみるデメリット

GKの導入期であるジュニア年代は、『GKをやっていて良かった』『楽しいポジションなんだ』と分からせてあげることが大切だと、日々感じています。たとえば、練習でよくあるのが「あと10本シュートを決めたら終わり」といったルールです。これをGK目線で見ると、「決められる」というネガティブなイメージで練習が終わりますし、何本も止めていると、フィールドプレイヤーから厳しい視線が飛んできます(笑)。GKからすると、「10本決めたら終わり」というルールだけでなく「20本シュートを打つ中で、GKが10本止めたら終わり」などのルールを設けてくれると、よりプレーに対する集中が増しますし、フィールドプレイヤーは決めなければいけないという緊張感の中でシュートを打つことになるので、練習への集中力も高まるのではないでしょうか。
 
ジュニア年代で気をつけたいのが、GKというポジションを嫌いにさせない、不公平だと思わせないことです。GKのミスは失点に直結しますし、勝ち負けに大きな影響があるポジションです。GKのミスは目立つので、保護者の方も「うちの子のミスで負けた...」と肩を落とした経験がある方も中にはいるかと思います。ジュニア年代であれば、失点の責任を過度に背負わせない方がいいでしょう。ときには、キャッチングミスやパスミスなどで失点し、負けてしまうこともあります。GKとしては絶対にやってはいけないミスですが、チーム全体の中で、DFと平等に扱ってミスを指摘することが大切だと思います。GKがミスをする前段階でほかの選手がミスをし、シュートを打たれてしまった可能性もあります。反対に、味方のミスをGKの好プレーで救うこともあるわけです。
 

■GKが感情を表に出さない理由

日本の育成年代を見ていると、GKが良いプレーをして失点を防いだとしても、感情を表に出す場面が少ないと感じることがあります。おそらく、その状況を喜んでよいのかどうかの判断がつかないことが原因だと思います。失点につながるミスばかりを非難するのではなく、GKで勝った試合、引き分けた試合についてもしっかりとねぎらってあげて、チームとしてもGKのプレーを認めてあげれば、GKとして持たなければいけない「自分のプレーでチームを勝たせるんだ」という"強いメンタル"の成長の助けになると思います。 そのような意思を持って試合に臨み、勝利を得る経験を重ねることで、GKとしての責任感やオーラが自然と出てくる選手が育つのだと思います。
 
 
川原元樹(かわはら・もとき)
大学卒業後ドイツに渡り、ケルン体育大学に通いながら、GKとして6部リーグでプレー。指導者転向後は、GKコーチとして名高いトーマス・シュリーク氏のもと、アルミニア・ビーレフェルトで育成からトップまで指導を行う。ハノーファー96ではU17のGKコーチ、酒井宏樹の通訳としてトップチームに帯同。VFBシュツットガルト、バイヤー・レバークーゼン、TSGホッフェンハイム、シャルケなどの育成チームで研修を積んだ後、2013年より松本山雅FCアカデミーのGKコーチに就任。ケルン体育大学の卒論のテーマは「ブンデスリーガ・アカデミーのGK練習の考察」。

 

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取材・文/鈴木智之 写真提供/松本山雅FC 写真/田川秀之

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