1. サカイク
  2. コラム
  3. こころ
  4. 日常生活も含めた人としての成長がサッカーに繋がる――JFAプレミアカップから学ぶ気持ちの重要性

こころ

日常生活も含めた人としての成長がサッカーに繋がる――JFAプレミアカップから学ぶ気持ちの重要性

2013年5月22日

キーワード:育成

IMG_9885_600.jpg
 
U-15世代の頂点を争う「JFAプレミアカップ2013 supported by NIKE」から学ぶ気持ちの重要性。前回は初優勝を果たした大宮アルディージャジュニアユースと3位のサンフレッチェ広島FCジュニアユースのケースを紹介しましたが、今回は青森山田中学の取り組みを紹介します。
 
 
<<上手いから勝つのではない――JFAプレミアカップから学ぶ気持ちの重要性
 
 

■「強い気持ち」を育むのは日常生活から

今大会、唯一の中体連からの参加となった青森山田中学は全国各地から優秀な選手が集まる附属の青森山田高校や今大会に出場した他のチームとは違い、「まったくスカウト活動はしていません。来る者は拒まずどうぞという感じです。県外から来ている子もスカウトして、セレクションしてではなく、“日本一になりたい、プロになりたい”という高い志を持って来る子たちです」(上田大貴監督)というチームです。
 
決してエリートばかりではない青森山田中学が今大会のように個で上回るチームを相手にどう戦ったのか?こだわったのは“強い気持ち”でした。「相手よりも強い気持ちを持って戦うことと連続した守備が大事。一度、抜かれたって粘り強く行かないといけないし、1対1で勝てないなら、2対1、3対1で囲んで守ることが重要になってきます。相手より多く走って、気持ちを持って試合に挑まないと勝てません」という上田監督のこだわりは試合から十分に伝わってきました。
 
“強い気持ち”を育むための秘訣は日常生活にありました。
 
上田監督は「私生活から取り組んでいます。同じクラスの子がいっぱいいるし、同じ寮の子もいます。私生活から色んなルールの中で楽しんで、サッカーに向かっていく事が大事。サッカーだけやって、授業中は寝ていれば良いとかではなく、本業は中学校の学業。それをしっかりやった上で、サッカーが出来る資格があるという風にしているから、我慢強さであったり辛抱だったりはこの年代でも、他のチームに比べて出来る子になっているし、そういう部分が最後まで守りきれたりという部分に出てくると思います」と話します。きちんとした日常生活があるからこそ、普段のトレーニングから100%、120%の力を発揮出来る。普段のトレーニングから力を発揮出来るからこそ、試合でも力を発揮出来る。こうした好循環が好結果へと繋がっているのです。
 
「高校に入ってから活躍できる選手を育てるのを意識しています。その中で結果を残していくことが選手の経験になるし、経験を持っていくことが先での自信に繋がります。うちは中体連だけど、クラブには食ってかかりたい。そういう意地というか中体連魂を出していきたいですね」。グループリーグ敗退となってしまったものの、選手たちが残した1勝2分という結果は将来に繋がっていく大きな価値のあるものだったと言えます。
 
takahasi2_600.jpg
 

■サッカー選手を育てるためには親の役割とは?

強い気持ちがしっかりと身についている青森山田中学のメンバーの中でも、上田監督が高く評価する選手がチームの主将であるMF高橋壱成選手(写真左)です。U-15日本代表にも選ばれているように、止めて蹴るがしっかり出来る技術の高い選手ですが、上田監督が評価する点は別の部分にあります。「彼はチームのバランスを考えながら、個人の活躍よりも、チームの勝利のために動いて考えられる選手。日ごろのトレーニングであったり、アップもそうだし、寮での過し方、宿舎での過し方と私生活でもキャプテンで、精神面でも支えになっています。彼が中盤にいると周りの選手たちは心強いと思うでしょう」と評します。
 
そして、上田監督が「今の自分に満足することがないし、下手くそと思って、今の自分の足りない所を分析するタイプ。道を逸れることはこれまで一度もなく、真面目すぎて自分で悩むこともあるので、こっちが『もっと楽しんでいいんだよ』とこっちから声をかけたりするくらいです」と話すように、私生活からの育成に拘る青森山田中学らしく高橋選手は真面目な性格でもあります。
 
中学生は思春期の真っ只中。サッカー以外の誘惑も多く、なかなか素直に純粋に育つことが難しい年代です。それでも高橋選手のような性格を通せる理由について、上田監督は「家庭環境のおかげでこういう人間的に素晴らしい子が出来るのだと思います。日ごろの家族との過し方で培う部分は大きいし、親が言う所は言うし、厳しくしながら自分で考えさせることをやっているのではないでしょうか」と分析します。
 
育成年代というのはサッカーだけをやっていれば大丈夫といった簡単なものではなく、日常生活も含めた人としての成長がサッカーに繋がっていきます。特にジュニア年代はその後の人間形成に関わる重要な時期。サッカーを続けるお子さんをサポートするためにも、こうした青森山田中学のエピソードは一つの参考になるのではないでしょうか?
 
 
森田将義(もりた・まさよし)//
関西を拠点に全国津々浦々、大学、U-18、U-15など育成年代を追いかけるフリーのサッカーライター。主にELGOLAZO、ゲキサカ、スポーツナビなどへ寄稿。ライター業のスタートはテレビの放送作家という異色の経歴も持つ。
●E-mail:jnfpr1234@yahoo.co.jp
 
1
取材・文・写真/森田将義

関連する連載記事

関連記事一覧へ

関連記事

関連記事一覧へ

こころコンテンツ一覧へ(173件)

コメント

  1. サカイク
  2. コラム
  3. こころ
  4. 日常生活も含めた人としての成長がサッカーに繋がる――JFAプレミアカップから学ぶ気持ちの重要性

Pickup

サッカースクール検索サイト ケリなび

週間記事ランキング

  1. 【速く走るための参考にしたい記事】ふくらはぎやアキレス腱の使い方をマスターしてスピードアップ!
     
  2. ボールを奪うための準備が課題の子どもたち 相手にボールが渡る前の動きをどう指導すればいい?
    2017年6月23日
  3. 新しいクラブで試合に出られない プレーが消極的な息子をどう支えたらいいの問題
    2017年6月22日
  4. 試合を想定した練習で止める、蹴る、運ぶなど個人技術を磨く! ブラジル名門クラブの「パス&コントロール」トレーニング
    2017年6月16日
  5. 「運動中は水飲むな」は昔の話! 現役時代とこんなに違う、お父さんコーチに知ってほしいサッカー今昔物語
    2017年6月20日
  6. 【必見】毎日コツコツうまくなるサッカー自主トレーニングメニュー
    2012年6月26日
  7. 結成7年で強豪チームに。甲府U-12が取り組む「試合に生きるトレーニング」とは?
    2017年2月 1日
  8. 次のプレーを考えず、ボールが来るととりあえず蹴ってしまう子どもたち。プレーの判断をどう指導したらいい?
    2017年6月16日
  9. しつもんが尋問になってない? 子供の考える力を促す「聞き方」のコツとは...
     
  10. 1対1に自信がつく! ディフェンスで大事な3つの姿勢
    2012年4月27日

一覧へ