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親子でチャレンジ

親子で応援しよう高校サッカー!「選手権大会のいまむかし編」

2011年12月27日

キーワード:観戦術高校サッカー

サッカーの枠を超え、箱根駅伝と共に年末年始の風物詩となっている「全国高校サッカー選手権大会」。第90回の節目を迎える今回も12月30日(金)から翌年1月9日(月)まで、東京・国立競技場をはじめとする関東各会場で、47試合の熱戦が繰り広げられます。では、サカイクを読むジュニア年代の親御さんたち、子どもたちはこの大会をどんな目線で見ていったらいいのでしょうか?
 
1989年度(平成元年度)の第68回大会で愛媛・南宇和高校のキャプテンとして全国優勝を経験。「大西貴の親子でサッカーを楽しもう!」でもおなじみの大西貴さんに、大会のみどころを「選手権大会のいまむかし編」「子どもに感じてほしいこと編」に分けて解説してもらいました!今回は高校選手権の歴史や文化的背景を大西さんの体験談も交えて語って頂きます。
 
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↑高校最後の大会だからこそ、意地がぶつかり合う(愛媛大会決勝より)
 

■「パトカー先導で凱旋」昔はすごかった全国高校サッカー選手権

――12月30日、いよいよ「第90回全国高校サッカー選手権」が開幕します。大西さんは第68回・全国高校サッカー選手権の優勝メンバーですが・・・。 
 
大西「優勝・・・しましたね(笑)。でも、当時と今とでは高校サッカーの置かれた立場が全然違うということは、まず頭において考えないといけないと思います。
 僕らが高校生だったころは、全国高校サッカー選手権は日本のサッカー大会で最も盛り上がる大会でしたし、注目される大会でした。Jリーグ(1992年リーグカップ、1993年リーグ戦開始)もまだできていないころでしたから。あのころからサッカーを取り巻く環境が大きく変わっています」
 
――確かに、昔の全国高校サッカー選手権では「ここで完全燃焼」のような雰囲気はありました。
 
大西「大会は雑誌にも大きく取り上げられましたし、優勝したときは天と地がひっくり返ったような騒ぎでした。優勝は『地方からでも全国制覇できる』と勇気付けてくれた石橋智之先生(当時の南宇和高校監督・現在は愛光学園高校サッカー部監督)のマネジメント力が大きかったですけど、地元では優勝パレートもしましたし、大阪から松山までは船、松山から南宇和までは街宣車やパトカー先導でバス移動。みんなが手を振ってくれたうれしさを覚えています。
 
それゆえに次のステージで燃え尽き症候群になる選手も実際にいました。僕自身も高校卒業時に、JSL(日本サッカーリーグ)の何チームからお誘いを頂いたんですが、そこには興味がなくて、体育教師になろうかなと思って福岡大学に進んだくらいですから。
 ですから、僕らは南宇和で苦楽を共にしてきたチームメイトや、対戦してきた選手たちのため、愛媛県の代表として自分たちのできるところまでやってみようという想いを持って選手権に臨んでいました。その意味で「全国高校サッカー選手権」は大きな大会でした」
 
 
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↑たくさんの敗者の想いを背に都道府県代表として闘う(高知大会決勝戦より)
 

■「多くの仲間」への責任感。それが高校サッカーの魅力

――対して現在はJリーグ、海外などサッカーで生活する選択肢は数多くあります。
 
大西「加えてこの年代はJリーグのアカデミーをはじめクラブユースも多くなっていますし、年代別日本代表にもクラブユース所属選手が多く入っています。その意味では高校サッカーの位置づけが難しくなってきていることは確かですね。
 でも、フル代表を見ると高校サッカー出身の選手が半分以上を占めているし、海外で活躍している日本人選手も高校サッカーで根性を鍛えた選手がまだ多い」
 
――日本代表を見ても藤枝東(静岡県)の長谷部誠(ドイツ・ボルフスブルグ)だったり、星稜(石川県)の本田圭祐(ロシア・CSKAモスクワ所属)だったり、東福岡(福岡県)の長友佑都(イタリア・インテルミラノ)、清水東(静岡県)の内田篤人(ドイツ・シャルケ04所属)・・・。
 
大西「そうなんです。自分は高校サッカー出身ですし、今は松山北高校サッカー部のコーチ。また、愛媛FCユースの監督を務め、クラブユースを選ぶ子どもたちを預かった経験もありますが、それを踏まえてクラブユースと高校サッカーの違いを考えてみると、『仲間の多さ』という話に行き着くんですよ。
 
たとえば僕がユース監督をしていた当時、ユース選手たちは環境も練習内容も高校サッカーとさほど変わらない中、自分の技術を向上させたい思いを持ってサッカーをしてくれていました。でも、なかなかそれを見てくれる人が少ない状況があったんです。
 その一方、高校サッカーでは他の部活の選手たちも声を掛けてくれる。時には応援に来てくれる。クラスメイトも声を掛けてくれる。学校のかかわりとの中で自分のテンションも上がってくる。普段の生活の中で周りの期待や応援を感じることができる。そこが高校サッカーのよさだと思うんですよ」
 
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↑地域やクラスメートの声援も原動力に(愛媛大会決勝より)
 
――部活から戻った教室でも「がんばれよ」と言ってもらえるのは心強いですからね。
 
大西「しかも僕らが遠征に行っているときは、クラスの友だちがいない間の授業内容を教えてくれたりするんです。だからこそ、自分たちの学校を背負って全国大会に出ると責任感が出てくる。責任感が出てくると言動も変わってくるし、自分がやらなくてはいけないことも整理されてきます。
 サッカーの技術的にはJユースカップの方が上だとは思います。けど、文化としては全国高校サッカー選手権の方が認知度は高い。重いんです」
 
――「重い」ですか・・・。
 
大西「みんなの感情、想いを背負って闘う。だから高校サッカーは今でも日本の文化になっていると僕は考えるんです。だからこそ人を動かすプレーや物語ができる。
 サッカーを通じての技術の習得の他にも、挨拶などに代表される責任感が養われ、考えてサッカーをするようになることが高校サッカーのよさ、魅力だと思いますね」
 
「子どもに感じてほしいこと編」を読む>>
 
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大西 貴(おおにし・たかし)//
1971年・愛媛県生まれ。南宇和高では主将として1989年度の第68回全国高校サッカー大会制覇。福岡大を経て1994年に広島へ入団し主にDFとして広島で3年間、京都で1年間プレーしJ1・21試合に出場。広島時代はマンチェスター・ユナイテッドへの短期留学も経験する。そして1998年には当時四国リーグ所属だった愛媛へ里帰り。愛媛FCでサッカースクールコーチを務めつつ2001~2003年には選手兼監督・2004年には監督専任で4年間JFLでも采配を振るった。その後は2年間の愛媛ユース監督経験を経て、現在は愛媛県立松山北高コーチ、スカパー!愛媛中継解説者として活躍中。日本サッカー協会公認A級ライセンス保持。
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取材・文・写真/寺下 友徳

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