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運動能力

日本発の育成メソッド「タニラダー」をアジアの子ども達へ

公開:2014年12月13日 更新:2023年6月30日

キーワード:カンボジアスピードフィジカル運動

11月18日、J-GREEN堺(大阪)にて、遠征で来日中だったカンボジアU-14代表の選手達にタニラダー講習会を行いました。タニラダーはヴァンフォーレ甲府のフィジカルコーチ谷真一郎さんが考案し、Jリーガーをはじめ日本の多くの子ども達が実践するスピードアップトレーニングです。
 
カンボジアU-14代表チームを率いるのは、8月の記事で紹介した日本人コーチの壱岐友輔さんです。ベガルタ仙台ジュニアの監督として、全日本少年サッカー大会などでチームを躍進させた壱岐さんは、現在、日本サッカー協会のアジア貢献事業の一環としてカンボジアサッカーの育成強化に携わっています。
 
▼壱岐さんの活動に関する記事はこちら
カンボジアにサッカーを!日本人コーチの挑戦
日本サッカーがFIFAランキング201位の国から学ぶこと
 
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■なぜ、カンボジアの子どもたちにもタニラダーが必要?

東南アジアの選手はスピードや身体能力が高いイメージを持つ人も多いのではないかと思います。なぜ、タニラダーのトレーニングが選手達に必要だと感じたのか、その理由を壱岐さんはこう語ります。
 
「カンボジア選手の特徴として、身体能力が高いと思われがちですが、実はそうではなくて、出来ないこと、難しいことには取り組まない傾向があります。さらに、学校体育も日本のような確立されたカリキュラムがあるわけではありません。したがって基礎運動能力が非常に低いこどもたちが多いのが現状です。たしかに秀でている部分はありますが、サッカーのような複雑な動作の組み合わせになったりすると、上手に足を運べない事が多々あります。右足ではとんでもなくジャンプできるのに、左足では踏み切れないとか。そうかと思えば突然オーバーヘッドをしたりする。ここは就任当初から課題として取り組んできました。そんな中、今回の講習会のお話を谷さんとサカイクさんからいただき実現できたことは、とても良い機会でした。」
 
 

■初めてのラダーも、見る見るうちに動きが改善!

カンボジアの育成でラダーはあまり馴染みのないトレーニング器具だそうです。東南アジアサッカーの雄であるタイと同様、「カンボジア人も新しいもの好き」と壱岐さんが話すように、選手達は初めて見るラダーに興味深々。
 
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しかし、ひとたび講習会がスタートすると集中のスイッチが入り、講師を担当した荻原孝俊コーチの声に耳を傾けます。「やればやるほど上達するし、できないことを克服することが大事だという意識もだんだんと芽生えてきました。練習に対する集中力も日本の子どもたちとさほど変わりません」という壱岐さんの言葉を証明するように、選手達は真剣そのもの。
 
思わず荻原コーチも「目の輝きが全然違う!こんなに一生懸命取り組んでくれるなんて」と熱が入り終了時間を大幅にオーバー。それでも選手達は分からないことがあれば積極的に質問してきます。
 
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「実技を通して説明してくださり、その場で確認しながら質問できたので非常に分かりやすかった。攻守における多方向へのステップワーク、セカンドアクションの膝の使い方、適度な力で走る(100パーセントで走ることがスピードを遅らせてしまう)など今までの単純なラダートレーニングと違い、サッカーに特化しているため、より効果的に生かすことが出来そうです。」(壱岐さん)
 
実際に、最初は身体の動きがバラバラだった選手達も、トレーニングを重ねるうちに改善。参加してくれた選手たちも、大きな収穫があったようです。
 
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「とても良いイメージができました。カンボジアでラダーのトレーニングをした事がありませんでしたが、実技をしながら具体的な説明があったのでわかりやすかったです。僕自身、足には自信があるので、帰国してからも積極的に取り入れて更にスピードに磨きをかけていきたいです。」(Vicheth君)
 
「教えてもらったターンの方法はディフェンスの時により生かされると思います。僕はキーパーなのでステップワークはとても勉強になりました。日々の練習で取り入れステップワークの改善に役立てたいです。」(Bunheng君)
 
 

■心を打つひたむきな姿

約2時間のプログラムを終えた後、少し早いクリスマスプレゼントとしてタニラダーとDVDを選手達にプレゼント。チームを代表して受け取ったカンボジアサッカー協会のSolydaさんは「カンボジアではフィットネスに対しての認識は全くない状況で、非常に参考になる内容ばかりでした。このタニラダーを継続して実施していくことは、カンボジアにとって素晴らしい成果となるはずです」と、とても喜んでくださいました。
 
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今回は、わずかな時間での交流でしたが、サッカーを心底楽しみ、前向きにそして熱心に取り組むカンボジア選手達の姿は心打つものがありました。その姿を目の当たりにしたサカイクキャンプのコーチが「どこかに忘れていたものを思い出させてくれた気がします」と話すように、我々にとっても素晴らしい経験となりました。
 
カンボジア国内では、いまだ貧しい生活を送っている人が多いのが実情ですが、現在のカンボジアは数年前のタイに似ている、数年後には今のタイのように大きな発展が見込めると壱岐さんは話します。日本サッカー協会がアジア貢献事業を展開する目的の一つには、アジア全体のレベルアップによる日本サッカーの強化にあります。彼らが日本のライバルになる日もそう遠くはありません。今回の取り組みが、どのような効果をもたらすのか非常に楽しみです。
 
サカイクは、今後も継続して壱岐さんやカンボジアの選手達の活動を応援し、現地の様子などをレポートしていく予定です。
 
 
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