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インタビュー

「ぼくは殴られたことにも感謝している。そこに愛情を感じていたから」日本代表MF清武弘嗣、父との絆

2016年6月21日

キーワード:モチベーション子育て清武弘嗣父親

日本代表の中心選手として2018FIFAワールドカップを目指す清武弘嗣選手。この夏、スペインの強豪セビージャに移籍することが決まりました。そんな清武選手が日本代表で着る背番号13には父への特別な想いがありました。厳格で、ときに手をあげることもあったという父を、清武選手が心から慕う理由とは。
 
「これは絶対に載せてください」(清武)
 
決して“愛情があれば手をあげてもいい”という話ではありません。
 
"親であるあなたの行動をどう感じるか、その権利は受け取る子どもにある"
 
清武選手のメッセージをお伝えします。(取材・文 前田陽子 写真 波多野友子)
 
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■厳しく怖い父から、たしかに感じていた愛情

― 清武選手にとって、父とはどんな存在でしたか?
 
「とにかく怖い存在でしたね。父親はチームの監督でもあったので、試合や練習で態度が悪かったりすると家に帰っても怒られていました。ときに手が出ることもありましたよ。でも、ぼくは殴られたことにも感謝しています。それによっていいこととわるいことが判断できるようになったし、身に付くこともありました。なにより、そこに父親の愛情を感じていましたから。親は真剣にサッカーをすることを子どもに期待しているのに、いいプレイをしなかったり、気分が乗らないとしっかり取り組まなかったりすることもありますよね。そういうときに怒りたくなる気持ちは当然わかります。サッカー以外でも、通知表が悪いのは授業に集中していなかったり、居眠りをしていたから。すべて自分自身に問題があるんです。サッカーでも勉強でも。そういう姿勢というのは、大人になっていく過程でしっかりと身に付けておかなければならないこと。それができていなかったから父は怒った。小学生のときにそのことは理解できていませんでしたが、20歳を過ぎて、自分が親になって、父親がしてくれたことは全部そういうことだったんだとわかるようになりました」
 

■なぜ怒ったのか、なにが悪かったのかを説明する

― 清武選手自身はどんな父親ですか?
 
「厳しく育ててくれた父親にはとても感謝していますが、自分が親になったら子どもにはそんなに厳しくしたくないと思っていました。けど、実際に親になったら、父親そっくりですね(笑)。でも、怒ったあとには、なぜ怒ったのか、なにが悪かったのかをきちんと説明します。子どもはまだ小さいですけど、理解していると思います」
 
― お父さんからかけられた言葉で印象に残っている言葉はありますか?
 
「ぼくは小学生のころに、試合中に暴言を吐いて退場させられたことがあるんです。その時、親父から『おまえだけにはサッカーをさせたくなかった』と言われたんです。親父はそうぼくに言ったことを覚えていないそうですが、その言葉は今でもズシンと心に残っています。サッカーを続けていくなかで、二度と同じことが起こらないようにと願いを込めて言ってくれたと思っていますし、その言葉があったからこそ、冷静にプレーできるようになったと感じています。もちろん、試合中はエキサイトしていますが、退場になることはないですし、いまもその言葉を思いながら試合に臨んでいます」
 
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■親父がサッカーを教えてくれたから、いまのぼくがいる

― セビージャ移籍の報道で、背番号は10番を付けたいとのことでしたが、背番号へのこだわりはありますか?
 
「小学校のころはずっと7番を付けさせてもらっていて、高校までは7番にこだわっていました。理由は特にないです(笑)。単に好きな番号だったんだと思います。でも、プロに入ってすぐに7番は付けられないですよね。大分トリニータでは28番。セレッソ大阪で13番→8番。ニュルンベルグに行って13番。そして、ハノーファーで28番→10番になりました。
 
ぼくは10番を付けるタイプの選手ではないと思っていたのですが、海外にいって10番はすごく偉大な番号だということを再認識しました。それで、付けてみたいなという気持ちが自然とわき出てきたんです。クラブではチームを引っ張らなければいけないという気持ちも強いので、10番を付けたいと考えています。
 
代表ではずっと7番でも10番でもなく、13番を付けさせてもらっています。実は、僕の親父がずっと13番だったからなんです。親父がサッカーを教えてくれたからいまのぼくがある、そういう思いを代表の試合では一緒に持っていきたいと思っていて。だから、僕は代表では13番にこだわりたいです。
 
子どもたちにも番号にこだわってほしいと思いますね。自分の好きな番号でもいいですし、好きな選手が付けているということでもいいと思います。そういう選手を目指して番号を付けるというのが、ひとつのモチベーションになりますから」
 
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取材・文 前田陽子 写真 波多野友子

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