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親子でチャレンジ

大人の役目はプレーのアドバイスではなく、子どもが全力でサッカーを楽しめる環境を用意してあげること

2016年5月23日

キーワード:ケリなびカップサッカーフェスティバル子育て

「参加した子ども一人ひとりが"自分が主役だった"と感じられたら、きっと楽しいんじゃない?」
 
そんな発想から生まれたサッカー大会『ケリなびカップ』が、昨日5月22日(日)、『ZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREA』(千葉県千葉市)にて開催されました。
 
6歳以下の未就学児(U-6キッズ)を対象とする同大会は、FIFAアンセムを流しながらの試合入場、試合を盛り上げるプロの実況アナウンス、試合後のヒーローインタビューなど、参加した子どもたちがプロサッカー選手になりきれる仕掛けが随所に盛り込まれていました。ゴールを決めた子どもは華麗にゴールパフォーマンスを決め、観客と化したお父さんお母さんを熱狂に包みこみ、試合後には颯爽とヒーローインタビューに答え、周囲の大人たちを沸かせました。
 
サッカーを楽しむことこそ、うまくなるための第一歩。そのきっかけづくりとなる同大会に秘められたメッセージをお伝えします。(取材・文 出川啓太[サカイク編集部])
 
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ヒーローインタビューの様子。試合実況やインタビュアーを務める中村義昭(DJ JUMBO)さんの質問にしっかりと答える子どもたちの姿が印象的でした
 

■子どもはサッカーを大人にする!6歳から本番に近い環境を与える意味

――試合はどうだった?
「楽しかった」
 
――なにが一番楽しかった?
「5点とれて楽しかった」
 
――えっ?待って?(笑) いま何点って言ったの?
「5点」
 
――5点もとったの?すごいね。どうしたら5点もとれるの?
「はやくておっきいドリブルをする」
 
――みなさん聞きましたか? 速くて大きいドリブルをする。すごいなぁ。じゃあさ、いまの試合5点とったからさ、次は何点とる?
「6点」
 
――次は6点とってくれるそうです。なんとも頼もしい。将来はサッカー選手になりたいの?
「なりたい」
 
――将来は、バルセロナやレアルマドリードといった海外のクラブに行けるようにがんばってください。
「はい!」
 
これは、ケリなびカップのヒーローインタビューでの一幕です。インタビューを受けた少年は、6歳ながらアナウンサーの質問の意味をしっかりと理解して受け答えています。ケリなびカップの発案者であるアメージングスポーツラボジャパン代表・浜田満氏は、この大会にヒーローインタビューを取り入れた狙いをこう語ります。
 
「ヒーローインタビューみました? 6歳でも意外と答えられるでしょう。ぼくら大人は知らず知らず子どもの可能性を勝手に決めてしまっているんだけど、じつはぼくらが思っている以上に子どもはできるんです。子どもがしっかりと質問に答えている姿をみると、親もコーチも嬉しくなりますよね。そういう体験が子どもたちにも彼らに関わる大人にも必要なんです」
 
インタビュアーの質問に答えるということは、周囲の人たちに自分の考えていることを伝えるということ。親子の関係ではなく、社会とコミュニケーションをとるという機会を持つことを意味します。
 
「ブラジルワールドカップの日本代表を見てもわかるとおり、日本のサッカーは本番に弱い。これはぼくが感じている日本サッカーの課題です。それはなぜかというと、本番を経験できる機会が少ないから。私たち大人の役割のひとつは、子どもたちが本番を経験できる環境をいかに用意してあげるか。リアルなシチュエーションをどれだけつくってあげられるか。FCバルセロナでは、育成年代の練習試合やスクールから、極力本番に近づけるように意識しています。ぼくはそれを彼らから教わりました」
 
だからこそ、今回の大会では試合前の入場やアナウンスをつける演出を用意しました。
 
「そうすることで、子どもたちに社会性が身につきます。得点すると自分のゴールがアナウンスされるんです。すると、『おっ、おれのゴールがアナウンスされたぞ』と、子どもは嬉しくなります。親が一緒になって喜んでくれたらもっと嬉しい。もう一点とろうっていう、やる気も湧いてくるでしょう」
 
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アメージングスポーツラボジャパン代表の浜田満さん。手に持っているのは、大会参加選手全員に配られる選手証
 

■大人にできることは、子どもに環境を与えてあげること

また、浜田さんはこうも言います。
 
「日本では、6歳以下の子どもたちがサッカーの試合を体験できる機会が少ないと感じます。サッカーを始めるタイミングは早ければ早いほどいい。ぼくは日本の子どもたちがサッカーをはじめる年齢を少しずつ下げていきたいです」
 
今大会に参加した『MASAKI SPORTS ACADEMY』の平川正城さんは、この大会をどのように捉えていたのでしょうか?
 
「6歳以下だと団子サッカーというか、みんなでボールに向かっていくのが当然だと思いますし、戦術などはまだまだ難しい年代です。けど、やはりこういう環境がないと子どもたちは育たないし、こういう経験はなかなかできないので、すごく選手たちのためになっていると思います。こういう試合の経験をしたことがないので、やはり最初はガチガチに緊張している子も、顔がこわばっている子もいました。けど、なかにはいつも通り平常心でプレーできている子もいる。そういう子は普段の練習からいいパフォーマンスをしている子で、自信を持っているんでしょう。ガチガチに固まってしまっている子も、こういう機会になにかの拍子でいいプレーをして自信に繋げてもらいたいですね。そういう機会になる場だと思います」
 
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選手証には、こどもたちの試合を観戦している親御さんたちから「いいねマーク」を貼ってもらうスペースが用意されていた。
 
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自分の子ども、チームに限らず、いいプレーや行動をした子の選手証にいいねマークを貼っていく親たち。
 
わたしたち大人が子どもたちにできることは、子どもが育つ環境を与えてあげること。大会運営者は子どもが全力で楽しめる大会を企画運営し、コーチは子どもがよりよいサッカー選手になるように導きます。では、わたしたち親にできることはなんでしょうか? いきなりすごいことをしようとする必要はありません。サッカー少年団に所属するお父さんお母さんの多くが週末に行っている、わが子の送迎や応援も、子どもたちにサッカーをする環境を与える大切な役目のひとつと言えるのではないでしょうか。
 
「子どもと自主練してうまくしてあげよう」
「サッカーの楽しさを教えてあげよう」
 
そんなふうに肩肘を張るのではなく、まずは子どもがサッカーを楽しめる環境に連れていってあげること。それこそがサッカー少年の親にできる最高の協力なのではないでしょうか。
 
 

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