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健康と食育

夏バテを防ぐ!子どもに不足しがちな栄養を補う万能選手って?

2013年7月25日

キーワード:栄養食事

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梅雨時のじめじめした暑さから、猛暑日が続く真夏の到来、そして残暑までと、長く続く暑い季節。練習や試合で疲れがたまった子どもには、何か特別な栄養素や食事が必要になるのでは?そんな疑問に答えてくれたのは、子どもの栄養と食事にも詳しい管理栄養士の高野先生。毎日ぐんぐん成長し、新たな知識も身につける大切な時期。体も頭もベストな状態をキープでき、食欲が低下しがちな夏に効く食事について教えてもらいました。
 
 

■子どもたちの夏の栄養はここに注意

夏の子どもたちに食べてほしい料理、必要な栄養素には、どんなものがあるのでしょうか?幼児期・学童期の食事と食育に詳しい管理栄養士の高野先生からは、「まず夏だからこの栄養を、と無理しなくても大丈夫です。いつも通りバランスの良い食事が基本」と意外な一言が。ただし「夏は食欲が落ちて食べる量が減ったり、食事が偏ったりします。すると普段から不足しがちな栄養素がますます足りないことに……。そうした栄養素が多く含まれる食事をチョイスすることはいいですね」とアドバイスを頂きました。
 
その不足しがちな栄養素とはビタミンC、ビタミンB1・B2、鉄分、カルシウム、亜鉛といったビタミン・ミネラル類。また、「汗をかくことにより、ナトリウムやカリウムなどのミネラル類も一緒に失いますから、上手に補える食事を考えたいですね」。ビタミン・ミネラル類といってすぐに思いつくのは緑黄色野菜ですが、「実は葉物野菜にはビタミン類以外に、お子さんが不足しがちなカルシウムを多く含むものもあります。その代表選手は小松菜で、ほうれん草もカルシウム、鉄分が比較的多い野菜です。サラダの材料としてだけでなく、和え物や炒め物、汁物などに積極的に使ってほしいと思います」。
 
 

■意外な万能選手、ジャガイモやサツマイモ

実はこのような葉物野菜以外に、ビタミン・ミネラル類が豊富な食材が身近にあるそうです。「それはジャガイモでビタミンC、カリウムをはじめ、炭水化物(糖質)もしっかり摂取できるため補食としての役割も期待できます。不足しがちな栄養素をある程度カバーでき、お子さんの成長に必要なエネルギーもとれて脂質も少ない。献立を考えるときに有り難い存在です」。
 
含まれる成分や割合に少し差はありますが、サツマイモもビタミン・ミネラル類が豊富。「調理の途中で失われやすいビタミンCですが、ジャガイモやサツマイモに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくく、体に吸収される率が高いこともうれしいポイント。お子さんの好きなソーセージと一緒にしたジャーマンポテトなど、寒い季節だけでなく、ビタミンやミネラル類が不足しがちな夏にも活用したい食材ですね」。
 
ジャガイモを使ったコロッケにお子さんが苦手な食材、例えばカルシウム豊富な干しエビやヒジキなどを細かく刻んで入れたり、牛乳・乳製品が苦手な子にはスキムミルクを混ぜ込み、ひき肉やツナを加えて味をカバーしたりする、といった使い方も。「忙しい毎日でコロッケを作るのは大変と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、夕食で肉じゃがを残したら翌日は是非コロッケの材料に!」。
 
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■エネルギーが足りないと成長に不安も

夏は食欲の低下や食事の偏りで特に影響が出やすい季節ですが、「体の機能や体温の維持に使う基礎代謝エネルギーにプラスして、ぐんぐん成長するためにもたくさんの栄養素やエネルギーが必要です。特に頻繁に運動をしているお子さんには、成長のために必要なエネルギーだけでなく、運動の為に必要なエネルギーも十分に摂取することが重要です」。
 
ではどのくらいとればいいのでしょうか?厚生労働省『日本人の食事摂取基準』(2010年版)には、年齢別、日常の活動度(身体活動レベル)別に、1日にとりたいエネルギー量が紹介されています。静かにしていることが多い生活をレベル(I)とすると、放課後によく遊ぶような子はレベル(II)、サッカーなど激しい運動が多いならレベル(III)と分けられています。「10、11歳ならレベル(II)で1日2250 kcal、レベル(III)で1日2500 kcalが必要量。この250 kcalの差は、ご飯ではお茶碗1杯分に相当します。ただでさえ食欲が落ちる夏に、『今日は練習が大変だったから、もう1杯ご飯食べて』なんて無理ですよね(笑)」。
 
そこで白いご飯より混ぜご飯などで食べやすくしたり、またエネルギーを補うためイモ類などを副菜に添えるなど、工夫してほしいと高野先生。「成長の為に不可欠なカルシウムや鉄分、亜鉛やヨウ素などのミネラル摂取にも優れた干しひじきやわかめなどの混ぜご飯もおススメです。また味付けは塩分や糖分で濃くするのでなく、香りや風味を加えて食欲をそそるのが理想です。例えばしょうゆを焦がした焙煎香やだし汁の風味を生かすほか、コゴマやシソなども味のアクセントとして便利かもしれません。また、精白米ではなくもう少し胚芽部分を残して精米した胚芽精米などを利用すると、不足しがちなビタミンB1を無理なく摂取できるのでおススメです!成長期プラス運動も盛んな時期の食事として、エネルギー確保のための糖質代謝はこのビタミンB1により促進されるのでぜひ!」。
 
 

■たっぷり野菜をスパイスで食欲アップ ~夏のご飯料理~

『カラフルな夏野菜が持つ色のパワーで見た目からも食欲アップ!』というのも一つの方法。ご飯に野菜や肉類を混ぜ込むようなエスニック系料理なら、主食と主菜、ビタミン・ミネラル類を一緒に摂ることができます。「さらにこうした料理に使われるスパイスには発汗作用があるものも多く、新陳代謝を促進し、体の中にたまった熱を放出し、消化を助ける効果も期待できます。暑い夏はエアコンなどで外から体を冷やしてしまいがち・・。できれば食事は温かいものを摂って、体調を整えてほしいと思います」。
 
という高野先生に、栄養バランスのいいエスニック風味の一品を紹介してもらいました。
 
【野菜たっぷり!満点夏料理タコライス】
 
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[タコライス] ※1人分の目安量です
 
豚ひき肉 30g/にんにく 0.3g/トマト 15g/レタス 10g/タマネギ 20g
ニンジン 10g/ズッキーニ 20g/セロリ 10g/かいわれ 1g/レーズン 3g
ケチャップ 5g/ウスターソース 1g/チリパウダー 0.1g/しょうゆ 1.5g
砂糖 1g/白ワイン(または酒)15g/チーズ 10g/ご飯 適量
(↓サルサ部分) 
ホール缶トマト 55g/タマネギ 20g/にんにく 0.2g
酢 3g/レモン汁 2g/水15g/オリーブ油 2g/チリソース 3g
 
[タンドリーチキン]
 
鶏もも肉 60g/無糖ヨーグルト 20g/にんにく 0.2g/しょうが 3g
オリーブ油 1g/はちみつ 2g/ケチャップ 10g/カレー粉 0.7g
チリパウダー 0.1g/塩・コショウ 適量
 
夏野菜の代表、トマトをふんだんに使った一品です。生のトマトから新鮮なビタミンCや抗酸化作用のあるリコピンなどの摂取も期待できます。もう一つの主役は豚ひき肉にタマネギ、ニンジン、ズッキーニ、セロリなどたっぷりの野菜を数種のスパイスで仕上げました。豚肉にはご飯などの炭水化物(糖質)代謝を促進するビタミンB1が肉類の中でも特に多く含まれているのでおススメ!またいろいろな野菜を使うことで、微量栄養素のバランスを整え、免疫力アップにも!ケチャップをベースに、ウスターソースやチリパウダーをミックスしたソースでピリッとスパイシーで食べやすく。
 
[ここがポイント]
ひき肉と野菜をいためるとき、フライパンに油を入れてまずニンニクをいためることで、香り付けと味のアクセントに。このニンニクにも疲労回復や免疫力のアップが期待できます。またニンニクとビタミンB1を一緒に摂取すると吸収されやすいのでおススメ!
 
このほかニンジンなどの緑黄色野菜に豊富なビタミンAも、オリーブ油などの油脂類と一緒に摂取すると吸収が良くなることも一般的に知られていますね。さらにタコライスに添えたタンドリーチキンにも新陳代謝を促す各種スパイスが使われています。
タンドリーチキンは鶏もも肉を、ヨーグルトをベースにした数種のスパイスを加えた調味料に漬け込んでからオリーブ油で焼いて仕上げるお料理です。時間がないときには、鶏もも肉だけでなく、タマネギやパプリカ、ズッキーニなどの野菜も一緒に漬け込むという方法もあります。夏の暑さで食欲がないときでも無理なくタンパク質源と野菜類を美味しく食べられるよう一工夫してみましょう。
 
 
【夏食】2-武蔵野高野先生★IMG_0854.JPG
 
【取材協力】
高野沙織(たかのさおり)
学校法人後藤学園 武蔵野栄養専門学校 教員。管理栄養士/食育指導士
食と健康に興味を持って栄養士に。現在は専門学校でライフステージ別栄養学(妊娠期・乳児期~高齢期の特徴と栄養)、食育などに関する科目も担当。未来の栄養士を育てながら、家庭では3歳の子どもの食育に気を配る優しいママ。「小学生になると自分で好き嫌いを言えてしまうので難しいのですが、大人になってからの食習慣にも大きく影響する時期。食育についても是非考えてほしいですね」。
 
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取材・文/山辺孝能 写真/田川秀之(JA杯全農チビリンピック2013全国決勝大会より) 写真提供・取材協力/武蔵野栄養専門学校

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