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サッカー豆知識

【第7回】「知ってます?世界のサッカー常識」- 育成王国オランダの常識

2010年12月19日

キーワード:オランダ海外サッカー自立

■「小国オランダは、驚異のサッカー大国」という常識

このコーナーでは毎回、知っていそうでいなかった世界のサッカー事情について、ランダムにとりあげます。世界各国で様々に楽しまれているサッカーというスポーツの奥深さを感じるような話題、子どもとの会話のネタになるような話題を数多くセレクトして紹介します。

風車やチューリップで有名なヨーロッパの美しい国、オランダ。この国はアメリカや中国のように、決して経済的な超大国と呼ばれることはありません。面積は約4万km²。日本は約37万km²ですから、日本の約11%程度。人口はオランダ約1600万人に対し、日本は約1億2700万人。規模の面から見ても大国とは言えないのがオランダという国です。

でも、サッカーとなると話は別。この小さな国には、驚くほど豊かなサッカー文化が根付いているのです。古くはヨハン・クライフやデニス・ベルカンプ、ルート・フリット。近年ではアリエン・ロッベン、ウェズレイ・スナイデル、エドウィン・ファンデルサールなど、いつの時代にも世界でもトップレベルの選手を数多く輩出しています。例えばこの国には、サッカーを楽しめるフルサイズのピッチが1万以上あると言われています。日本はおおよそ1000程度という数字を比較してもオランダがサッカーをどれだけ愛しているかが推察できるでしょう。

プロリーグの発足は1956年と古くはありませんが、クラブ運営に関しては世界でも随一の設備と育成ノウハウを有しています。「毎日、練習するのはコーチの自己満足でしかない」と断言する名門クラブ、アヤックスでは基本的に週4回の練習のみ。しかも1回の練習は約90分と驚くほど短いものです。

根本には、全力で練習することでしか向上しない、という理念があります。疲れ切った状態や、精神的に楽しめていない状態では技術が向上しないという考えです。こうして、現実的な指導、育成、練習が合理的に行われているのです。歴史的に多くの優秀な指導者を生んでいるのもオランダの特徴。単に「ライセンス制度」によって指導者を認定していくのではなく、継続的に、指導者を成長させていくという「コーチング」という育成指導プログラムの存在が有名です。

子どもの心理状態や身体の発育過程を詳細に分析し、コーチに求められる技術、知識、経験を総合的に磨いていくのです。小さい頃から、「自分で考える」ことを習慣化させ、言われたとおりのことをするだけで終わらせるような教育は行わないオランダ。何から何まで親やコーチが面倒を見るのではなく、あくまで自立を基本とした教育や育成が、才能豊かなサッカー選手を生む要因となっているのです。

オランダ人選手と日本人選手の間には、長年に渡る教育、育成の差が横たわっています。今、多くの日本人指導者たちが、この問題に取り組んでいますが、簡単なことではありません。この問題を解決するためには、指導者だけでなく、子どもに関わる全ての大人たちが変わっていく必要があるのです。

 
 
『知ってます?世界のサッカー常識』全12回
 
【第1回】広島観音高校の育成方法
【第2回】世界のトレーニング事情
【第3回】世界4大リーグの基礎知識
【第4回】サッカーは監督次第!?
【第5回】国によって異なる「ダービー」の意味
【第6回】イエローカードって万国共通じゃないの?
【第7回】育成王国オランダの常識
【第8回】極める道はサッカーひとつにあらず
【第9回】知られざる背番号ストーリー Part1
【第10回】知られざる背番号ストーリー Part2
【第11回】代表選手は、どこの国で生まれた選手!?
【第12回】試合の結果を左右するアウェイの洗礼
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