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運動能力

【コンディショニング第7回】自宅で行う子どものケガ予防チェック

2011年10月28日

キーワード:コンディショニング連載

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皆さん、こんにちは。運動会やスポーツ大会、イベント盛り沢山の10月も終わり、いよいよ11月到来ですね。朝夕の寒暖の差が激しいようです。風邪やインフルエンザ、充分に体調管理にお気をつけ下さい。

さて、今回は自宅でできる怪我予防チェックについてお話したいと思います。私が現在セミナーやスポーツクリニックを展開している「一般社団法人ウェルネスJAPAN」の教育研修プログラムとしてLACS(Little Athlete Care Supporter リトルアスリートケアサポーター)セミナーがあります。これは、スポーツに汗を流し、未来のスーパースターやトップアスリートを目指している子ども達の保護者の方々に向けて、自宅で行えるコンディショニング方法を勉強するセミナーです。毎回参加された保護者の方々からは沢山の質問や疑問について、ベストな方法を一緒に考えていきます。
最も多い質問は食事内容と、自宅でできるケア方法なのですが、まず保護者の皆様には、お子さんの「姿勢」や「身体のクセ」についての観察をやって頂きます。最初は「難しい」とおっしゃられますが、慣れてくると容易に確認できます。
 
まず、スポーツ選手の姿勢にとってポイントとなるのは
①骨盤が真っ直ぐ立っているか
②背筋がすっと真っ直ぐ伸びているか
③左右の耳の高さや肩の高さ、または骨盤や肘の位置が左右対称であるか。
④顎を適度に引いているか。またうなじが伸びているか
 
これらの姿勢についてのお話は以前も取り上げましたが、①の骨盤が真っ直ぐ立っているというのは、反り腰のことではありません。椅子に座った時に骨盤の一番下の骨で支えて座っている骨盤のイメージです。反り腰は腰痛の原因になります。その多くは練習後の下肢の筋肉のストレッチ不足、腹筋の筋力トレーニング不足が原因です。
 
②も同様で、自然な背骨のラインを守ったまま真っ直ぐに立った姿勢です。日本の教育では「気をつけ!!」の姿勢が正しい姿勢というイメージがありますが、あの姿勢は反り過ぎ姿勢なんです。
 
③は左右の耳たぶや耳の穴が左右同じ高さにあるか、肩の角ばった骨の部分(肩峰)が均等な高さにあるか、もう少し分かりやすく言うと、顔が左右どちらかに傾いていたり、左右腕の長さが違っていないか、ということになります。
 
④は最近の子ども達に多い姿勢ですが、顎をやや突き出し背中が丸まっている姿勢です。
いわゆる「猫背」です。またこういった子ども達はよく口を半開きにしており、鼻呼吸をしなくなっています。こうした子ども達はこれからの季節、喉を傷め、風邪をひき易くなるのです。
 
 
姿勢アライメント.jpg
 
この「棒人間」のような図は人間の「姿勢アライメント」を簡単に表したものです。
LACSセミナーでは、実際に参加した保護者同士で姿勢のチェックをしあったり、これを持ち帰ってお子さんの姿勢を実際にチェックし、後日トレーニングについてのご相談を受けたりすることもあります。大半、こうした姿勢のチェックをし、歪みを確認出来た方は腰痛や肩凝りが認められます。
 
例えば前から見た姿勢は頭の下に背骨が降りて、骨盤の中心に乗っていますが、背骨が左右どちらかに歪んでいたり、骨盤自体が歪んでいると、この線上(背骨)に沿っていないことになります。そうなると、肩の横棒ラインも左右に傾くことになります。野球選手だと、この肩のアライメントに左右差が出たり、テニス選手だと左右の腕の長さが違い、といった身体的な特徴が出ます。
 
後ろから見た姿勢ですが、肩の部分に逆三角が付いてるのがお分かりでしょうか?これは「肩甲骨」です。実は左右差として、この「肩甲骨」がどちらか下がっていたり、浮いていたりすることがあります。痛みがある方の肩甲骨が浮いていたりすることはよくあることです。後ろから見た場合、骨盤が左右どちらかが、前後にずれていることがよくあります。特にサッカー選手の場合には、左側の骨盤がやや前に出てねじれていることがあります。それは、多くの人が利き足である右脚で蹴る際に、左軸足を踏み込み、左骨盤で壁を作るように固定(安定)させる際、強い力が加わることで起こります。こうしたスポーツ競技によって起こる姿勢はどの競技にも見られます。競技特性を考慮し、トレーニング、特に練習後のストレッチを行う必要があるのです。
 
次に横から確認した場合、腰が反っているような姿勢もよく見受けられます。こういった子ども達に多いのが「慢性腰痛」であり、顕著に太股裏側の筋肉の柔軟性の低下が認められます。姿勢のチェックは止まって行う方法(静的)と動かしながらチェックする方法(動的)と大きく分けて二つありますが、動かしながらは少々テクニックが必要なので、ご自宅でお子さんに「ちょっとそこに立ってみて」と壁際に立たせます。「気をつけ!!」とか「ちゃんと真っ直ぐ立ちなさい」といったような言葉はかけてはダメですね。いつもの姿勢をチェックするためには意識させる必要はありません。
 
姿勢のエラー(歪み、傾き)は必ずと言っていいほど、後々のスポーツ障害や怪我に繋がります。左右非対称の動きや局部的な大きな力の発揮(キック動作)を繰り返すスポーツにおいて、こうした歪みや筋肉のこわばりは、適切なコンディショニングを行わなければ、必ず現れます。
 

【スポーツ障害を予防するためのホームチェック】

ホームチェック.jpg
 
ご自宅でチェックし、そのエラーを改善するストレッチや補強トレーニング(基礎的筋力トレーニグは前回記事参照)を行えば、ジュニア期の子ども達であれば、かなり早く改善されます。
 
練習時間以外に最もお子さんと接しているのがお父さん、お母さんです。小さい時からお子さんの成長を見てきています。お父さんやお母さんがトレーナー的な視点が身につけばお子さんも安心して運動に励めますね。世界で活躍しているスポーツ選手にはよく家族の協力や「内助の功」のエピソードを耳にします。お子さん達が最高の奥さん、最高のトレーナーに出会うまではお父さん、お母さんが「良き最高のケアサポーター」であることは間違いありませんね。
 
 
江上猛//
えがみたけし ストレングス&コンディショニングを専門とするコンディショニングトレーナー。 福岡県筑後市にてセミパーソナルトレーニングシステム主体のトレーニングジムK2ATT(カット)経営。子どもから高齢者、競技選手にいたる幅広い年齢層とニーズに応じたトレーニング指導を行なうほか、本場中国武術を伝授し、普及活動を行うほか、中国武術を用いた身体操作法や独自のコンディショニング法により、体力増強や競技力向上でも高い評価を得ている。 また、一般社団法人ウェルネスJAPAN教育研修事業部チーフとして、スポーツ指導者、トレーナーのスキルアップ、及びスポーツ現場におけるスポーツ傷害予防を目的としたスポーツ医学やスポーツ科学に基づいた指導法を普及させる活動、セミナー活動も行なっている。 
(社)ウエルネスJAPAN公式HP(PC)
 
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