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次世代を担うキッズ年代は「身体とココロのバランス」が大切 遠藤塾のトレーニングに迫る

2013年7月18日

キーワード:指導育成

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先月、ブラジルで行われたコンフェデレーションカップ。イタリア相手に善戦を繰り広げる日本代表の姿に逞しさや感動を覚えた人とともに、ブラジルとの開幕戦では、世界との差を感じた人も多いのではないでしょうか?今回は横浜マリノスやヴィッセル神戸の中心選手として長きに渡って活躍。引退後は育成年代の指導者として活動し、先月18日に、次世代のサッカー界を担う子どもたちを育成するために「遠藤塾 新大阪校」を開校した遠藤彰弘さんに世界と日本の差を埋めるためにキッズ年代で必要な育成についてお伺いしました。
 
 

■世界の舞台で感じた心技体での大きな差

優勝候補だったブラジルに1-0で勝利し、“マイアミの奇跡”と称される偉業を達成した1996年のアトランタオリンピックで10番を背負った遠藤彰弘さん。当時について「世界に出て足りないと感じたのは全部。心技体の全てが足りませんでした。細かい部分で言えば、正確にインサイドで蹴れる技術や、反転の早さ、前に出るスピードの速さで差を感じました」と振り返ります。
 
「僕らの世代からワールドユースやオリンピックで少しずつ世界に出始めて、今、指導者の道を歩みだしています。何が必要だったかなど、その場にいないと分からない事がたくさんあると思います。Jリーグやオリンピックやワールドカップでしか感じることが出来ない“もっとこうしておけば良かった”という、教科書では分からない、リアルな経験を伝えていきたいですね」
 
という考えの下、現在、指導を行っています。もちろん、弟で、日本代表の遠藤保仁選手も抱える思いは同じです。
 
「ヤット(保仁選手)しか知らない、世界の舞台で困ったことを僕は色々聞いています。将来、世界に出ても困らない選手を育てるために、逆算してキッズ年代に落とし込むのが大事です」とプロの世界で培った経験を基に、監修した練習プログラムをスクールでは実践しています。
 
常に世界や将来をイメージし、キッズ年代で身につけなければならない要素を学ぶ遠藤塾の練習で、重要視しているのは心と身体の“バランス”です。サッカーにはボールを止める、蹴るだけじゃなく、走りの要素も大きく求められます。単に前向きに走るだけじゃなく、横や後ろ、斜めなど動きの種類は多種多様。キッズ年代では、特に難しいと言われる動きでもあります。
 
「反転した時にバランスを崩す子もいれば、崩さない子もいます。崩さない子は自分が思ったように身体を動かせるから、ボール扱いも上手いですよ。幼児期のうちは真っ直ぐに走ることしかしてないと思います。ランダムな動きの中で、自分が身体をどう使っていくのかを遊びの中で覚えていく。分からなくても、『サッカーとは、こういうものだよ』という事を学んで欲しいですね」
 
と彰弘さんは説明します。
 
身体のバランスを整えるもう一つのメリットは怪我の防止。保仁選手は高い技術とともに大きな怪我の少なささも特徴の一つ。怪我が少ないからこそ、自身が持つ技術をコンスタントに試合で発揮することが出来ます。鍛えられた肉体も怪我の少なさの理由の一つですが、身体のバランスの良さとそれを生かすための身体の使い方を知っている事も大きいのです。遠藤塾ではそうした身体のバランスを、ボールを使って楽しみながら、身につけています。
 
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■キッズ年代に身につけておきたい“ココロのバランス”

身体とともに遠藤塾でもう一つ重要視しているのは“ココロ”です。
 
「サッカーを好きになる前に、まずはグラウンドに行きたいって思ってもらえるのが大事です。楽しいという気持ちが、自ら進んでボールに触りたいという気持ちに繋がるし、ボールが蹴りたいという気持ちがあれば自ら進んでトレーニングするようになります。その積み重ねが基礎に繋がります」
 
と彰弘さんが話すように“楽しむココロ”は、サッカーをやる上で、何よりも大事な要素です。
 
そして、キッズ年代では出来ること出来ないことに個々の大きな差があるからこそ、ココロの成長が大事と彰弘さんは話します。
 
「トレーニングをしているボールを触ることが出来ない子もいる。それでも、ボールを必死に追いかけるという気持ちを出せるようになってほしい。『次の練習いつなんだ』、『次のゲームで何しようか』というワクワクした気持ちを持った子どもなら、今は出来なくても、将来、出来るようになります。そのためには、キッズの時期にどれだけ基礎を身につけているかが大事なのです」
 
ココロが成長していく上で、身体と同じくバランスも欠かせません。
 
「一生懸命になって、“サッカーがやりたい”という気持ちが高ぶると興奮状態になってしまって、友だちと喧嘩することもあります。意欲は凄くいいのですが、サッカーはチームスポーツなので、抑える力も大事」
 
という彰弘さんの言葉通り、練習では個を伸ばすだけではなく、仲間との輪を大事にしながら、ココロのバランスを学ぶための工夫が隠されています。
 
「プロになるのは東大に入るより、難しい。そして、世界で通用する選手やプロで10年、15年やれる選手なんて一握り。その一握りを育てるためのベースをキッズの間に作りたいですね」
遠藤塾には細部まで遠藤兄弟の考えやこだわりが詰まっています。次回は遠藤塾のトレーニング模様を交えながら、世界で戦える選手になるためにキッズ年代に必要な要素を考えます。
 
 
幼少期にはボールにたくさん触れて、動きの中で自然にサッカーを身につける 遠藤塾トレーニング>>
 
 
【この記事を読んだ人にはこちらもオススメ!】
遠藤塾が1Dayサッカークリニックを開催
 
 
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遠藤彰弘//
えんどう・あきひろ
1994年にJリーグの横浜マリノス(後の横浜F・マリノス)に入団。2004年には中村俊輔の移籍で空いた10番も付けたが、2005年には故障に加え、補強選手や若手の台頭もあって出場機会が激減。7月にヴィッセル神戸に完全移籍した。2008年に契約満了で退団後、5月13日に引退を発表。「マイアミの奇跡」で知られる1996年アトランタオリンピックのU-23日本代表では、背番号10を背負った。実弟はガンバ大阪に所属している遠藤保仁。現在は財団法人日本サッカー協会公認B級コーチライセンスを取得し、一般社団法人Jリーグ選手OB会の理事を務めながら、株式会社11asideに所属し、指導者として国内外で活躍中。
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取材・文・写真/森田将義

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