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サッカー豆知識

子どもの自主性を育てる輪をもっと広げたい! 現状の課題に迫る

2013年12月17日

キーワード:育成

「football connection ~任せれば、できる」の第2回大会が、11月30日(土)と12月1日(日)の2日間にわたり、千葉県のサンセットブリーズ保田・勝山サッカー場にて開催されました。
 
 第1回同様、第2回も「試合のコーディネートはすべて子どもたちに任せ、大人は見守るスタンスを貫く」が、最大にして唯一の大会コンセプトです。試合中やハーフタイムも、子どもたちのすべてを信頼して、委ねて、任せます。「あくまでも子どもが主役であり、大人が子どもより必死にならない」というプレイヤーズファーストの趣旨を理解して頂けるチームに参加をいただいたところ、大盛況のうちに終わりました。
 
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 第2回大会が終了し、この大会の創設者の一人であるSUERTE juniors YOKOHAMAの代表、久保田大介さんに大会開催を通じて感じた想いを語っていただきました。
 
 

■ボトムアップ理論は浸透しても、現場の指導にはまだまだ届いていない

「前回の大会後、かなりの反響がありました。『うちも次回は是非参加します!』といった声もたくさん頂きました。ただし、すべての方々が第2回にも引き続き参加いただいたわけではありません。大会日程や会場の都合などもあると思いますし、次回は参加したい、と言って下さった方々でも、実際は普段の現場に落とし込めてないという方のほうが多いのではないかと思います」
 
 この大会の趣旨は「ボトムアップ理論」として畑喜美夫先生が提唱した、子どもの自主性を育てる理論がベースにあり、その理論は、メディアでもかなり発信されてきたため、サッカー界にも広く浸透してきたようにも思いますが、久保田さんは「まだまだ、昔ながらの指導者にはまったく届いていません」といいます。
 
「実際、大会に興味を持って下さっている方々の試合現場を見てみると、言っていることと、やっていることが全然違う、という指導者が多いのが事実。ただ、そういう方々の声を拾っていくと、ボトムアップ理論を取り入れたいけれど、いざ現場に入ってしまうと、チーム代表や他のコーチ、また、保護者の反対があり、実践できないという理由もあるようです。たとえば、今大会の運営に協力してくださったスタッフの方が、大会後に自分のチームで、『ウォームアップやスタメン決めを子どもたちにやらせていた』という理由で、つい最近、ご自身のチームを解任されてしまったという人もいます。また、別のスタッフは、解任はされていないものの『スタメン決めを子どもたちにやらせるのは今後一切禁止』と、チームの代表に言われてしまったとか。
 私自身はチーム(SUERTE juniors)の代表なので自分が好きなように信念に沿って実践できていますが、そうではない人、つまり、実践したくてもできない人のほうが、少年サッカー界ではまだまだ大多数なのではないでしょうか。そして、ボトムアップのボの字も知らない、まったく旧態依然としたトップダウン的な指導者をする方々が圧倒的に多いのが現実だと思います」
 
ボトムアップ理論はSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)で繋がった者同士では急激に広がって浸透しつつあるものの、一歩外に出れば、「まだまだ理解されにくいものだと実感する日々」と久保田さんはいいます。
 
サッカー界でボトムアップ理論に対する注目は広がっているのは事実でしょう。しかし、それもまだまだ分母が少ないと言わざるを得ず、指導の現場で、子どもを怒鳴り散らしたり、一方的に頭ごなしに強制的な指導をしたりする、旧態依然としたトップダウン方式の指導もまだまだ残っているのが現状といえるのかもしれません。
 
「私たちが今大会のような発信をし続けることで、少しずつでも、この輪が広がっていけば・・・と願ってやみません。そしていずれは、そもそもこのような大会を開く必要すらなくなる事が一番いいですね」
 
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■大切なのはスタンスの共有、と強調する久保田さん

「そのスタンスとは『子どもが主役』だということ。それを実践し、体現する方法、つまり指導のスタイルは各自それぞれ違ってもいいと思います。絶対にスタメンを選手が決めなくてもいいし、荷物も綺麗に並べなくてもいいんです。そういう行動を子どもがするということに隠された意味を指導者がしっかりと理解して、自分のチームの目の前の子どもたちに必要だと思えば実践すればいいと思います。いや、この子どもたちにはこの方法は今の段階では必要ない、と指導者が感じれば、それはそれでよいのだと思います。実際、私は自分のチームの子どもたちに『荷物を綺麗に!』なんて言いません(笑)。スタメン決めにしても、毎回必ず子どもたちが実践しているわけでもありません。私が決めるときだってあります。
何が大切かといえば、目の前にいる子どもたちのチカラをできるだけ多く引き出して、成長させて、子どもたちが『自分で(判断して)やった』という実感を少しでも多く得られるようにするということ。だから、そのためには子どもが主役というスタンスを絶対に外さなければ、指導者のスタイルは千差万別でもいいんです。それぞれの指導者が、今、目の前にいる子どもたちに合わせたスタイルを取るべきだと思います」
 
荷物を自分たちで並べる。スタメン決めを子どもたち自身が行う。ボトムアップ理論はこれらのフレーズだけが表面的にクローズアップされがちですが、そこに本質はありません。
 
「子どもたちが、見てくれている、信じてくれている、見守ってくれている、と思ってくれれば、それを感じた子どもたちが思う存分、自分の意思で躍動します。そのためには指導者が、子どもを信じて、子どもに任せる。そこで子どもに起こりうる失敗は、尊重する。その信頼関係を、普段のトレーニングから築いていく。それこそが、本来、ボトムアップ理論が言わんとする大事なことなのではないでしょうか。
その意味では、私たちが大会を通じて発信しなければいけないことは、山のようにあると思っています。もちろん、まずは自分自身が、自分のチームの子どもたちに対して、信念を持って接し続けること。そこに丹念に取り組むことですべてが始まると思っています」
 
 子どもの自主性に任せ、判断を尊重し、指導者が寄り添うようにしながら子どもたちと強力な信頼関係を築いていく。あなたのお子さんが所属しているチームでは、どのように子どもたちと接しているでしょうか?
 
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取材・文・写真/サカイク編集部

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