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サッカー豆知識

バーモントカップ全日本少年フットサル大会で見たサッカーに通じる指導とは?

公開:2013年1月16日 更新:2013年1月25日

キーワード:フットサル大会

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立派な選手宣誓を行ったFCボア益田キャプテン網永候太選手
 
 1月4~6日、東京の駒沢体育館・屋内球技場で「バーモントカップ第22回全日本少年フットサル大会」が行われました。全国からさまざまなチームが集まり、まず1勝を目指して選手全員の力を合わせて戦ったチーム、サッカープレーヤーとしての成長に繋がる指導を心掛けたチーム、さまざまなチームがありました。
 
 

■選手宣誓務めたFCボア益田、みんなの力で1勝を勝ち取る

 1日目に行われた開会式で選手宣誓を行ったのは、島根県代表のFCボア益田キャプテン網永候太選手。「僕はこの全国大会出場をチームメイトと夢見て一生懸命練習してきました。今日はこの場に立てて本当に嬉しく思います。ありがとうございます」とまず大舞台に立てたことへの感謝を述べてからの選手宣誓。「最後まで仲間と力を合わせて全力でプレーすることを誓います」と語り、立派に大役を務めました。
 
 FCボア益田は今大会初出場チーム。最初はなかなか大会の雰囲気に慣れなかったこともあり、鹿児島県代表太陽スポーツクラブ国分に2-6、埼玉県代表江南南サッカー少年団に0-7で敗れ、残念ながら1日目で1次ラウンド敗退が決定してしまいました。
 
 2日目の1次ラウンド最終戦は岩手県代表ヴェルディS.S岩手・花巻U-12との対戦。大会初勝利を目指し、選手全員が力を合わせて戦い、試合は追いつ追われつの大接戦になりました。そして試合終了間際に、松本竜拓選手のゴールが決まって、4-3で見事に勝利。決勝トーナメント進出はならなかったものの、みんなの力を合わせて1勝をもぎ取りました。
 
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チームを引っ張るプレーを見せたFCボア益田網永選手
 
 FCボア益田代表の瀧川純一さんは「1勝して終わりたいというのがチームの目標でした。選手はギリギリのところまで頑張っていて、すごく良かったと思います」と大会を振り返りました。「宣誓をした選手はもちろん大きな宝物の一つができましたが、チームとしてもあれだけの立派な開会式の中で、キャプテンが良い選手宣誓ができて宝物です。決勝トーナメントに上がれなかったからダメだったのではなくて、ここにいること自体が宝物で、何かを勝ち取って帰れると思います。コーチも含めてみんなで涙を流したり喜んだりしていましたから。僕は子ども達のことを未来からの訪問者と呼んでいるのですが、今から長い人生の中で、この場は大きな体験以上に宝物になったと思います」と大きな大会に出場できて、みんなで全力出し切って戦えたことへの喜びと意義を語りました。
 
 この大会は半分以上のチームは決勝トーナメントに進出することはできません。しかし、1次ラウンド敗退したチームであっても、しっかり目的を持ち、全員が協力し合い、力を出し切る大切さを学べて帰ることができたのであれば、それはとても意義のあることです。
 
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最後に1勝を勝ち取ったFCボア益田の選手たち
 

■サッカーに通じる指導を考える準決勝進出チーム

 大会2日目午後から3日目にかけて、決勝トーナメントが行われ、白熱したハイレベルな戦いが見られました。そんな中準決勝まで勝ち上がってきたのは、フットサル専門チームではなく、サッカーチームの4チームでした。
 
 準決勝1つめの試合は、昨年準優勝の宮城県代表ベガルタ仙台ジュニアと愛知県代表ブリンカールFCの対戦。ブリンカールFCは愛知県安城市・刈谷市など西三河地区で活動しているサッカースクールの選抜チームで、2回目の挑戦でベスト4まで勝ち上がってきました。
 
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ドリブルによる仕掛けなど高いテクニックを見せたブリンカールFC
 
 試合はショートパスやドリブル主体で攻めるブリンカールFCに対し、ベガルタ仙台ジュニアは、ショートパスだけでなく状況に応じてロングボールやキックインを有効に使って攻める展開となりました。ベガルタ仙台ジュニアはロングキックやミドルシュートの精度も非常に高く、こうしたロングボールやキックインからのミドルシュートで得点を重ね、4-0で勝利しました。
 
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ブリンカールFCキャプテン岡本悠作選手はドリブルなど足下のテクニックが光った
 
 2つめの試合は、昨年は3位の茨城県代表鹿島アントラーズジュニアと岐阜県代表のFCアルマ大垣U-12の対戦。こちらは後半途中まで息詰まる接戦となりましたが、鹿島アントラーズジュニアが後半突き放し、5-3で粘るFCアルマ大垣U-12を振り切り、決勝進出を決めました。
 
 3位となったブリンカールFCとFCアルマ大垣U-12ですが、いずれもサッカーに繋がる指導を考えていました。ブリンカールFCの古居俊平監督は「基本的にボールコントロール、ドリブルに特化した練習をしています。1対1の駆け引きを大事に練習してきました。自分たちでゲームの流れを読んで、いつドリブルで仕掛けるのか駆け引きのタイミングはよくできたと思います」と日頃の練習の成果が出せたことを収穫として挙げていました。
 
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選手個人の判断が尊重されたFCアルマ大垣U-12
 
 FCアルマ大垣U-12の西脇良平監督は「サッカーよりも相手が近くて、プレッシャーがある状況でボールを受けて考えなければいけないので、子どもとしたら大変だと思いますが、僕らはその中で判断を奪わないので、ただ縦に蹴るだけでなくて、繋ぎたいのであればどういう状況があるかを見て欲しいし、そういう部分がサッカーよりもフットサルは出るので面白いです。そこで相手の逆を取れたら選手もいろんなことが分かりやすくなると思っていて指導しています」と指導方針を語りました。子ども達の判断を尊重した上で、サッカーにおいてパスを繋ぐために何をすれば良いかを考えるためにも、フットサルは良いトレーニングになると捉えていました。
 
 両チーム共に、創造性あふれるプレーがたくさん見られ、3位という好成績にふさわしい素晴らしいチームでした。子ども達自身の判断を尊重し、ドリブル・パスといった足下の基本技術を大切にするという点が、フットサルのプレーをサッカーに繋げていくヒントなのかもしれません。
 
フットサルを通じて精神的に強くなった~バーモントカップ全日本少年フットサル大会>>
 
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取材・文・写真/小林健志

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