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インタビュー

初心者コーチ必見!ドイツ育成のプロが教える"はじめの一歩"とは?

2015年6月17日

キーワード:コーチングドイツモダンフットボール指導者練習メニュー

いざボランティアのお父さんコーチになったのはいいけれど、実際に、何を、どう、子どもに伝えていけばいいのかよくわからない――。そんな悩みを抱えるお父さんコーチもきっと少なくないのではないでしょうか。
今回は、「モダンフットボール」の監修者で『ドイツ育成の第一人者』として名高いクラウス・パブスト氏に、何も経験のないボランティアのお父さんコーチが「指導者としての第一歩目をどう踏み出せばいいのか?」というテーマで色々な質問をぶつけてみました。ぜひ参考にしてください。(取材協力:ファンルーツアカデミー
 
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■まずは1対1の練習から。子どものチャレンジはどんどん褒めてあげよう!

――たとえば、サッカー経験がなく、ボランティアでコーチをスタートさせたお父さんが、どう指導者として学んでいけばいいのかがわからない、という切実な声がサカイク編集部にも届くことがあります。クラウスさんから何かよいアドバイスはありますか?
 
「トレーニングの知識は他人からもらうよりも、自分で実践してみて、その経験から学んで蓄えていくものです。実践をして、まったくうまくいかずにミスをしても、それが学びのきっかけになって成長できるし、その失敗は必ずコーチとしての経験になっていきます。まずは目の前の子どもたちをしっかりと見てあげて、その子どもたちに一体何が必要なのか、ということを一生懸命考えることです」
 
――何から始めたらいいのかわからないという場合、こんな練習を大事にすればいい、というものはあるのでしょうか。
 
「まずは子どもに1対1からやらせてみるのはどうでしょう? 何より大事なことは子どもにプレーをさせることです。それがもっとも大事だということを念頭に置いてください。最初はもっともシンプルな1対1からスタートして、徐々に人数を増やして4対4まで持っていくのです。あまり深く考えこまず、まずは子どもにサッカーをさせてみてください。実際にはドイツでは、7歳、8歳くらいの子どもにピッチの幅と深みを理解させるために2対2や3対3のトレーニングを一回一回止めながら、『今どこに行ったらよかった?』『ゴールに攻めるためには前に行った方がいいよね?』などと理解させることをどんどんやっていきますが」
 
mf20150617_dvd04.JPG (DVD「モダンフットボール」より)
 
――最初に1対1をさせるのはどうしてですか?
 
「サッカーはすべて1対1が基本なので、私のなかではまずそこから子どもにプレーしてほしいのです。最初からゲーム形式となると、ほとんど動かない子どもも出てきてしまいます。でも、1対1であれば絶対に動かなくてはいけないので積極的にプレーしますし、何より楽しめると思います。このとき、子どものプレーに対して『そんなプレーはやってはいけない!』といった言葉をぶつけるのは慎むべきです。そうではなくて、『今はどうするべきだった?』と子どもから答えを導き出すスタンスで寄り添い、良いプレーは褒めることを意識してください」
 
――ドイツでも子どもが萎縮してしまうシーンはあるのですか?
 
「残念ながらあります。子どもの脳は大人から『ダメ』と言われてしまうと、ダメという言葉を覚えてしまってポジティブになれなくなるので、気をつけてほしいですね」
 
mf20150617_dvd01.JPG (DVD「モダンフットボール」より)
 
――褒めることが大事なのはわかりますが、サッカー経験のないお父さんコーチのなかには、子どものプレーの、どこを、どう褒めたらよいのかわからずに困っている方もいるようです。
 
「たとえば、ドリブルでうまく抜け出したり、シュートまで行けたりしたときに、『よかったね』と一言伝えるだけでも全然違いますよ。子どもたちが果敢にチャレンジしたと思えるシーンは思い切ってどんどん褒めてください」
 
――たとえば、その1対1のトレーニングを子どもがモチベーションを持って、集中力を切らさずプレーする方法などはありますか?
 
「たとえば1対1ならば1分、2対2ならば2分などと時間制限を設けてどんどん交代をしながら進めてみてはいかがでしょう。それでも子どもが飽きたと感じたら途中にPK合戦などを入れて気分転換をさせたりします。今日のスクールでも、実は45分間も同じメニューを繰り返したのですが、子どもは飽きませんでした。メニューは実にシンプルで、二つのコーンを12、3メートルほど離して置いて、それぞれのコーンの横に子どもが一人ずつ立ちます。双方から交互にボールを蹴って、コーンに当てたら1点。これを1分30秒ほどの時間制限を設けて互いに競い合うのです。そのレーンを4つくらいに分けて、勝った人は、たとえばですが、チャンピオンズリーグのレーン、その次がヨーロッパリーグ、そしてブンデスリーグ、最後にJリーグ、というように、勝敗で順番をつけてレーンを移動するようにするのです。すると、勝てば結果が出るので5、6年生の子どもたちでも最後まで集中してやってくれます。途中でルールを変えて、苦手な足でコーンに当てたら2点などと工夫してやってみると、それだけで練習に一喜一憂できる雰囲気ができあがります。ゲーム感覚を持たせつつ、子どもたちの競争意識を引き出せるのが良いトレーニングだと思いますね」
 
――なるほど。その一方で、子どもの集中力が切れてしまっている、あるいは、何度問いかけても同じようなミスを繰り返している、といった場合などにはどんな対応をすればいいのでしょう?
 
「その場合は、同じようなミスを繰り返す子どものプレーのレベルを下げてあげること、少しアドバンテージを持てる形式を考えてあげるとよいと思います。先ほど例に挙げた1対1であれば、ミスを繰り返す子どものゴールを2つにしたり、あるいは、まずディフェンス側が強くアプローチに行かないという設定でシュートを打たせてあげたりとか、ポジティブなイメージをつけさせてあげることが大事だと思いますね」
 
次ページ:頑張ろうとしない子にはどう接する?
 

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取材・文/杜乃伍真 取材協力/ファンルーツアカデミー

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