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インタビュー

がんばる子に育つ!親が用意するべき3つの環境とは[元日本代表FW黒部光昭インタビュー]

2016年4月15日

元日本代表のストライカーで、現在はJ3カターレ富山の強化部長を務める黒部光昭さん。現役時代はさまざまなJリーグクラブで、その抜群の身体能力を活かして活躍してきました。今回、現役を引退されたばかりの黒部さんに「子どものころにやっておきたいこと、身につけておきたいこと」をテーマにお話を伺いました。(取材・文 杜乃伍真)
 
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■いろいろなスポーツを体験できる環境を

「サッカーは基本的に一つの動作だけ成り立つスポーツではないので、できれば子どもの頃から色々な競技をたくさんやったほうがいいと思いますね」
 
黒部さんは冒頭にこんなエピソードを話してくれました。子どもの頃からサッカーに励んでいました黒部さんは、福岡大学の体育学部時代の授業で、運動能力がある学生たちと一緒にラグビーをする機会があったそうです。
 
ラグビーといえば、走りながらボールを手で受けて、同時に相手をかわしたり、パスを出したりする動作をするスポーツです。黒部さんはサッカーをやっていただけに、すぐに対応することができましたが、運動能力に長けているはずのほかの学生がまったくラグビーに対応できなかった光景をみて愕然としたといいます。
 
「子どものころから、動きながらボールをもらうという動作をしたことがない人は、ボールをもらうときに一回止まって、ボールを受けて、再び走り出す、という動作になってしまっていたのでプレーがすごく遅かったんです。それならば前へのスピードだけがある人よりも、ボールの動きを先読みできて、先に動きながら同時にボールを受けられる人のほうが速いプレーができるわけです」
 
黒部さんはそのとき、パッとラグビーをプレーしたときに身体がスムーズに対応できたこと、逆にほかの学生が苦戦していた光景をみて、自分がサッカーで色々な身体の動きを身につけていたことに気づかされたのだといいます。
 
「サッカーは子どものころの身体の神経系の発達にトータルで働きかけることができるスポーツだと思っています。サッカーはボールを受けるときに周りをみて、次のプレーを考えながら、味方の動きや、相手の動きまで把握しながら、頭をフル回転させて次のプレーを選択しないといけないスポーツです。これが子どもの頃はなかなか難しい動作なのですが、一生懸命にプレーするなかで様々な能力が自然と身に付いていくのだと思います。その意味で、サッカーやバスケットボール、ハンドボールなどは身体の神経系をトータルに刺激して伸ばすことができる競技だと思いますね。
 
ただ、ぼくはサッカーがすべて万能だとも思わないし、ぼく自身は子どものころに陸上の短距離や駅伝などに駆り出されてフル回転していたので、そういう他競技の経験から身体に染み付いた動きもプラスに働いていると思います。だから子どものころは、いろいろな競技を複合的に試してみるのがオススメですね。子どもがずっとサッカーをしていくとは限らないし、中学生や高校生になって別の種目をやりたいと思ったときに、他の種目にも通用するための最低限の身体の神経系が発達していないと対応できずに苦しむことになるんじゃないでしょうか」
 

■負けず嫌いが身につく環境を

黒部さんがもう一つ、子どものころに身につけておいてほしい、として挙げるのが、負けず嫌いの気持ちを持つこと。
 
黒部さんは男3人兄弟の次男。徳島では黒部3兄弟として有名な幼少期を過ごしたそうですが、黒部さんの最大のライバルは兄でした。
 
「ふたつ上の兄は自分がどれだけがんばっても身体能力で勝てない、つねに上をいく存在でしたね。小学生のときに陸上大会に駆り出されて60メートルハードの県大会に出場したのですが、兄は県大会で4位、ぼくはその2年後の県大会で5位だったのでそれが本当に悔しくてしょうがなかったんです。どうしても兄貴の上に行きたいと思いながら過ごした幼少期の環境はぼくにとってすごく良かったと思いますね」
 
黒部さんは「がんばるための理由付けがあれば、負けず嫌いになれる」と考えています。
 
「子どもならば誰もが、いつか壁にぶつかると思うんです。ああ、この選手は自分よりうまいなあ、と思う瞬間が絶対にきます。ぼくにもそういうときが何度もありました。でも、そこで諦めたら成長は止まってしまいます。そのときに、もっとサッカーがうまくなりたい、と思えるかどうか。その理由付けがあればいいと思うんです。自分の好きな女の子がサッカーがうまい子が好きだとして、もっとうまくなったら彼女が振り向いてくれるかな? と思うことで頑張れるのならそれでいいと思うし、親御さんが『優勝したらスパイクを買ってあげるね』という理由付けをしてあげて子どもがサッカーに夢中になって頑張るのならばそれでもいいと思うんです」
 
いまはコーチが子どもにがんばる理由付けをしてがんばらせようにも、あまり厳しい指摘や声がけがはばかられるような時代。黒部さんはキーになるのは親御さんだと言います。
 
「親御さんが子どもにまず好きなことをやらせてあげて、そこで『もっと気持ちが出せるよね?』と背中を押してあげるのもいいでしょうし、子どもに火がつくような環境設定をしてあげて子どもの様子をじっと待つのがいいと思いますね。それでも子どもの心に火がつかないのならば、やっぱりそれは種目の向き、不向きはあると思うので、別の道を選ぶのも良しだと思います。親御さんとしては子どもが最大限がんばれる環境設定をしてあげて、子どもがサッカーが夢中になれるかどうか、その心を尊重してあげるスタンスが大事だと思います」
 
次ページ:子どもが自分自身で決断できる環境を
 

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カターレ富山スクールの詳細が知りたい方はこちらをクリック>>
 
 
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黒部光昭さんが強化部長を務めるカターレ富山のホームゲームを観に行こう!
4月17日(日)VS ガイナーレ鳥取
5月8日(日)VS AC長野パルセイロ
※いずれも会場は富山県総合運動公園陸上競技場です。
 
 
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取材・文 杜乃伍真

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