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インタビュー

性別は関係なく「勝利だけは譲れない」こだわりをずっと持っていた――猶本光選手(浦和レッズレディース)

2012年12月 3日

キーワード:なでしこ浦和レッズ

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2012 FIFA U-20女子ワールドカップで第3位となったヤングなでしことして出場し、一躍注目を集めた猶本光選手。今年は筑波大学への進学と同時に、浦和レッズレディースへの移籍、さらに2012 FIFA U-20女子ワールドカップへの出場と様々な新しいチャレンジの連続だったそうです。
今回は、そんな猶本選手がサッカーを始めたきっかけや、子どもの頃のエピソードなどをお届けします。
 
 

■男の子の中でプレーすることを意識せず、普通にサッカーをしていた

――猶本選手がサッカーを始めたのは?
 
「1つ年上に兄がいて少年サッカークラブに入っていたのですが、幼稚園の頃からよく兄について行って、練習見学をしていたんです。それが5歳の頃。小学1年生に上がった時に正式に私もそのクラブに入ることになりました。当時の記憶はあまり覚えていないのですが、確か1つ年上に女の子がいて、すごくかわいがってもらったという記憶だけは残っています。最初はサッカーのルールもわからないし、ボールもうまく扱えなかったので、全然面白くないなと感じていました。ただ、そんな時に母が『もう少し経てば面白くなるから』と諭してくれて。それで続けられていたような気がします」
 
――猶本選手が所属していたサッカークラブは、やはり男の子中心のチームだったのですか?
 
「1学年に10人ぐらい選手はいたんですが、そのほとんどは男の子でしたね。ただ、男の子の中でプレーすることは全然意識していなかったですし、普通にサッカーをしている、そんな感じでした」
 
――当時、どんな練習をしたか覚えていますか?
 
「リフティングの練習とボールタッチ。あとはミニゲームも必ずやっていました。最初に入っていたサッカークラブは、低学年と高学年を教えるコーチが異なっていて、低学年の頃はとりあえずボールに触れる練習メニューが主でした。また、そのチームはかなり勝負にこだわるチームで、練習もそれを意識したものが多かったですね」
 
――低学年の頃はどんなことを考えながらプレーしていましたか?
 
「練習が行われていた場所が自宅近くの小学校で、すぐに戻ってこられるような場所だったんです。すごく負けず嫌いだったので、なにか気にいらないことがあると、すぐに泣いて帰っていましたね。毎日そんな感じでした。場合によっては、1日3回は泣いて帰るというようなこともありました。幼い頃のビデオには、声も変わってしまうぐらい大泣きしている自分の姿もあるくらいです(笑)」
 
――男の子の中でプレーすることはあまり意識していなかったというお話でしたが、実際に同じチームには女の子もいたんですか?
 
「いましたが、すぐに辞めてしまって、私ひとりでした。でも、男子だから負けたくないという気持ちはなかったですね。性別は関係なく、同じサッカー選手として負けたくないというだけでした。とにかく“勝利だけは譲れない”、そこはこだわりを持ってやっていた部分だと思います」
 
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■小学校6年生になると「なでしこジャパン」に入って活躍すると宣言!

――当時の1日のスケジュールは?
 
「17時~19時頃に練習していたと思います。小学4年生頃には小学6年生のほうの試合にも出るようになっていました。私が所属していたチームは県大会にも出場するようなチームで“何が何でも勝つ”というスタンスだったんですが、そういう環境が耐えられないというか、その時は嫌になって、5年生になってチームを移ることに。正確に言うと、移ったというよりも、新たに作ったクラブに入ったという感じなのですが、最初は私と兄と兄の友達の3人だけが所属メンバー、それが1年ほどたった頃には60人になっていました」
 
――そのクラブ自体は強かったんですか?
 
「私たちの代ではあまり実績を残すことはできなかったんですが、技術トレーニングなどを多く取り入れ、そこで学んだことがベースになっていたり、その後に生きたということは多いですね」
 
――その頃、自分の未来はイメージできていましたか?
 
「サッカーをやめるという選択肢は全くなかったですね。小学4年生ぐらいの頃から『なでしこジャパンになりたい』というようなことは話していましたし、6年生になると『なでしこジャパンに入って、活躍します!』というようなことも宣言していたくらいです(笑)。当時は、今のように女子サッカーがあまり注目されていなかったので、プレーを見る機会はなかったのですが、澤(穂希・INAC神戸)さんの存在だけは知っていました」
 
――小さい頃に真似をした選手はいましたか?
 
「そういうのはまったくなかったですね。本当に、わが道を行く!という感じでしたね(笑)」
 
――自分の武器はどんなプレーだと思っていました?
 
「あまり、“私にはこのプレーがあります!”と言えるような感じではなかったんです。ただ、負けている試合ほど良いプレーをし、目立っているというようなことは、よくコーチから言われていました。ファウルされた次のプレーから突然よくなったり。負けず嫌い魂に火が付くと、ものすごいプレーが出ていたようです。そういう意味では、自分が成長する上で、“悔しさ”は大きなきっかけになったと思いますし、それを感じたからこそ、やってこれてきているのかなとは感じていますね」
 
 
中学生時代から現在、そして印象に残っている両親の言葉とは?>>
 
 
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猶本 光//
なおもと・ひかる
MF。1994年3月3日生。福岡県小郡市出身。浦和レッズレディース所属。小学校1年生の時に、兄の影響でサッカーを始める。2007年、福岡J・アンクラスの下部組織であるアンクラスFC Paso Doradとの2重登録という形で、13歳でトップチームに登録された。2010年、トリニダード・トバゴで開催されたFIFA U-17女子ワールドカップでは全6試合に出場。2得点を挙げるなど、日本の準優勝に貢献した。2012年、筑波大学への進学を機に、浦和レッズレディースに移籍。8月から開催された2012 FIFA U-20女子ワールドカップでは、U-20サッカー日本女子代表としては初めての世界レベルの大会でのメダルとなる3位の成績を収めた。
 
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取材・文/石井宏美 写真/新井賢一

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